秋刀魚の味
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秋刀魚の味

監督小津安二郎
脚本野田高梧
小津安二郎
製作山内静夫
出演者笠智衆
岩下志麻
ほか
音楽斎藤高順
撮影厚田雄春
編集浜村義康
製作会社松竹
松竹大船撮影所
配給 松竹
公開 1962年11月18日[1]
上映時間113分
製作国 日本
言語日本語
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『秋刀魚の味』(さんまのあじ)は、1962年昭和37年)の日本映画カラー、スタンダードサイズ(1.37:1)、113分。製作・配給:松竹。監督:小津安二郎芸術祭参加作品。公開翌年の1963年に死去した小津の遺作である。英題は An Autumn Afternoon[1]

小津が一貫して取り上げてきた、妻に先立たれた初老の父親と婚期を迎えた娘との関わりが、本作では娘を嫁がせた父親の「老い」と「孤独」というテーマとともに描かれている[2]

2013年、小津の生誕110年・没後50年を記念して、松竹と東京国立近代美術館フィルムセンターが共同でデジタル修復を行い、第66回カンヌ国際映画祭クラシック部門で上映された。かつて小津の『麦秋』で撮影助手を担当した川又昂が画像修復を監修した。
あらすじ

大手企業の重役として働いている平山周平(笠智衆)は妻に先立たれ、長女の路子(岩下志麻)、次男の和夫(三上真一郎)と3人で暮らしている。

ある年の秋[3]、路子の上司で、周平の旧友でもある河合(中村伸郎)が周平と会い、婚期を迎えた路子への縁談を持ちかけるが、路子が家を去ることを恐れた周平は「まだそんなこと考えてないんだ」と聞き流す。しかし、クラス会に呼んだ元恩師の佐久間(東野英治郎)が独身の娘(杉村春子)と2人でわびしく暮らしているのを知り、路子の幸福のためには結婚させるべきではないかと考え始める。

ある日、周平は路子に「お嫁に行かないか」と声をかけるが、路子は取り合わず、機嫌を損ねる。やがて周平は、路子がひそかに想っている人がいることを知る。相手は長男の幸一(佐田啓二)の会社の同僚である三浦(吉田輝雄)だった。周平に頼まれた幸一が三浦の気持ちを探ると、すでに三浦には婚約者がいることがわかる。一連の話を聞いた路子は部屋にこもって泣く。

路子は河合の話を受け入れて見合いをし、結婚する。婚礼を終えた夜、ひどく酔って帰宅した周平は台所の椅子にひとり寂しく座るのだった。
キャスト
平山周平:演 -
笠智衆
サラリーマン。妻を亡くし、長女と次男の3人で暮らす。
平山路子:演 - 岩下志麻
周平の長女。24歳。父と弟の身の回りの世話をする。
平山幸一:演 - 佐田啓二
周平の長男。路子と和夫の兄。妻とともに新興の団地に住み、自ら夕食を作るなど家事に協力的である。
平山秋子:演 - 岡田茉莉子
幸一の妻。幸一との結婚後も仕事(職業は明示されていない)をやめず、通勤を続けている。
三浦豊:演 - 吉田輝雄
幸一の同僚。
田口房子:演 - 牧紀子
周平の部下のひとり。結婚を機に会社を退社する。
平山和夫:演 - 三上真一郎
周平の次男。学生。幸一と路子の弟。
河合秀三:演 - 中村伸郎文学座
周平の旧友。路子の会社の上司で、縁談を持ちかける。
佐久間清太郎:演 - 東野英治郎俳優座
周平の旧制中学校時代の恩師。教師時代のあだ名は「ヒョータン」。作中時点では教師をやめ、娘・伴子とともに下町の工業地帯でラーメン店「燕来軒」を営む。
河合のぶ子:演 - 三宅邦子
河合の妻。
「かおる」のマダム:演 - 岸田今日子(文学座)


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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