移動式クレーン
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クレーン > 移動式クレーン ジブを伸ばしたラフテレーンクレーン

移動式クレーン(いどうしきクレーン)とは、クレーン・移動式クレーンなどを含む広義のクレーンについての日本の法令の定義区分のひとつであり、当該広義のクレーンのうち狭義のクレーン、デリック揚貨装置以外のもので、不特定の場所へ移動して作業できる構造のもの。それぞれに運転資格が異なり、この区分のものの運転には移動式クレーン運転士免許等が必要となる。移動式クレーンの定義として、不特定の場所へ移動できることが前提であるため、長距離であっても構内のクレーン用レール上だけを移動する門型クレーンやコンテナ船積用クレーン等は移動式クレーンに該当しない。逆に、固定した配電盤等にケーブルを接続して送電を受けて運転する電動クローラクレーン等は、ケーブルの長さ範囲でしか移動できないが、走行路が特定されておらず任意の方向かつ経路を走行できるので移動式クレーンと見做される。船舶上に搭載されたもの(揚貨装置に該当するものを除く)、非自航船または台船上に搭載されたもの、鉄道軌道上を走行して移動できるものは移動式クレーンとなる。目次

1 移動式クレーンの分類

2 移動式クレーンの構造

2.1 上部旋回体

2.2 下部走行体

2.3 アウトリガ

2.4 ワイヤロープ

2.5 ドラム(巻胴)

2.6 シーブ

2.7 クレーン船の構造


3 要求される性能とその環境

4 移動式クレーンの道路通行

4.1 特殊車両の通行許可制度

4.2 移動式クレーンの通行許可の現状

4.2.1 ラフテレーンクレーン

4.2.2 オールテレーンクレーンの通行許可



5 構造用材料の高張力化

6 ブーム断面形状

7 ブームの伸縮方式

8 安全装置

8.1 取付けが義務づけられている安全装置

8.1.1 巻過防止装置

8.1.2 過負荷防止装置

8.1.3 安全弁等

8.1.4 回転部分の防護

8.1.5 警報装置

8.1.6 傾斜角指示装置

8.1.7 外れ止め装置

8.1.8 前照灯等

8.1.9 操作回路


8.2 過負荷防止装置の付随機能

8.2.1 作業状態表示機能

8.2.2 作業範囲規制機能

8.2.3 ジャッキ反力シミュレーション機能

8.2.4 起伏作動の緩停止機能

8.2.5 旋回自動停止機能

8.2.6 作業状態の自動検出機能


8.3 その他、採用されている安全装置

8.3.1 操縦機構の自動ロック

8.3.2 モニタ機能

8.3.3 オート・レベラ

8.3.4 ウインチのネガティブブレーキ機構

8.3.5 風向風速計

8.3.6 航空障害灯



9 移動式クレーンの運転資格

10 各種移動式クレーンの画像集

11 脚注

12 参考文献

13 関連項目

移動式クレーンの分類

クレーン船 - 船舶または(はしけ)にクレーンを搭載したもの。浮きクレーン(フローティング・クレーン)ともいう。ただし、船舶甲板上に設置され自船の積荷の積み卸しを主として行うものは揚貨装置(要・別資格)となる。

ホイールクレーン - 車輪のついたクレーンで走行可能なものを指す。特殊自動車例示1-イ、9ナンバー。

トラッククレーン - トラック用シャシ、またはクレーンキャリアの上に架装されたクレーンを指すもので、道路走行用とクレーン操作用の2つの運転席を有する。特種用途自動車使用目的3-3、8ナンバー。[1]

ラフテレーンクレーン - ホイールクレーンのうち、不整地走行性に優れるもので、走行とクレーン操作を同じ運転席で行う構造をもつ。クレーンメーカーが上部旋回体・吊上装置・下部走行体の全てを一貫製造するのが一般的。日本国内ではトラッククレーンからの置き換えが進んでいる。[1]

オールテレーンクレーン - 外観はトラッククレーンに似るが、4軸(8輪車)以上のものが主流。車体が大きく重量も大きいため安定性に優れ、高所への吊り作業に適しているのが特長。また全ての車輪を舵取りできるものが主流で、車体が大きいにもかかわらず最小回転半径が小さく小回りが利く。特種用途自動車使用目的3-3、8ナンバー

クローラークレーン - 鉄製またはゴム製の無限軌道(クローラ)で走行する。走行速度は極めて低速であり公道では自走できないが、舗装されていない軟弱な路面上でも走行可能なうえに、ジブを伸展した作業姿勢のまま走行可能であり、河川工事、土木工事、基礎工事、大規模な建築工事の現場などで広く用いられている。

車両積載形トラッククレーン - 俗にいう「カーゴクレーン」であり、一般的にはトラックの荷台とキャブ間に架装されている簡易型のクレーン。「ユニック」という名称は、古河ユニックの商標である。直進型のブームを持つものが日本では主流であるが、折り曲げ式ブームのトラック搭載型クレーンもあり、欧米市場ではむしろ折り曲げ式ブームのクレーンの方が普及している。

操重車 - クレーンを搭載した鉄道車両

クレーン機能付き油圧ショベル - 2000年代より登場、油圧ショベルをベースに掘削作業と吊り上げ作業の兼用が可能になった。

移動式クレーンの構造

陸上を走行移動できる移動式クレーンの本体は、上部旋回体と下部走行体により構成されている。[2]
上部旋回体

旋回フレームの上には、巻上げ装置、起伏装置、旋回装置、運転室、ブーム(ジブ)が搭載されている。クローラ式、オールテレーン式、一部のホイールクレーンでは、原動機も上部旋回体内に搭載されている。
下部走行体

走行体にはクローラ式、トラック式、ホイール式がある。クローラは、クローラベルト、駆動輪、遊動輪、上部ローラ、下部ローラなどで構成される。トラッククレーン、オールテレーンクレーンのキャリアはトラック式、ラフテレーンクレーンのキャリアはホイール式、どちらのキャリアも特殊自動車である。


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