笠 江人(かさ の えひと、生没年不詳)は、奈良時代から平安時代初期にかけての貴族。姓は朝臣。官位は従五位上・民部大輔。 桓武朝の延暦4年(785年)従五位下・式部少輔に叙任される。延暦5年(786年)播磨大掾を兼ね、延暦6年(787年)大掾を兼ねたまま右少弁に遷る。延暦7年(788年)播磨国司の異動人事があり、国守に大中臣諸魚が任ぜられるとともに、江人は介に昇任して弁官の職を離れている。 その後、従五位上・信濃守に叙任される。延暦16年(797年)3月に民部大輔を兼帯すると、4月には右京職に遣わされて延暦5年から15年までのさまざまの官物の現状について調査した[1]。 『六国史』による。
経歴
官歴
時期不詳:正六位上
延暦4年(785年) 8月7日:従五位下。8月14日:式部少輔
延暦5年(786年) 正月24日:兼播磨大掾
延暦6年(787年) 3月22日:右少弁、播磨大掾如故
延暦7年(788年) 2月6日:播磨介
時期不詳:従五位上。信濃守
延暦16年(797年) 3月27日:民部大輔、信濃守如故。4月4日:見民部大輔兼行造西寺次官信濃守
脚注[脚注の使い方]^ 『日本後紀』延暦16年4月4日条
参考文献
『続日本紀 4(新日本古典文学大系15)』岩波書店、1995年
『続日本紀 5(新日本古典文学大系16)』岩波書店、1998年
宇治谷孟『続日本紀 (下)』講談社〈講談社学術文庫〉、1995年
森田悌『日本後紀 (上)』講談社〈講談社学術文庫〉、2006年
森田悌『日本後紀 (中)』講談社〈講談社学術文庫〉、2006年
宝賀寿男『古代氏族系譜集成』古代氏族研究会、1986年