空中衝突
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1966年6月8日XB-70 2号機(左側の大型機)とF-104(爆発した機体)との空中衝突直後を捕らえた映像。垂直尾翼を失ったXB-70もこのあと墜落した。

空中衝突(くうちゅうしょうとつ)とは、飛行中の複数の航空機が接触する航空事故のこと。
概要

古くは1920年代からこの種の航空事故は度々発生していたが、特に第二次世界大戦後の旅客機の普及に伴う航空路の過密化に伴い、1950年代から1960年代アメリカで多発した。

主な原因として、航空管制のミスやパイロットによる周辺確認の不十分の他、軍用機の訓練空域と民間航空機の航空路が接近しすぎていることなどが挙げられる。近年は、航空管制技術や航空機の衝突防止警告機能の性能向上に伴い、アメリカやヨーロッパなどの航空先進国における発生件数は減少傾向にあるものの、CIS諸国や発展途上国などの、航空需要の急増にインフラストラクチャーの整備が対応できない国々においては減少する傾向にはない。

また、一般の航空事故とは別に、航空ショーでのアクロバット飛行時などに発生することも多い。このような事故の場合、基本的に乗客を乗せての飛行ではないため、犠牲者数は抑えられることが多いものの、稀に地上の観客を巻き込むなど、二次的な被害を生むことがあり、そのような場合被害は大きなものとなる。また、空中衝突にはならなかったが衝突寸前だったものはニアミス事故と言う。
1900年代
1959年以前
1922年2月27日
パリ北方を飛行中の2機の民間定期旅客機が空中衝突。双方の乗員乗客7人全員が死亡。歴史上初めて発生した民間旅客機による空中衝突事故。ツポレフANT-20
1935年5月18日
モスクワ上空をデモンストレーション飛行していたソビエト軍ツポレフANT-20マクシム・ゴーリキー号」が、同じくデモンストレーション飛行していたポリカルポフI-5戦闘機と空中衝突し墜落、両機の36人全員と地上にいた9人が死亡した[1]
1938年8月24日大森民間機空中衝突墜落事故
訓練飛行中であった日本飛行学校のアンリオHD.14複葉機(英語版)が、東京市大森区上空で日本航空輸送フォッカースーパーユニバーサルと衝突し、両機の乗員と地上にいた85名が死亡した。これが日本で初めての民間航空機同士による空中衝突事故である。
1942年10月23日
アメリカン航空28便(ダグラスDC-3)が、アメリカ陸軍航空軍ロッキードB-34ヴェンチュラ爆撃機と空中衝突し、カリフォルニア州チノキャニオン付近に墜落。旅客機にいた12人全員が死亡した。
1956年6月30日グランドキャニオン空中衝突事故
トランス・ワールド航空2便(ロッキードコンステレーション)とユナイテッド航空718便(ダグラスDC-7)がアリゾナ州上空で空中衝突。両機とも墜落し、128人全員が死亡した。
1958年4月21日
ユナイテッド航空736便(ダグラスDC-7)とアメリカ空軍の練習機(ノースアメリカンF-100Fスーパーセイバー)がネバダ州スローン市上空で空中衝突し両機とも墜落した。両機の49人全員が死亡した。
1960年代
1960年12月16日1960年ニューヨーク空中衝突事故
ユナイテッド航空826便(ダグラスDC-8-11)とトランス・ワールド航空266便(ロッキードL-1049スーパーコンステレーション)がニューヨーク州郊外のミラー空軍基地上空で空中衝突し両機とも墜落。地上にいた6人を含む134人が死亡した。
1963年2月1日1963年アンカラ空中衝突事故
ミドル・イースト航空265便(ビッカースバイカウント754D)とトルコ空軍のダグラスC-47が、トルコアンカラ上空で空中衝突し両機とも墜落。乗客乗員と住人の合計87名が死亡した。コリジョンコース現象が原因と推測されている。
1965年12月4日1965年ニューヨーク空中衝突事故
トランス・ワールド航空42便(ボーイング707)とイースタン航空853便(ロッキードL-1049スーパーコンステレーション)がニューヨーク上空で空中衝突。トランス・ワールド航空機は緊急着陸に成功し乗員乗客58名に怪我はなかったが、イースタン航空機も不時着に成功したものの乗員乗客54名のうち4名が犠牲となった。ただし、旅客機同士での空中衝突事故としては人的犠牲は最小にとどまった。
1966年6月8日
アメリカ合衆国エドワーズ空軍基地近辺で、ゼネラル・エレクトリック製エンジンを搭載した軍用機を集めて同社の宣伝用フィルムを撮影する編隊飛行が行われたが、撮影終了後にF-104戦闘機XB-70試作戦略爆撃機垂直尾翼に激突。F-104は空中爆発し、XB-70も操縦不能に陥り墜落。激突した戦闘機のパイロットと爆撃機のパイロット2名のうち1名[2]の計2名が死亡した。
1967年3月9日トランス・ワールド航空553便空中衝突事故
アメリカ合衆国ペンシルバニア州ピッツバーグオハイオ州デイトン行きのトランス・ワールド航空553便(マクドネル・ダグラス DC-9)が、目的地上空での着陸アプローチ中に、個人所有の軽飛行機(ビーチクラフト バロン)と衝突、両機の乗員乗客合わせて26名全員が死亡した。
1969年9月9日アレゲニー航空853便空中衝突事故
アメリカ合衆国インディアナ州上空でIFR方式で飛行していたアレゲニー航空の旅客機とVFR方式で飛行していた訓練機が衝突。


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