空母いぶき
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空母いぶき
ジャンル
架空戦記
漫画
作者かわぐちかいじ
出版社小学館
掲載誌ビッグコミック
レーベルビッグコミックス
発表号2014年24号 - 2019年24号
発表期間2014年12月 - 2019年12月
巻数全13巻
話数全103話
その他協力:恵谷治
漫画:空母いぶき GREAT GAME
作者かわぐちかいじ
出版社小学館
掲載誌ビッグコミック
発表号2020年1号 -
発表期間2019年12月 -
巻数既刊13巻(2024年5月30日現在)
その他協力:八木勝大・潮匡人
原案協力:恵谷治
映画
原作かわぐちかいじ「空母いぶき」
監督若松節朗
脚本伊藤和典
長谷川康夫
音楽岩代太郎
制作デスティニー
製作「空母いぶき」フィルムパートナーズ
配給キノフィルムズ / 木下グループ
封切日 2019年5月24日
上映時間134分
その他映画参照
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画
ポータル漫画

『空母いぶき』(くうぼいぶき)は、かわぐちかいじ作、恵谷治監修による日本漫画および作中に登場する架空の航空機搭載型護衛艦 (DDV) の艦名。『ビッグコミック』(小学館)にて2014年24号から2019年24号まで連載[1][2]

新シリーズ『空母いぶき GREAT GAME』(くうぼいぶき グレートゲーム)が、同誌にて2020年1号から連載中。

話数カウントは「第nソーティ」。
作品解説

本作品発表前、中華人民共和国(以下中国)の台頭にともない、特に2010年の尖閣諸島中国漁船衝突事件や、散発的に発生する尖閣諸島中国船領海侵犯事件を念頭に、日中関係の中で離島防衛および奪還作戦の可能性が現実味を帯びていた。また、2012年に政権交代により誕生した第2次安倍内閣安倍晋三首相)は平和安全法制の制定を目指し、国会での議論が行われていた。

そのような時代背景の中で発表された本作品は、『沈黙の艦隊』『ジパング』で知られるかわぐちかいじの得意とする軍事作品であるが、彼がかつて発表した作品の中でも、より現実的かつ具体性に富んだものとなっている。主役となる空母いぶきと登場人物こそフィクションであるが、登場する地名、国家、いぶき以外の兵器などは実在するものが描かれる。

本作品では新型護衛艦の艦長と副長、また政治家ジャーナリストという思想信条の相違を対立軸にし、互いに認められる部分とそうでない部分、さらにはそれら全てを乗り越えて、切迫する事態へいかに対処するかがメインテーマとなっている。

また、『沈黙の艦隊』でもそうであったように、国際政治の場における日本と中国をはじめとする各国の政治家の姿もリアリティを持って描かれている[3]

兵器や部隊の運用については、読者から誤りも指摘されつつ一定のリアリティを以って描かれている[注 1]。ただし、作者の過去作にも通じる外連味あふれる描写も多い。

年代設定は開始時点が「20XX年」(翌々年が「20XY年」、5年後が「20YX年」、その翌年が「20YY年」)とされている。20XX年10月の場面で「自衛隊発足(1954年)から60年」[4]という発言や、「2012年(9月)日本が尖閣諸島国有化」という発言があるため、「20XX年」は早くても2012年10月以降と予想される。

2017年度、第63回小学館漫画賞一般向け部門を受賞した[5]。2024年5月時点でシリーズの累計部数は890万部を突破している[6]
あらすじ
空母いぶき

20XX年10月、嵐の中で遭難者に擬装したと思われる工作員[注 2]が、尖閣諸島南小島に上陸し、「この島は中国固有の領土であり、中国本土の船舶を待つ」と主張する「尖閣諸島中国人上陸事件」が発生する。さらに、日本の領海に侵入を図る中国海警局の船舶と海上保安庁巡視船との衝突、調査目的で派遣された護衛艦への威嚇射撃と事態がエスカレートしていく。

日本政府は、なかば中国に屈する形で事態の収拾を図ろうとする。だが、中国の行動に危機感を覚えた首相は、同時に新型護衛艦の就役と、その艦船を旗艦にした新護衛隊群の創設を柱とする「ペガソス計画」の前倒しを決定する。

事件から1年後、事実上自衛隊初の空母である「いぶき」が完成。艦長には元航空自衛隊のエースパイロットという異例の経歴を持つ秋津竜太一佐が任命され、副長兼航海長には新波歳也二佐が選ばれる[注 3]

翌20XY年4月、「いぶき」が南鳥島沖での演習航海中、中国軍は「曙光工程」を発動、突如として日本への侵攻を開始する。中国軍は先島諸島与那国島)や尖閣諸島を制圧し、戦後初の戦死者を出したことに加え、一連の軍事行動に対して声明を出さない中国に対し、日本政府は内閣総理大臣である垂水慶一郎の指揮により、史上初の防衛出動を下令。国内では戦争が始まるのではないかと危惧しはじめる。

訓練中だったいぶき艦隊は現場へと急行するが、中国軍も新型空母「広東」を中核とする北海艦隊を先島諸島へと向かわせていた。動き始めた中国政府との交渉は決裂し、ついに実力行使による領土奪還作戦「隼」が発動される。

制圧された先島諸島では住民は監視下に軟禁され、尖閣諸島へは軍備を進める中国軍に対し、接近する自衛隊との間で生じた小競り合いは次第に激化し、中国軍潜水艦の撃沈、尖閣諸島への砲撃も含め多数の死傷者も出始めた。政府間の交渉も遅々として進まず、国内に留まらず周辺国からの圧力も高まっていく。

緊張を遮るように通過した大型台風で一時休戦の様相となるも、天候が回復すると同時に中国軍は行動開始。それを確認した自衛隊は応戦の末、艦載機の機銃によって空母広東のデッキが破壊されたことが決め手となり戦闘は終結する。

直後、着艦も帰国も不可能となった中国軍機を石垣空港、与那国空港へ誘導し強制着陸させ事実上の中国軍降伏となった。
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この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。あらすじの書き方を参考にして、物語全体の流れが理解できるように(ネタバレも含めて)、著作権侵害しないようご自身の言葉で加筆を行なってください。(2021年8月)(使い方

「いぶき」と「広東」の戦いから5年後の20YX年9月。北極海に護衛艦「しらぬい」が調査研究目的で派遣された。そのころ、同じ北極海で調査をしていたアルゼンチン籍の海洋調査船「ディオサ号」が海中で浮遊していたソナーらしきものを引き上げるが、その直後に発射元不明の魚雷攻撃を受ける。「ディオサ」は魚雷の直撃を免れたが、機関停止。付近にいた「しらぬい」は、艦長・蕪木薫二佐の判断で武器等防護を適用し第二派攻撃を処理する。薫木はディオサ号を救助船に引き渡すまで曳航することを司令部に進言し、司令部は武器の使用を認めないことを条件にこれを許可。また、ディオサ号が引き上げた機器は、ロシア連邦軍の海中ソナーだと推測された。

「しらぬい」は「ディオサ」を曳航して救助船との合流を目指すが、「ディオサ」が手配した救援船は軍事摩擦を懸念して引き返してしまう。これを受け日本政府は「しらぬい」と「ディオサ」の救援と保護のため、護衛艦「いぶき」と「ちょうかい」の緊急派遣を閣議決定する。そしてアメリカ政府も「ディオサ」のソナー拾得を聞きつけ、ハワイから第三艦隊の艦船を緊急出動させた。「しらぬい」はロシアの妨害とアメリカの干渉を切り抜け、「いぶき」艦隊と合流。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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