第352歩兵師団
352. Infanterie-Division
第352国民擲弾兵師団
352. Volks-Grenadier-Division
創設1943年11月
廃止1944年9月
再編成1944年9月
廃止1945年5月
所属政体 ドイツ国
所属組織 ドイツ国防軍
陸軍
部隊編制単位師団
兵科歩兵
編成地ル・デゼール
第352歩兵師団(ドイツ語: 352. Infanterie-Division)は、ドイツ国防軍陸軍の歩兵師団である。 師団は、編成が完了すると東部戦線に移る予定であったが、西側への連合軍の侵攻の脅威からノルマンディーで大西洋の壁の守備隊として投入された。師団の兵員は、東部戦線に従軍した師団から集められた経験豊富な兵士と戦闘未経験の若い新兵と東方義勇部隊
概要(fr)で編成された。この師団は第21波編成の8個の歩兵師団の1つである。1944年6月1日の時点で、12,734人の将兵が集まり、師団長にはディートリッヒ・クライス中将が赴任した。
ノルマンディーの防衛
ノルマンディーの海岸地域は100kmに及ぶため、エルヴィン・ロンメル元帥はこの地域を半分に分けるように提案した。固定師団である第716歩兵師団に47kmの短縮された「カーン地帯」を提供し(第21装甲師団が支援)、第352歩兵師団を53kmの「バイユー地帯」の防衛に配備した(西の第709歩兵師団と東の第716歩兵師団の中間地点)。この両地帯の間には掩体壕やブンカー(トーチカ)が建設中であったが、この中間地点の防御陣地はドイツ軍の戦術上での水準に達していなかった[1]。このため、第352歩兵師団の擲弾兵連隊をどのように配置するのかについて、ロンメルとクライスとの間で何度か意見が対立した。最終的に、2個の歩兵連隊を前方に配置し、1個の歩兵連隊を予備部隊として残すことが決定された。しかし、いくつかの大隊は独立して行動していたため、連隊指揮所は混乱していた。
バイユーのすぐ南にある師団右翼には、第915擲弾兵連隊(2個大隊)が偵察大隊と共に反撃の予備部隊として配置された。師団の左翼には、第914擲弾兵連隊の第2大隊がポワント・デュ・ホック(fr)の砲台の後方に配置された。オマハ・ビーチには第916擲弾兵連隊の第2大隊が配置された。対戦車猟兵大隊は、予備部隊として左と中央の師団の間に配置された。第916擲弾兵連隊の第1大隊は第716歩兵師団の防衛地域に配置され、ゴールド・ビーチの西部でイギリス軍に対抗することになった。
ノルマンディーにおける戦闘「ノルマンディー上陸作戦」も参照浜辺に敷設された障害物群
第352歩兵師団は、海岸の障害物を改善し、採掘された杭や木材を用いて海岸の障害物の建設を開始した。この作業では、数Kmの内陸部から木材を採取して運ぶだけでなく、杭を砂の奥深くに打ち込む作業も含まれていた。防御陣地には「ベルギー門」(幅約3m、高さ2mの重い鋼製の柵で、通常はコンクリートローラーに取り付けられた移動式の対戦車障害物)が最初に敷設され、次に、上陸用舟艇の舟底を引き裂いたり、転覆させるための、杭と丸太でできたスロープが敷設された。最後に、鉄製のレールでできた対戦車用障害物「チェコの針鼠」が敷設された。