笑気ガス
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亜酸化窒素



IUPAC名

酸化二窒素 (dinitrogen oxide) [1]
別称笑気ガス
識別情報
CAS登録番号10024-97-2 
E番号E942 (その他)
KEGGD00102
ATC分類N01AX13
SMILES

N#[N+][O-]

特性
化学式N2O
モル質量44.0128
外観無色の気体
密度1.977 g/L (gas)
融点

-90.86℃,182.29 K,-131.548°F
沸点

-88.48℃,184.67 K,-127.264°F
への溶解度60.82 mL /100 mL ( 24°C)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

亜酸化窒素(あさんかちっそ、英語: nitrous oxide)とは、窒素酸化物の1種である。組成式はN2Oで表され、IUPAC勧告に従った命名法では、酸化二窒素(さんかにちっそ、英語: dinitrogen oxide)と呼び、一酸化二窒素(いっさんかにちっそ、英語: dinitrogen monoxide)も使用される。

ヒトが吸入すると、陶酔させる作用があることから、笑気ガス(しょうきガス。英語: laughing gas)とも言い、笑気と略されることもある。また麻酔作用もあるため、全身麻酔で医療用途で用いており、世界保健機関においては必須医薬品の一覧にも載せられている。近年は他に優れた麻酔薬が登場したことなどから、少なくとも日本においては、医療用途は減少の一途を辿っている[2]

この他にも、工業用途では燃料の発火促進のために使われる。また調理用途では、食材をムース状に加工するエスプーマと呼ばれる調理法に使用される。

しかし、陶酔感を得るために亜酸化窒素を乱用する者が後を絶たないことから、日本では、2016年(平成28年)2月18日に医薬品医療機器法に基づき「一酸化二窒素(別名:亜酸化窒素)」が指定薬物に指定された[3]。そして、日本では同月28日から、医療などの目的以外に亜酸化窒素を製造・販売・所持・使用することが禁止されるに至った[4]

なお、亜酸化窒素には、地球の大気に放出されると、紫外線によって分解されて一酸化窒素を生成し、オゾン層を破壊するという作用がある。
歴史

笑気ガスは1772年イギリス人の化学者ジョゼフ・プリーストリーが発見した。亜酸化窒素を吸入すると軽く酔ったような感じになることから、当時はパーティーなどを盛り上げるために使用していた。ところが1795年、こちらもイギリス人化学者のハンフリー・デービーが亜酸化窒素に麻酔効果があることを証明し、これから笑気麻酔としての用途が開けることになった。

笑気の語源には、亜酸化窒素を用いた手術中に、麻酔によって弛緩した患者の表情が笑っているように見えたからという説が有力である[要出典]。
特徴

硝酸アンモニウムを約250で注意深く融解させると、分解して一酸化二窒素が発生する。 NH 4 NO 3 ⟶ N 2 O   + 2 H 2 O {\displaystyle {\ce {NH4NO3 -> N2O\ + 2H2O}}}

常温常圧で、無色で反磁性の気体。香気と甘味がある。麻酔作用がある。形式的には次亜硝酸の無水物に相当するが、常温において一酸化二窒素は反応性の低い気体であり水と反応することはない[5][6]。またハロゲンとは反応しない。しかし高温では助燃性を発揮し、アルカリ金属および有機物などは一酸化二窒素中で燃焼する[6]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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