第6世代ジェット戦闘機
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グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)のイメージ図

第6世代ジェット戦闘機(: sixth-generation jet fighter)は戦闘機の概念的な分類の1つである。2020年現在最新の第5世代ジェット戦闘機よりもさらに先進的な設計とされる。従来は単機完結型の設計であったが、第6世代からは単機の性能向上に加えて、クラウドシューティングという機能が実現し、複数の兵器を組み合わせて最適に活用するための部隊全体の情報処理能力も重視されるようになる[1]
設計概念2019年パリ航空ショーで展示されたFCASモックアップのインタラクティブ3Dモデル

アメリカ空軍のMike Hostage大将は第6世代戦闘機を決定する為の特徴は未定であると述べているが[2]、第6世代戦闘機は長航続距離と高性能を目的としてAdaptive Versatile Engine Technology(英語版)のような先進的なエンジンを採用する事が予想される。2012年時点ではリスクを低減するためにエンジン開発は2020年頃に開始可能であり、2028年に海軍、2032年に空軍へ導入開始予定である[3]

2013年11月、空軍研究所は2030年以降の次世代制空戦闘機に搭載可能なレーザー兵器の要求情報 (PFI) を公開した。空軍は3分野のレーザーに関心を示す:照射、追跡、目標捕捉と敵のセンサーの無力化のための低出力;接近するミサイルから防御のための中出力;と敵の航空機や地上の標的を破壊するための高出力である。レーザーは、システム制御は海面からの高度65,000 ftで、速度はマッハ 0.6 からマッハ 2.5で作動する。

2015年4月には、戦略予算評価センター (CSBA) は、次世代のアメリカ空軍の戦闘機は従来の小型で機動性の優れた戦闘機よりも大きく、より爆撃機に似ていなければならないと結論付ける報告書を発表した。 1965年以来、1,450回以上の空対空戦闘の分析の結果、長距離兵器やセンサーによって劇的に格闘戦の機会が減少していることが判明した。電子機器と赤外線センサーと高速兵器を使用して強化された防空システムにより、小型、高速、かつ機動性に依存する従来の設計は連携が少なく、迎撃が容易かもしれない。その結果、CSBAは検出または追跡される前に任務を完了するために大幅に強化されたセンサー、熱紋制御、ネットワーク接続状況認識、および超長距離兵器に依存する有意に大型戦闘機の構築を示唆している。 大型航空機は、航続距離が長く、戦闘地域に長時間駐留することが可能で大型レーダーや赤外線検出機能を備え、大型で長射程のミサイルを運ぶ事が出来ると予想される。一つの機体は複数の役割を満たすために、様々なアタッチメントを取り付けることができる。そして少数の大陸間の飛行能力を備えた重武装の軍用機はそれ自体が長距離打撃爆撃機の開発に繋がる[4]

また、人工知能等による戦闘機の完全無人自律制御を可能にするシステムの搭載も挙げられている[5]
実例
フランス、ドイツ、スペイン詳細は「将来戦闘航空システム(英語版)」を参照

フランス、ドイツ、スペインの3カ国は、将来戦闘航空システム計画において第6世代戦闘機となる有人戦闘機(NGF)の他、随伴する無人戦闘機、ネットワークなどのシステム開発を進めている[6]。NGFは2029年に初飛行、2030年に設計固定、2040-45年に運用開始予定である[7]
日本・イギリス・イタリア詳細は「グローバル戦闘航空プログラム」を参照

日本・イギリス・イタリアの3カ国は英国主導のBAEシステムズ・テンペストと日本のF-Xプログラムを統合したグローバル戦闘航空プログラムにおいて、第6世代戦闘機の開発を進めている。 2030年に初号機の製造、2035年に初号機が納入される予定である[8]
アメリカ詳細は「次世代航空支配」および「F/A-XX」を参照

アメリカ空軍はF-22の後継として次世代航空支配(NGAD)計画において 第6世代戦闘機の開発を進めている。計画は有人戦闘機・AIM-260 JATM・随伴する無人戦闘機の3要素からなり、2024年に開発発注、2029年に配備を予定している[9]

アメリカ海軍はF/A-18E/Fを置き換え、F-35Cを補完するものとして、次世代航空支配(NGAD)計画(空軍と同名であるが別の計画)において、第6世代戦闘機F/A-XXの開発を進めている。2030年代の配備を予定している。
ロシア詳細は「MiG-41 (航空機)」を参照

ロシアは、旧式化しつつあるMig-31の後継としてMig-41を開発中である。ロシアの軍事専門家ワシリー・カシン氏は本機が第5.5世代又は第6世代戦闘機になると指摘している[10]。2021年1月に開発段階に入ったことが発表され、2025年に初飛行、2028年に運用開始が予定されている[11][12]
中国

第5世代戦闘機J-20の開発に成功した中国は、現在、次世代機の開発に取り組んでいる。成都飛機工業公司の主任設計者は、2019年1月に中国が第6世代戦闘機の事前研究を開始したことを明らかにし、2035年までに第6世代戦闘機を導入するという見方を示した[13]

2023年2月、中国航空工業集団は第6世代戦闘機のコンセプトをSNSで公表した。コンセプトでは無尾翼が採用されており、過去に公開されたイメージとも類似している[14]
インド詳細は「AMCA (航空機)」を参照

インドは、第5世代戦闘機であるAMCAを開発中であり、初期型には5.5世代の技術を搭載する一方、発展型には第6世代戦闘機の技術を搭載予定としている[15]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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