第6軍_(ドイツ軍)
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第6軍(:Deutsche 6. Armee)は、第一次世界大戦第二次世界大戦時のドイツ軍の部隊である。スターリングラード攻防戦で包囲殲滅されたことで知られる。
第一次世界大戦

第6軍
創設
1914年
廃止1918年
所属政体 ドイツ帝国
所属組織ドイツ帝国軍
部隊編制単位
担当地域西部戦線
主な戦歴西部戦線
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第一次世界大戦が勃発すると、バイエルン王太子ルプレヒトが司令官、クラフト・フォン・デルメンジンゲン(英語版)が参謀長に着任した。プラン17(フランス語版、英語版)が行われている間、西部戦線中央に配置され、ロレーヌ防衛を行った。

1914年8月、ロレーヌの戦いで、第6軍はフランス軍を誘導するための偽装撤退を行い、フランス軍の攻撃を持ちこたえた。

西部戦線で手詰まりが発生し、お互いが塹壕を築きはじめると、第6軍は北フランスに拠点を置いた。1915年9月24日、第6軍はイギリス軍による初の塩素毒ガス攻撃の目標となっていた。これによる多大な犠牲者を出したにもかかわらず第6軍は持ちこたえ、イギリス軍の攻撃も数日後には行き詰まっていた。

1917年3月、ヴィミーリッジの戦い(Vimy Ridge)の際、第6軍はイギリス、カナダ両軍の攻撃目標であった。第6軍はそのとき、ルートヴィッヒ・フォン・ファルケンハウゼン(英語版)の指揮下にあったが、戦いにより20,000名以上の犠牲者を出すことになり、カナダ軍に押し戻された。敗戦の責任を問われ、ファルケンハウゼンは解任された。
司令官

着任離任階級(当時)氏名
1914年1916年
陸軍元帥ルプレヒト王太子
1916年1918年大将ルートヴィッヒ・フォン・ファルケンハウゼン(英語版)

第二次世界大戦

第6軍
創設
1939年10月10日
廃止1945年5月8日
所属政体 ドイツ国
所属組織ドイツ国防軍陸軍
部隊編制単位
担当地域西部戦線
主な戦歴東部戦線
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西部戦線

当初、第10軍(司令官ヴァルター・フォン・ライヒェナウ砲兵大将)として編成され、その活動の主要目的はポーランド侵攻中にドイツ西側国境のイギリス、フランス軍の侵攻を防ぐものであった。ポーランド侵攻作戦終了後の1939年10月10日に第6軍へ改名された。

低地諸国への侵攻の間、第6軍は降下猟兵部隊と連携を行い、ベルギーの戦いではエバン・エマール要塞リエージュナミュールで各防衛線を突破した。

フランス侵攻の最終局面ではノルマンディー海岸沿いのドイツ軍北方側面を担当、1940年6月12日、パリ占領作戦に関与していた。
東部戦線

1941年6月22日、ドイツ軍ソビエト連邦侵攻を開始すると、第6軍は南方軍集団の先鋒として参加した。1942年1月、陸軍元帥に昇進したライヒェナウは心臓発作を起こし、病院へ搬送するため航空機で運ばれたが、途中、航空機が事故を起こしたため死亡、後任の司令官にはフリードリヒ・パウルス装甲兵大将が参謀長から昇格・昇任した。

1942年春、第6軍は第二次ハリコフ攻防戦で勝利を収めた後、夏季攻勢のブラウ作戦では、ボルガ河に到達してスターリングラードを攻略する任務を与えられたが、ソ連軍の頑強な抵抗でスターリングラードでは熾烈な市街戦が11月まで続いた。

1942年11月19日に始まったソ連軍の反攻作戦、ウラヌス作戦により、第6軍の南北を守るルーマニア第3軍と第4軍は撃破されて、第6軍はスターリングラードで包囲された。包囲された第6軍の補給のため、空軍は空輸作戦を行ったが、ソ連空軍の妨害や対空砲などにより、補給は第6軍の戦力維持レベルとする700トン/日の半分にも届かない状態であった。第6軍を救出するため、ドン軍集団エーリッヒ・フォン・マンシュタイン元帥)は、12月12日に冬の嵐作戦を発動したが、結局、失敗に終わった。ドイツではそれまで降伏した元帥は存在しなかったため、ヒトラーは1月に上級大将に昇進したばかりのパウルスを、名目だけであるが1943年1月31日に元帥に昇進させた。これは、パウルスに暗に自決するよう示唆したものであったが、クリスチャンのパウルスは自決せず、ソ連軍に降伏した。カール・シュトレッカー(Karl Strecker)歩兵大将の指揮にあったXI軍団の残存部隊も、スターリングラード北方のトラクター工場で2月2日に降伏し、第6軍は全滅した。

1943年3月5日、カール=アドルフ・ホリット歩兵大将を司令官に任命、ホリット軍支隊を主幹として第6軍は再編成された。


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