私設秘書
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秘書(ひしょ)とは、組織あるいは上司の書類面における仕事を請け負う職務、職業。またそれを行う人。職務は幅広いが、共通するのは、重要書類を扱う仕事であるということである。その他にも上司の身の回りの世話、メールや電話の応対、来客の接遇、スケジュール管理、書類・原稿作成など、「総務の専門家」として機能する。 日本では、アシスタントと英訳されるのが適当である場合が多い。 セクレタリーも秘書と和訳されているが、これは、取締役クラスを意味するため、事務局長など実体に合わせ和訳に注意が必要である。


目次

1 歴史

2 業務

3 日本における秘書の種類

4 セクレタリとしての秘書

5 秘書業務

5.1 総務(基本業務)

5.2 文章業務

5.3 情報業務

5.4 接遇業務


6 秘書の資質

7 秘書教育

8 資格

9 著名な秘書

9.1 内閣総理大臣の秘書

9.2 その他政治家秘書

9.3 その他の秘書


10 その他

11 参考文献

12 外部リンク


歴史

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「秘書」という単語は、中国から古くに現れており、例えば三国時代には「秘書令」、には「秘書監(中国語版)」という役職があり、九品官人法において従三品に位置した。郤正などが任命されている。

現代における「秘書」の直接の成り立ちは、欧米語とくに英語の Secretary である。これはもともとラテン語の secernere(分別する・区別する)から派生した語であり、これが分別されるもの、特別に機密扱いされるものという意味に変わり、これから中世に王侯貴族、大富豪、大僧侶の連絡文書などの機密を扱う書記を「秘書」と呼ぶようになった。このため、「秘書」という職種は近代までは権力者の側近書記という意味があり、一般の事務員(Clerk)あるいは書記(Scrivener)とは区別される存在であった。現在、政府の省庁の長が書記長(Secretary)と呼ばれるのも、元々は王国の執政府が国王の所帯の延長であり、国王の補佐官である Secretary が「大臣」と同義であったからである。またこのため、欧米語で Secretary と名のつく政府高官の職位は大統領の業務に従属する地位であることが示唆される。

同様の事情は、ヨーロッパのみならず、世界各地に見られた。日本の朝廷においても蔵人、武家社会においては右筆などが、側近にありつつ、文書の管理を行うという職務に基づく特別の地位を占めた。

中世ヨーロッパにおいて、権力者の文書のやり取りは複数の言語および共通語が使われた(例:国際外交はフランス語カトリックにおいてはラテン語、など)。執政者が領地の言語を理解していない場合があるほか、法令や契約文書等においてはローマ法等の教養が求められるなど、これらの権力者の書記である秘書は相当の教養が要求された。

ところが近代において大企業が発達すると、事務処理の標準化がおこり中間管理職(Manager)が多数出現するとともに、これらの下位の管理職の書記も「秘書」と呼ばれるようになる。この段階において「機密文書」を扱う特別な書記という限定が失われる。その後、1880年代タイプライターの発明により、書類生産の作業が単純労働化される。つまり上司が口頭で出す指示を速記で書きとめ、これをタイプライターで活字化したあとこれに上司が目を通してサインするという手順が確立する。さらにはテレックスの発明により膨大な文書が活字で瞬時に伝達される段階になると、組織の巨大化および書類の量産が相乗効果で促進され、この過程で文書処理が標準化される。これを反映してまた文章力、タイプライターの早打ちや速記などの(単純)技能的側面が強調されるようになり、以前の「権力者の書記」という意味からさらにかけ離れていくようになる。

政府や企業などの機構が組織的に肥大するとともに、増加する中間管理職をサポートする職種として専属的に女性が「秘書」として多量に雇われるようになり、第二次大戦後は一般的に「秘書」といえば管理職の(女性)アシスタントという意味で世界的に認識されるようになる。またこれらの中間管理職のアシスタントを「秘書」と名づけたのは原意の威光をかりた職種のはく付けのような意味があった一方で、管理職への出世が女性に閉ざされていた時代では「秘書」への就職は「出世」と理解されていた。

日本においては「秘書」という職種が近代企業機構と一緒に欧米から輸入されたため、元々の秘書の意味と近代の秘書の意味を翻訳において分離する必要が生じた。このため Secretary Of Defence は国防長官、Secretary-General of the United Nations は国連事務総長、General Secretary of the Communist Party of the Soviet Union はソ連共産党書記長、その他のSecretary は秘書官、書記長、事務長官などと訳し分けられている。なお、日本の官房長官の公式な英訳名は、Chief Cabinet Secretary である。一方で政治家および企業役員の秘書においてのみ原意での秘書が健在である。

さらに現代においては、電気・電算および通信技術の革新、特にワープロに代表される文書生産ソフトや他の業務用のソフトウェア、テレックス、ファックスインターネットメールなどの出現によって、速筆やタイピングなどの技能の重要性が著しく低下しており、下位の管理職に従属する秘書の必要性が消滅してきている反面、以前のように政治家や企業役員の書類面その他の事務の補佐を行うという意味での書記が「Executive Assistant」などと名称を変えて復活してきている。
業務

秘書の仕事は、コピー取り等の簡単な事務補助を行うものから、議員の名代として政策立案や資金集めを行うような業務まで幅広い。業務への関わり方によって以下のタイプに分けられるが、中間的な秘書も多い。
書記長型秘書
特定の機構の(書類面)での最高責任者として活躍する役職。President(英語では大統領や社長などの)の補佐官であるとの意味があるが、組織の構造あるいは規約によっては国政(例、ソ連)あるいは組織(例、国連)の長となる。また委員会での書記長も英語ではSecretaryと記述される。
書記士型秘書
総務の専門職である。勅許書記士 (Chartered Secretary) は、専門職の中でも独特な幅広い技能を基盤とする高位の専門職である。
会社法等の法人関係法令、財務企業統治会社書記役 (company secretary) の職務や経営を熟知しており、事業経営、企業統治や法令遵守に関する中立的な助言を行う。法人の内部においては、法人の登記の管理や、社員総会又は株主総会理事会又は取締役会の運営、決議及び合意文書や議事録の管理、法人の文書や書類の管理など、法人の総務の運営に携わる。普通の会議の運営も受け持つ為、旅費の調整などその職務の範囲は広い。イギリス株式会社などでは、法務部が弁護士、財務部が会計士、総務が書記士によって運営される。
直接補佐型秘書
担当する上司および組織の本来の業務を直接補佐し、企画・立案、調査、交渉などの業務を行う。議員秘書、社長室長のような存在がこれにあたる。
間接補佐型秘書
担当する上司の本来の業務には直接関わらず、文書作成やスケジュール管理等の上司でなくてもできる仕事を行う。最近では、ワープロの普及と共に、文書作成の技能の専門性が消失した。

位置付けとしては、政府の省や庁の長として特定の組織の(書記)長である場合や、英国の会社や米国の法人の書記役 (secretary) である場合、勅許書記士 (Chartered Secretary) のように法人総務の専門職である場合などから、特定の上司に専属で付く個人秘書、秘書課に属しチームで上司を補佐する秘書、ラインの中で本来業務と共に秘書業務も行う兼務秘書、チーム・プロジェクト・研究室・部課全体に付くグループ秘書といった形態がある。

日本の労働基準法においては、「機密の事務を取り扱う者」には同法に定める労働時間規制が適用されないとされ(労働基準法第41条2号)、この「機密の事務を取り扱う者」に該当する者として秘書が例示されている(昭和22年9月13日発基17号)。もっとも職制上「秘書」とされている者全員がこれに該当するわけでなく、職務が管理監督者の活動と一体不可分であり、厳格な労働時間管理になじまない者についてのみ該当する。したがって、単に補助的業務のみに従事している秘書はこれに該当しない。
日本における秘書の種類
役員秘書
企業・団体等の経営者や役員を補佐する個人秘書、あるいは部や課を担当するグループ秘書。一般的に秘書というとこの役員秘書を指す。専門職採用で秘書業務以外の業務は行わない専従型と、入社後に秘書として配属される場合がある。派遣社員の場合も多い。秘書課あるいは秘書室に所属し担当の役員を受け持つ場合と、部や課に所属するライン秘書の場合がある。担当役員の身の回りの世話、来客の接遇、スケジュールやメールの管理、会議や出張の準備、文書作成、慶弔、パーティーの準備や出席といった業務を行う。高齢の経営者や重労働の経営者が多いため、健康管理も重要である。秘書課では、会社の広報や株主総会の準備も担当する。
学者秘書
大学
教授や研究機関の研究者を補佐する秘書。


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