竜二
監督川島透
脚本鈴木明夫
出演者金子正次
永島暎子
北公次
佐藤金造
主題歌萩原健一
製作会社PRODUCTION RYUJI
配給東映セントラルフィルム
公開 1983年10月29日
上映時間92分
製作国 日本
言語日本語
テンプレートを表示
『竜二』(りゅうじ)は、1983年公開の日本映画。金子正次脚本・主演、川島透監督。PRODUCTION RYUJI(金子正次)製作、東映セントラルフィルム配給[1][2][3]。 暴力シーンを伴わないヤクザ映画として高く評価され[3][4]、湯布院映画祭でのプレミア試写で喝采を浴び[5]、1983年10月29日から全国で公開され大ヒットを記録した[5]。主題歌は萩原健一の「ララバイ」。のちに長渕剛は「とんぼ」の撮影に際して、手法を真似た。劇中の竜二の口上の影響を受けできたのが、「泣いてチンピラ」。「六尺足らずの五尺の身体」、「刺せば監獄刺されば地獄」、「花の都にあこがれて」など。 主人公竜二の娘のあや役を演じるももは金子の実の娘で、ラジオパーソナリティー・ナレーターの金子桃
概要
金子は映画公開期間中の11月6日に、胃癌性腹膜炎により、親友の松田優作らに看取られながら33歳の若さで死去、遺作となった[6]。後年に松田優作も同日に他界した。 別れた妻と娘への未練から堅気になった男・竜二。亡くなった兄弟分、それでも彼を慕う舎弟分。慣れない仕事。ある日、配達中に職場の先輩が「俺も昔はワルだった」と吹かしを入れた途端に我慢の限界が来た。家に帰ろうとしたときに商店街の安売りに群がる愛妻の姿を見た竜二は自分の本当に帰るべき場所、シノギを削った歌舞伎町へ白いスーツを着て舞い戻っていく[2]。
あらすじ
キャスト
花城竜二 (32)
演 - 金子正次新宿にシマを持つ三東会の常任幹事。新宿近辺のマンションに秘密のルーレット場を開き、舎弟の直とひろしに仕切らせ、そのあがりで優雅な生活を送る。三年前に傷害事件で拘置所に入れられ、妻のまり子は竜二の保釈金を工面するため九州の両親に泣きつくが両親は竜二と別れるならという条件で大金を出し、別居状態であった。安定した生活を続けるもヤクザの人生に充たされなくなった竜二は堅気になる決意をする。別れた妻と子・あやと復縁し、先輩の紹介で酒屋の店員として働き、2LDKのアパートで家族3人仲睦まじく暮らす。
花城まり子 (30)
演 - 永島暎子竜二の妻。拘置所に入れられた竜二のために実家に保釈金の立て替えをお願いし、竜二と別れる事という親の条件をのみ、一人娘・あやを引き取って実家に戻っていたが、竜二が堅気になった事で復縁し、生活費をやりくりしながら家族3人で暮らす。
花城あや (3)
演 - もも
直 (29)
演 - 佐藤金造竜二の舎弟。ひろしの兄貴分。30歳。竜二のルーレット場でディーラーを担当。竜二の兄弟分を痛めつけた事から竜二にヤキを入れられ、エンコ(指詰め)を飛ばそうとするも刃先の傷で痛がる性根のないヤクザ。 竜二が堅気になった後、落ちぶれてあけみの情夫となる。
ひろし (23)
演 - 北公次竜二の舎弟。直の弟分。竜二のルーレット場で受付を担当。バーゲンで高値のジャンパーを安く手に入れて自慢した事で兄貴分の直に叱られる。竜二が堅気になった後、出世をして舎弟を持つ身分となり竜二の家を訪ねる。
三東会
柴田一馬(カズ)(34)
演 - 菊池健二三東会の親戚筋のやくざ。竜二とはかつて苦楽を共にし、「カズちゃん」「竜ちゃん」と呼び合う仲である。竜二の舎弟である直に痛めつけられた事から竜二の詫びを受け入れ、竜二のルーレット場に出入りするようになる。覚せい剤(シャブ)を常用し、後に堅気になった竜二の前に現れ、金をせびる。
あけみ (31)
演 - 銀粉蝶柴田の情婦。柴田の死後、直の情婦となる。
新田 (35)
演 - 大塚吾郎三東会若頭。竜二の兄貴筋。竜二に代わりに取り立てに行くよう頼む。ゴルフが趣味。
伊藤
演 - 檀喧太
アングラ演劇の主演俳優だった金子正次が1981年1月、同劇団の解散公演の楽日に大量に吐血し病院に担ぎ込まれる。一命は取りとめ、既に手遅れ[3]の状態の末期の胃ガンと診断されたが、本人には最後まで病名は伏せられた。金子は東映任侠映画が大好きで[2][3][7]、退院からの二年間、ヤクザ映画を作りたいと精力的に映画製作に取り組んだ[3]。