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出典検索?: "私的所有権"
私的所有権(してきしょゆうけん、英: private property)または私有権とは、個人(自然人)または法人が持つ所有権である。その制度が私的所有制または私有制、私的所有された財産が私有財産である。
対比語は公的所有権(英語: public property)または公有権で、その制度が公的所有制または公有制、公的所有された財産が公有財産または公物である。 私的所有権は、経済的自由権の1つである財産権の1つである。私的所有権を持つ個人や法人は原則として、対象の財産を自由に取得・保持・売買・廃棄できる。 近代以前では私的所有権の概念は、時代や地域や民族にもよる。アイヌやアメリカ先住民、古代ギリシアのスパルタ、インカ帝国などを含む多くの地域や民族では、土地などは共有であり、私有財産の概念は存在しなかったか、明確に禁止または規制されていた。ガイウス・ユリウス・カエサルはガリア戦記で、ガリア人は古代ローマ人と同様に私有財産の概念を持つが、ゲルマン人は持たないと記した。 マルクス主義は、所有の概念が存在しなかった段階を「原始共産制」、所有の概念は存在するが共有のみの段階を「アジア的生産様式」と呼んだ。私的所有権の概念が存在した時代や地域でも、国王や貴族、教会などの特権的な財産のほか、入会権や入会地など住民による公有の概念が広く存在した場合も多かった。均田制や班田収授法などは土地公有を前提にした制度である。王権神授説では全ての所有権は国王にあるとされ、私的所有権の絶対性は否定された。「私的所有権絶対の原則」は、近代私法の三大原則の1原則となった。 近代以降の政治思想の分野では、私的所有権は経済的な自由主義である資本主義の基本概念となっている。これに対して各種の社会主義やファシズムや開発独裁などは私的所有権の制限を主張し、更に共産主義は私的所有制の廃止と財産の社会的共有を主張するが、それぞれの定義や範囲は多くの立場がある。フリードリヒ・エンゲルスは、著作「家族・私有財産・国家の起源」で、私的所有権の概念の発生により、富の蓄積、社会階級、国家、戦争などが発生したとする。
概要
政治思想
論評詳細は「マルクス主義批判」および「マルクス経済学への批判」を参照