税理士試験
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税理士試験(ぜいりししけん)とは、税理士となるのに必要な学識及びその応用能力を有するかどうかを判定することを目的として国税審議会が行う国家試験である(税理士法第6条、第12条)。
概要

税理士試験に合格した者及び税理士試験を免除された者は、租税又は会計に関する事務に2年以上従事した上で、税理士となる資格を有することとなる(税理士法第3条第1号及び第2号)。なお、公認会計士及び弁護士はそれだけで税理士となる資格を有する(同法第3条第3号及び第4号)。また、未成年者その他の一定の条件に該当する者は、前述の条件を満たしていたとしても税理士となる資格を有しない(同法第4条)。

税理士となる資格を有する者が税理士となるためには、日本税理士会連合会に備える税理士名簿に登録しなければならない(同法第18条、第19条)。
沿革

1951年(昭和26年)6月15日税理士法の制定と共に、税理士試験を実施するための国税庁附属機関として税理士試験委員が設置される[1]。同年9月20日に税理士試験公告が出され、同年11月25日から11月27日にかけて税理士試験が実施される[2]

1956年(昭和31年)、暫定措置として特別税理士試験制度(後述)が設けられる[1]

1980年(昭和55年)の税理士法改正により、1981年(昭和56年)4月1日に税理士試験委員が税理士審査会に改組される[1]

1985年(昭和60年)、特別税理士試験制度が廃止される[1]

2001年(平成13年)1月6日中央省庁再編に伴い、税理士審査会が国税審議会に統合され、その機能が税理士分科会に移管される[3]

2023年(令和5年)実施の第73回税理士試験より、「会計学に属する科目」である簿記論・財務諸表論の2科目について受験資格が撤廃された[4]
受験資格及び受験者
受験資格

税理士試験を受験するためには、下記のような学識、資格、職歴、認定等の一定の条件のいずれかに該当することを必要とする(税理士法第5条)[注釈 1]

一定の事務・業務に2年以上従事した者

大学短期大学を含む)、高等専門学校法律学又は経済学を1科目以上履修して卒業した者

大学3年次以上の学生で、法律学又は経済学に属する科目を含め62単位以上を取得した者

日本商工会議所主催簿記検定試験1級合格者

全国経理教育協会主催簿記能力検定試験上級合格者

受験者

受験者の大多数が大卒となっている。何故なら、大学院科目免除(後述)が出来るからである。今日では、高卒者も直接大学院入学出来るようになったり、税理士資格取得のルート(弁護士等)が多様化されている。また、平均的な受験年数(長期)も広く知られる。受かるか分からない税理士試験を何年も受験し続けるよりは、国税専門官や税務職員となる方が制度的には税理士資格を取得しやすい。学歴不問実力主義の国税の現場で実務経歴も研鑽でき、人脈や見識も拡がる。AIの進化等によるDX技術の影響もある。それゆえ、様々な要因により、受験者数は56,314人(2005年)をピークとし、27,299人(2021年)まで減少し、1960年代の受験者数まで減少し続けている。2023年からは、会計科目の受験要件を緩和している。全国各地で、優秀な商業高等学校の生徒に対して税理士試験の受験が奨励されている。若い受験者層の掘り起こしが期待されている。

学歴別受験者数(単位:人)
丸括弧内は割合(単位:%)回年度大学卒大学在学中短大・旧専卒業専門学校卒業高校・旧中卒その他合計
第49回1999(平成11)33,754
(64.32)2,834
(5.40)4,204
(8.01)-7,482
(14.26)4,203
(8.01)52,477
[7]
第50回2000(平成12)34,483
(65.60)2,818
(5.36)4,065
(7.73)-7,209
(13.71)3,992
(7.59)52,567[8]
第51回2001(平成13)34,203
(67.49)2,579
(5.09)3,756
(7.41)-6,693
(13.21)3,446
(6.80)50,677[9]
第52回2002(平成14)35,997
(68.49)2,781
(5.29)2,975
(5.66)4,781
(9.10)4,811
(9.15)1,215
(2.31)52,560[10]
第53回2003(平成15)38,558
(69.88)3,002
(5.44)2,846
(5.16)4,883
(8.85)4,800
(8.70)1,086
(1.97)55,175[11]
第54回2004(平成16)39,701
(70.74)3,164
(5.64)2,726
(4.86)4,904
(8.74)4,624
(8.24)1,007
(1.79)56,126[12]
第55回2005(平成17)40,241
(71.46)3,489
(6.20)2,478
(4.40)4,892
(8.69)4,234
(7.52)980
(1.74)56,314[13]
第56回2006(平成18)39,249
(72.41)2,981
(5.50)2,305
(4.25)4,806
(8.87)3,973
(7.33)889
(1.64)54,203[14]
第57回2007(平成19)38,968
(73.08)3,042
(5.70)2,138
(4.01)4,697
(8.81)3,729
(6.99)750
(1.41)53,324[15]
第58回2008(平成20)38,113
(73.49)2,780
(5.36)2,031
(3.92)4,425
(8.53)3,640
(7.02)874
(1.69)51,863[16]
第59回2009(平成21)38,150
(74.11)2,443
(4.75)1,951
(3.79)4,536


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