科学忍者隊ガッチャマン
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科学忍者隊ガッチャマン


ジャンルSFヒーローアクション
アニメ
原作吉田竜夫
監督鳥海永行
音楽ボブ佐久間
アニメーション制作タツノコプロ
放送局フジテレビ
放送期間1972年10月1日 - 1974年9月29日
話数全105話
映画
原作吉田竜夫
監督鳥海永行
音楽すぎやまこういち
制作タツノコプロ
封切日1978年7月15日
上映時間110分
テンプレート - ノート
プロジェクトアニメ
ポータルアニメ

『科学忍者隊ガッチャマン』(かがくにんじゃたいガッチャマン)は、タツノコプロが制作したSFアニメ世界征服を企む秘密結社ギャラクターと戦う、5人の少年・少女で結成された科学忍者隊の活躍を描いた作品。

2015年時点、「ガッチャマン(GATCHAMAN)」を冠する派生作品は以下7+1作品。

科学忍者隊ガッチャマン(テレビアニメ劇場アニメに再編集)

科学忍者隊ガッチャマンII(テレビアニメ)

科学忍者隊ガッチャマンF(ファイター)(テレビアニメ)

GATCHAMAN(オリジナルビデオアニメ=OVA

おはよう忍者隊ガッチャマン(短編アニメ)

ガッチャマン (映画)(実写特撮映画

ガッチャマン クラウズ(テレビアニメ)および続編『ガッチャマン クラウズ インサイト』

本項では、テレビアニメ第1作『科学忍者隊ガッチャマン』とそのバリエーション、およびリメイク版であるOVA作品『GATCHAMAN』について扱う。
ストーリー

国際科学技術庁(ISO)のウラン貯蔵庫が、の姿をした巨大な怪獣型ロボ(鉄獣メカ「タートルキング」)に襲撃されウランを強奪される事件が発生した。地球征服を狙う謎の秘密結社「ギャラクター」による犯行だ。

ISO「マントル計画」主任である南部博士は、この危機に対して対ギャラクター用に密かに結成していた特殊部隊「科学忍者隊」を出動させる。忍者隊の活躍で「タートルキング」は破壊され、ギャラクターの目論見は潰えたかに思えたが、それは科学忍者隊とギャラクターとの長きにわたる戦いの序幕に過ぎなかった。

科学忍者隊は次々と新手を繰り出すギャラクターのテロ攻撃に、時には生身で、時には大型戦闘機「ゴッドフェニックス」で立ち向かって行く。
作品解説

テレビアニメ版は1972年10月1日から1974年9月29日までフジテレビ系で毎週日曜日18時00分から18時30分に全105話が放送された。2年間の平均視聴率は約21%(タツノコプロの保存資料によると平均視聴率17.9%、最高視聴率は第53話の26.5%[1])。本作品の成功により、『新造人間キャシャーン』『破裏拳ポリマー』『宇宙の騎士テッカマン』といった変身ヒーローによるSFアクション物が続き、タツノコプロの一つの路線を構築した代表作である。人気や知名度の高さからその後、映画版や続編、OVAも制作された。

タツノコプロ企画文芸部の鳥海尽三と陶山智によって企画が練られた。鳥海によると、『忍者部隊月光』『世界少年隊』といった吉田竜夫漫画は特に意識したわけではないというが、結果的に少年少女によるチームが敵と戦う構成は踏襲することになった。一方、プロデューサーの九里一平は前述の2作をベースにしたとし、「太平洋戦争が舞台の『忍者部隊月光』では夢がないので科学忍者とした」と述べている[2]。吉田竜夫と九里一平のデザインによる斬新なコスチュームと劇画タッチで個性溢れるキャラクター、SF作家小隅黎柴野拓美)によるSF考証、さらには中村光毅のデザインしたメカニックとそれを演出した本作品が監督デビューになる鳥海永行によるメカ描写が当時としては未来的でリアルな物であったため、その後のSF・ヒーローアニメの方向性に多大な影響を与えている。

