第39回世界遺産委員会
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ワールドカンファレンスセンター・ボン

第39回世界遺産委員会(だい39かいせかいいさんいいんかい)は、2015年6月28日から7月8日の間、ドイツボンで開催された。この世界遺産委員会の会場となったのはワールドカンファレンスセンター・ボン(ドイツ語版)である。ドイツでの開催はベルリンで開催された第19回世界遺産委員会以来2回目、 西ヨーロッパでの開催はセビリアスペイン)での第33回世界遺産委員会以来となった。この世界遺産委員会では、文化遺産23件、複合遺産1件の計24件が登録された結果、世界遺産リスト登録物件の総数は1,031件となり、世界遺産条約を締約しているにもかかわらず世界遺産を持たない国のうち、シンガポールジャマイカが新規に世界遺産保有国となった。また、ISILによる文化財破壊への非難などを盛り込んだ「ボン宣言」が採択された。
委員国

委員国は以下の通りである[1]。地域区分はUNESCOに従っている。

議長国 ドイツ議長マリア・ベーマー(英語版)(ドイツ外務省
アジア太平洋 インド副議長国
日本
カザフスタン
マレーシア
フィリピン
韓国
 ベトナム
アラブ諸国 カタール副議長国
レバノン報告担当国(担当者 ヒカム・シャイブ Hicham Cheaib)
アルジェリア
アフリカ セネガル副議長国
ヨーロッパ北アメリカ クロアチア副議長国
 フィンランド
ポーランド
ポルトガル
セルビア
トルコ
カリブラテンアメリカ ジャマイカ副議長国
 コロンビア
ペルー

審議対象の推薦物件一覧

物件名に * 印が付いているものは既に登録されている物件の拡大登録などを示す。太字は正式登録(既存物件の拡大などについては申請用件が承認)された物件。英語名とフランス語名は諮問機関の勧告文書に基づいており[2]、登録時に名称が変更された場合にはその名称を説明文中で太字で示してある。

第39回世界遺産委員会の審議で新規に世界遺産保有国となったのは、ジャマイカシンガポールの2か国である。この時点で、世界遺産条約を締約している191か国のうち、世界遺産を保有していない国は28か国となった。
自然遺産

画像推薦名推薦国勧告決議登録基準
ダウリヤの景観群 ロシア/
モンゴル登録延期情報照会
Landscapes of Dauria
Paysages de la Dauria
この物件はダウルスキー自然保護区を含むロシア側 (279,022 ha) とモンゴル側 (580,080 ha) から構成されるが、諮問機関であるIUCNは、推薦されていた生態系生物多様性の基準を適用するには推薦物件の見直しが必要として、「登録延期」を勧告した[3]。審議では1段階上の「情報照会」と決議された[4]第41回世界遺産委員会で正式登録されることになる。
ケープ植物区保護地域群(「ケープ植物区保護地域群」の拡大)* 南アフリカ共和国承認承認(9), (10)
Cape Floral Region Protected Areas [extension of the property “Cape Floral Region Protected Areas”]
Aires protegees de la Region florale du Cap [extension du bien ≪ Aires protegees de la Region florale du Cap ≫]
「ケープ植物区保護地域群」はアフリカ大陸全体の20%にあたる植物が生育しているという点や、山火事に適応した灌木地域などを含んでいることから、2004年に登録された[5]。IUCNは今回の拡大申請を世界遺産の価値を強化するものと見なし、「承認」を勧告した[6]。勧告通りに拡大が認められた。
サンガネーブ海洋国立公園とドンゴナーブ湾=ムカッワー島海洋国立公園 スーダン登録延期情報照会
Sanganeb Marine National Park and Dungonab Bay - Mukkawar Island Marine National Park
Parc national marin de Sanganeb et Parc national marin de la baie de Dungonab ? ile de Mukkawar
この物件を構成するサンガネブ環礁については、1983年の第7回世界遺産委員会で「登録延期」が決議されていた[7]。今回の推薦では、名称が示すように2つの海洋国立公園が対象となっている[8]。IUCNは構成資産を再検討すれば、登録基準を満たす可能性を認めつつ、「登録延期」を勧告した[9]。審議では1段階上の「情報照会」と決議された[10]。翌年の第40回世界遺産委員会で正式登録。
ケーンクラチャン森林保護区群 タイ情報照会情報照会
Kaeng Krachan Forest Complex
Complexe des forets de Kaeng Krachan
この物件は、ケーンクラチャン国立公園と他2件の国立公園、さらに1件の野生生物保護区の計4つの自然保護区で構成されている[11]。IUCNがこの物件が生物多様性を理由とする登録基準に適合する可能性が高いことを認めつつ、それを確認するための情報が全て提示されていない等の理由で「情報照会」を勧告した[12]。審議では勧告通りに「情報照会」と決議された[13]
フォンニャ=ケバン国立公園(「フォンニャ=ケバン国立公園」の基準 (9) と (10) での再推薦と拡大)* ベトナム承認承認(8), (9), (10)


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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