この項目では、近代以降の軍隊の階級について説明しています。その他の用法については「大将 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
大将(たいしょう)は、軍隊の階級の一つ。将官に区分され、中将または国によってはフランス海軍のように上級中将の上に位置する。北大西洋条約機構の階級符号ではOF-9に相当する。陸海空軍でそれぞれ呼称の異なる大将を総称しfour-star rank
と呼ぶこともある。陸軍上級大佐
海軍上級大佐
空軍上級大佐
大佐
陸軍上級大尉
海軍上級大尉
空軍上級大尉
大尉
上級曹長(上級上等兵曹)
曹長(上等兵曹)
軍曹(一等兵曹)
伍長(二等兵曹)
兵
兵長(水兵長) 英語では、陸軍や空軍(主に各国において陸軍の航空隊より発展独立の経緯がある)での「大将」を「general」、海軍の「大将」または「提督」を「admiral」と呼称する[注釈 1]。また、他の将官の階級と区別するため、「full general」 (フル・ジェネラル)、「full admiral」 (フル・アドミラル)という表現を使う事もある。なお、空軍でイギリス連邦方式 (Commonwealth system)の階級呼称を用いている国では air chief marshal(エア・チーフ・マーシャル)と呼称する。 近代以降の中国では日本軍の影響が強かった満州国軍も含めて大将に相当する階級呼称として上将の名称を用いる。人民解放軍に大将という階級が置かれたことがあるが[注釈 2]、同時に上将も置かれており、後述する上級大将に相当するものである。中華民国国軍では、陸海空軍軍官士官服役条例(民国69年(1980年)6月29日修正)により、一級上将(繁体字で「一級上將」)と二級上将(二級上將)とに分けられている。ベトナム軍においても大将の下に上将が置かれているが、フランスの影響下にあったせいか、上将
上等兵(上等水兵)
一等兵(一等水兵)
二等兵(二等水兵)
括弧内は海軍における呼称例
概要
旧ドイツ軍やソビエトモデルの軍などにおいては、「大将」の上に「上級大将」が設けられている。この場合の「上級大将」とは准将を置く国の大将に相当するため、「大将」は准将を置く国の中将に相当する(この関係については上級大将参照)。ただし、陸軍および空軍に関しては、旧ドイツ軍では上級大将の呼称として使用されていた「colonel general」(独: 「Generaloberst」、露: 「генерал-полковник」) はソビエトモデルでは大将の呼称として使用しており、上級大将は「army general」(独: Armeegeneral、露: ГенерапBармии) と呼称するので注意が必要である。なお、旧ドイツ陸軍および空軍では兵科を冠する所謂兵科大将である。
陸軍や空軍の将官の階級をフランス革命方式によって表現する国では大将を「軍将軍」と呼称する事が多いが、自衛隊の幕僚長たる陸将および空将、旧日本陸軍[4]、旧ドイツ国防軍、ソビエトモデルの陸軍や空軍の大将、および台湾陸軍や空軍の二級上将は「軍団将軍」となる。また、イタリア陸軍および空軍では特定の職の軍団将軍を大将位としたり、アルゼンチン陸軍やかつてのチリ陸軍[注釈 3]では中将を意味するTeniente Generalを大将の階級呼称とする例もある。
大将という階級の扱い・形態は国によって異なる。(1)ドイツ連邦軍では、最高位の役職であるドイツ連邦軍総監に充てる階級である、(2)日本の自衛隊では、相当する役職と4つ桜の階級章のみで、階級としては存在しない、(3)アメリカ軍やフランス軍のように少将(フランス海軍は中将)を正規階級(regular rank)の最高位としている国では、役職に応じた臨時階級(temporary rank)である、などの事例がある。
日本
大日本帝国陸海軍詳細は「陸軍大将 (日本)」および「海軍大将 (日本)」を参照日本陸軍大将の襟章。
大日本帝国の陸海軍(日本軍)では、1868年6月11日(慶応4年(明治元年)閏4月21日)に軍務官を置いたときに一等海軍将(いっとうかいぐんしょう[5])や一等陸軍将(いっとうりくぐんしょう[6])を設けて文武官を分ける始めとした[7] [8] [9] [注釈 4] [注釈 5]。