私の遍歴時代
著者三島由紀夫
イラスト装幀:栃折久美子
題字:三島由紀夫
発行日1964年4月10日
発行元講談社
ジャンル自伝・評論・随筆
国 日本
言語日本語
形態上製本 紙装、機械函
ページ数266
公式サイト ⇒[1]
コードNCID BN08538672
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『私の遍歴時代』(わたしのへんれきじだい)は、三島由紀夫の自伝・回想録。17歳から26歳までの文学的遍歴や作家としての歩みを、38歳の時点で振り返った随筆である。戦時中の学習院中等科時代から、戦後の文壇での新人時代、太宰治などとの逸話、『仮面の告白』発表、初の世界一周旅行(詳細は旅行記『アポロの杯』を参照)帰国までの歩みを、自身の一つの区切りの「遍歴時代」として、その軌跡を様々なエピソードを織り交ぜながら綴っている。三島文学の形成を知る上で重要な回想録であり、太宰治とのエピソードなども昭和文学史において貴重な資料となっている[1][2][3]。
この回想録でのいくつかのフレーズは、三島を題材にした映画『Mishima: A Life In Four Chapters』の緒形拳扮する三島の回想部分の語りとして使われている[4]。 1963年(昭和38年)、『東京新聞』夕刊の1月10日から5月23日まで(週1回)、20回連載された[5]。単行本は翌年1964年(昭和39年)4月10日に講談社より刊行された[6]。 学習院中等科の恩師・清水文雄を通じて出会った日本浪曼派の保田與重郎や、『文藝文化』の同人周辺の人々(林富士馬、富士正晴など)との出会いと戦時下での『花ざかりの森』の刊行、戦後の川端康成との繋がり、太宰治との対面のエピソード、小田切秀雄、田中英光、マチネ・ポエティクの作家、戦後派作家(椎名麟三、野間宏、埴谷雄高など)の印象、『仮面の告白』執筆時の心境や、初の1幕物の戯曲『火宅』の上演、加藤道夫との出会いとその死のこと、初の世界旅行へ向かう船上での「太陽」との出会いから帰国に到るまでの心境などが大まかに綴られ、38歳となった自身の心境から当時の自分を振り返えりつつ分析している。
目次
1 発表経過
2 内容
3 評価・研究
4 おもな刊行本
4.1 全集収録
5 脚注
6 参考文献
7 関連項目
発表経過
内容