当初は巨大メカと戦う低年齢向けのアクション物として開始したが、公害科学戦争などの現実的でシリアスなテーマ、肉親の情や過去といったドラマ性など、子供向けアニメの枠に収まらないエピソードが人気を呼んだ。PCB原子力船など当時の社会問題を素材に用いた回もあるほか、敵組織ギャラクターが科学忍者隊を出し抜き勝利を収めたり、作戦そのものは失敗するも1つの都市を壊滅させたりなど、主人公側の敗北という通常なら考えられない展開も多かった。視聴率は高かったため当初1年間の放送予定が2年に延長され、タツノコプロを代表する作品となった。

当時のタツノコプロには実写用カメラが装備されており、実写映像やオプチカル合成のシーンも随所に採用されている。オープニング冒頭に登場する地球は、質感を出すため調理器具のボウル紙粘土で覆い、その上にを描いたものを撮影している。発案は撮影の細野正、描いたのは美術設定の中村光毅とされる[3]

連続テレビアニメでありながら、1話あたりのセル画枚数は平均5千から6千枚に及び、1万枚を超えた驚異的な回もあった。第1話「ガッチャマン対タートル・キング」は特に秀逸とされ、怪獣映画のスケール感があると評価された[4]。後のオリジナルビデオアニメ版でこの回のリメイクが試みられている。作画面では同じく劇画タッチだった『アニメンタリー 決断』から引き続き、作画監督の宮本貞雄をはじめ、須田正己湖川友謙、加藤茂らが参加。さらに前番組の『いなかっぺ大将』から二宮常雄らが加わり『決断』での経験も活かされ、リアルタッチの作画でタツノコプロの名を高めた。

韓国に発注の回では、画面に気泡が混じったシミのような画像が見られることがあったが、これは現像液がネガに付着、定着したため。また当時の韓国と日本の電力事情の違いで、日本の国内で見ると画面が薄暗くなり、韓国現像のフィルムは国内で調整しながらプリント出ししていた[5]

本作品の仮タイトルには「科学忍者隊バードマン」や「科学忍者隊シャドウナイツ」があったが、広告代理店読売広告社の松山貫之専務による発案により『ガッチャマン』に決定[6]。松山によると、メカが合体するときの「ガッチャン」という擬音から発想したというが、「まるでギャグものだ」とタツノコプロのスタッフ側からは不評であったという。何となくフィーリングでつけたため、「ガッツとマンでガッチャマン」と説明される[注釈 1]こともあった。なお作中の設定では、「ガッチャマン」とは、組織の名前ではなく科学忍者隊のリーダーの称号である。正確に呼ぶならば、リーダーの大鷲の健以外の四人は「ガッチャマン」ではなく、単に科学忍者隊の隊員、ということになる。実際、エンディングのキャスト紹介においては、健のみ「ガッチャマン」という役名になっている[注釈 2]。敵方の「ギャラクター」は過去のタツノコプロ作品『宇宙エース』に登場するSF作家の広瀬正が名付けた敵キャラクターの名前を再利用したもの。山猫からつけられた「ベルク・カッツェ(独:Berg-Katze)」などというネーミングともども、インパクトの強さを狙って、スマートすぎない名前にした、との関係者との回想がある。

また、熟慮の上キャスティングされた声優陣も好評で、南部博士役の大平透は、当時タツノコプロ作品では『ハクション大魔王』などギャグアニメの印象が強い声優だったが、本作品ではシリアスな役柄にもかかわらず、あえて起用に踏み切り成功した。ベルク・カッツェのキャラクターは最初から細かく設定されていたわけではなく、カッツェを演じた俳優の寺島幹夫の独特な演技にスタッフが影響を受け、後から肉付けされた部分が多いという。

ガッチャマンはタツノコプロを代表する作品となったが、企画の鳥海尽三は設定について「(後から思うと)あまりにもずさんで荒唐無稽だった」と後悔しており、『小説・科学忍者隊ガッチャマン』(1989年発表)を執筆する動機になった。
登場人物
味方側
ガッチャマン―大鷲の健 / G-1号
声 -
森功至本作品の主人公。18歳。本名・鷲尾健。科学忍者隊のリーダー。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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