第三次世界大戦
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この項目では、現実に想定されている第三次世界大戦について説明しています。その他の用法については「第三次世界大戦 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
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核実験「キャッスル・ロミオ(英語版)」(1954年)でのキノコ雲
第三次世界大戦の経緯に関する予想は様々だが、結局核兵器が使われ、人類が滅亡するとの考察が多い。冷戦中、ワルシャワ条約機構軍西ドイツに侵攻した場合の攻勢主軸想定図。

第三次世界大戦(だいさんじせかいたいせん、英語: World War III、英略:WWV)は、現時点において将来の、仮定上の世界大戦[1]である。

第三次世界大戦は核戦争になり、人類の自滅をもたらすとしばしば考えられている[1]。1962年のキューバ危機では、実際に誤って核攻撃命令が出されたが、現場のヴァシーリイ・アルヒーポフの判断で核ミサイル発射が水際で停止されていた[2]
概要

歴史を踏まえると、世界大戦というのは決して「世界大戦」を始めるつもりで始められたわけではない。

たとえば現在「第一次世界大戦」と呼ばれている戦争は、1914年6月28日にボスニアの州都サラエヴォを訪問中だったオーストリア=ハンガリー帝国帝位継承者夫妻(フランツ・フェルディナント大公と妻のゾフィー・ホテク)がセルビア人暗殺される事件(サラエボ事件)が起こったことを受けて、オーストリアがこれを「スラブ系民族運動を抑えるチャンス」と捉え、最後通牒を経て7月28日に(ドイツの支持も得つつ)あくまでセルビア一国に対してだけ宣戦を布告したことに始まる。

開戦した者は「世界大戦」を始めたつもりは無く、あくまで一国だけを相手に戦争をするつもりだったのであり、しかも開戦者側は数週間程度ですんなり勝利できると考えていた。だが、開戦者の予想を超えて参戦する国々が増えてしまい、泥沼の世界大戦となってしまった。

第二次世界大戦も同様で、端緒はドイツとスロバキアがポーランドに侵攻し(ポーランド侵攻)、これを受けてイギリスとフランスが集団的自衛権を根拠にドイツに宣戦しただけである(この当時、アメリカは日中戦争に義勇部隊を送っていただけでモンロー主義に基づきヨーロッパの戦争には関与していなかった)。

なお第二次世界大戦の後、アインシュタインはアメリカ合衆国大統領ハリー・S・トルーマン(当時)宛の手紙で「第三次世界大戦でどのような兵器が使われるのか私は知りません。ですが、第四次世界大戦は棍棒によって戦われるでしょう[4]。」と記したことが知られており、つまり「次に世界大戦が起きれば文明の崩壊は免れ得ない」と警鐘を鳴らした[5][6]。第34代大統領のアイゼンハワーは「第三次世界大戦に勝つ唯一の方法は、それ(第三次世界大戦)を防ぐことだ[7]。」と述べた。

以下、人類が第三次世界大戦を起こしそうになった要因や、第三次世界大戦が始まってしまうことを防ぐために人類が行ってきた対策、第三次世界大戦だったと見なされた出来事などについて説明する。
冷戦期

朝鮮戦争ベトナム戦争キューバ危機など米ソの対立が頂点に達した時期には、識者の間で第三次世界大戦勃発の可能性や、第三次世界大戦の回避策について真剣に論じられた[注 1]

必ずしも戦略核兵器の全面使用のみが想定されていたわけではなく、ワルシャワ条約機構が北大西洋条約機構(NATO)より優位にあった主力戦車西欧に侵攻し、その過程で戦術核兵器が限定使用されるシナリオも想定されていた。冷戦後の2005年ポーランド政府が公開した1979年時点での侵攻計画では、デンマークオランダベルギー西ドイツに戦術核を投下して7日間でワルシャワ条約機構の地上軍をライン川まで進めることとなっており、その際にはNATO側がポーランドに戦術核を投下することが織り込まれていた[8]
冷戦後

文脈によっては冷戦自体を一つの戦争とみなし「第三の世界戦争」と表現することもある。一部の書籍では、2001年アメリカ同時多発テロ事件をきっかけとした一連の戦闘・戦争を世界大戦としている。また別の文脈では、アメリカ同時多発テロ事件以降、アメリカの主導によって行なわれた「対テロ戦争」のことを「第三次世界大戦」と呼ぶ場合もある。ジョージ・W・ブッシュ第43代米大統領は、2006年5月5日に放送されたCNBCインタビューで、対テロ戦争を「第三次世界大戦」と初めて表現した[9]

またジョージ・W・ブッシュは2007年10月17日記者会見で「イランが核武装すれば、第三次世界大戦を引き起こし兼ねない」と述べた。

2000年代に入ったころには、テロゲリラなどとの「非対称戦争」が戦争の主流となりつつあった。非対称戦における戦時と平時の区別は曖昧である。

2014年にはローマ法王フランシスコミサでのスピーチの比喩として、「すでに第三次世界大戦は始まっている」と懸念を示したこともある[10][11]

2022年ロシアによるウクライナ侵攻に際して、ロシアセルゲイ・ラブロフ外相は「第三次世界大戦は核戦争となり、破壊的なものになる」と発言している[12]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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