私の男_(映画)
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

この項目では、桜庭一樹の小説およびその映画化作品について説明しています。その他の同名の作品については「私の男 (曖昧さ回避)」をご覧ください。

私の男
著者桜庭一樹
発行日2007年10月30日(単行本)
2010年4月10日(文庫本)
発行元文藝春秋
日本
言語日本語
形態四六判上製本
文春文庫
ページ数384(単行本), 464(文庫本)
コードISBN 978-4-16-326430-1(単行本)
ISBN 978-4-16-778401-0(文庫本)

ウィキポータル 文学

[ ウィキデータ項目を編集 ]

テンプレートを表示

『私の男』(わたしのおとこ)は、桜庭一樹による日本の小説。第138回直木賞受賞作。『別册文藝春秋』(文藝春秋)にて2006年9月号(265号)から2007年7月号(270号)まで連載された。

桜庭は2006年12月に刊行された『赤朽葉家の伝説』が直木賞にノミネートされたが受賞には至らず、2007年10月に刊行された本作で2008年に直木賞を受賞した。直木賞選考委員の浅田次郎は本作について「文句なしに推挽させていただいた」と絶賛した。

熊切和嘉監督によって映画化され、2014年に公開された[1](詳細は後述)。
物語

2008年6月、結婚式を翌日に控えた腐野花が婚約者の尾崎美郎、父の淳悟と3人で会食する場面から始まる。続く第2章は2005年11月、第3章は2000年7月、第4章は2000年1月、第5章は1996年3月、最終章は1993年7月と、年月を遡っていく形で物語が進んでいき、舞台も東京から北へ変わっていく。

竹中花は9歳のとき、奥尻島を襲った大地震(北海道南西沖地震)による津波で家族を亡くし、親戚に当たる腐野淳悟の申し出によって引き取られ、北海道紋別市で二人暮らしを始める。二人は時が経つにつれ性的関係を持つようにもなり、花は唯一の家族である淳悟と離れないと決意するが、24歳で美郎と結婚する。第1章では新婚旅行から帰ってきた花が、一人になった淳悟を心配し家を訪ねる場面が描かれ、第2章では後の婚約者である美郎との出会い、第3章では高校生になった花と淳悟の殺人、第4章では中学生の花による殺人、第5章では淳悟と長年交際していた大塩小町を中心に描かれ、最終章となる。

日本をはじめ、多くの国でタブーとされている親子による近親相姦を描いた作品。
登場人物
腐野 淳悟(くさりの じゅんご)
花の養父。痩身で背が高く美形であるため、常に女の影がある。気分屋だが愛嬌があり、黙っていても周りから好かれる性質であるが、心から他人と打ち解けることはない。紋別では
海上保安官主計士だったが、東京へ出てからはバイク便ライダーの仕事に就いている。花が短大卒業後に就職したことを機に仕事を辞め、無職となる。ヘビースモーカー。
腐野 花(くさりの はな)
淳悟の養子。苗字は「竹中」だったが、9歳のときに震災で家族を亡くし、淳悟に引き取られて「腐野」になった。短大を卒業後派遣社員になり、派遣先の社員である美郎と婚約する。仕事は真面目にこなすが淳悟同様、時間にはルーズである。
大塩 小町(おおしお こまち)
淳悟の元恋人で美しくスタイルの良い女性。花のことを嫌っている。淳悟の二歳年下で、高校時代から目立つ存在であった彼に憧れを抱いていた。度重なる淳悟の浮気に気づきながらも、一向に結婚の話が進まないまま未来の見えない交際を続ける。北海道拓殖銀行の紋別支店に勤めていたが、銀行が破綻した後、東京で暮らし始める。
尾崎 美郎(おざき よしろう)
花の婚約者。勤務する会社の親会社の専務の息子。複数の女性と関係を持っている。裕福な家庭で育ち、女性から値踏みをされることにも慣れていたが、自身の境遇に対し哀れむような態度を見せた花に興味を持つ。
大塩(おおしお)
北のほうで地元民に慕われていた老人で、「親父さん」と呼ばれている。昔は飲食店をいくつも経営していたが、北海道柘植銀行の破綻による景気悪化の影響で全て手放す。隠居後は趣味として銀色の小さなカメラでの写真撮影に明け暮れている。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:39 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef