福来友吉
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福来 友吉
人物情報
生誕 (1869-12-05) 1869年12月5日
岐阜県高山市
死没 (1952-03-13) 1952年3月13日(82歳没)
国籍 大日本帝国
出身校東京帝国大学
学問
研究分野心理学
研究機関東京帝国大学心理学研究室
主な指導学生

佐久間鼎

柳宗悦

大槻快尊

速水滉

土井壮良

桑原芳蔵

奥田誠一

住岡多津雄

学位文学博士号
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福来 友吉(福來 友吉、ふくらい ともきち、明治2年11月3日1869年12月5日) - 1952年昭和27年)3月13日)は、日本の心理学者、超心理学者。東京帝国大学助教授、高野山大学教授。文学博士(1906年)(学位論文「催眠術の心理学的研究」)。念写の発見者とされる。
概要

岐阜県高山市商家に生まれ、見習い奉公に出されたが商人になることを嫌い、学問に志を立てて猛烈に勉強し斐太中学校から優秀な成績で第二高等学校 (旧制)に進学した。実家が事業に失敗し学費に困ったが、仙台の資産家町田真秀が援助し、1899年(明治32年)東京帝国大学哲学科を卒業[1]。さらに同大学院で変態心理学催眠心理学)を研究し、1906年(明治39年)、「催眠術の心理学的研究」で文学博士の学位を授与された。1908年(明治41年)、東京帝国大学助教授。
御船千鶴子での実験御船千鶴子1910年)詳細は「御船千鶴子」を参照

1910年(明治43年)、かつての教え子で熊本工業学校の高橋正熊は、熊本県に住む御船千鶴子が優れた透視能力を発揮して「千里眼」と言われているという話を聞いて簡単な実験を行ない、その結果を福来に報告していた。当初福来は教え子の研究成果を横取りするつもりもなく気に留めなかったが、旧制熊本県立中学済々黌(現熊本県立済々黌高等学校)校長の井芹経平がレベルの高い実験を勧めたために自らも実験することになった[2]福来記念山本資料館に置かれる晩年の福来友吉胸像

通信による実験では予想外に好成績で、1910年(明治43年)4月には研究仲間で京都帝国大学医学博士今村新吉を伴い現地での本格的実験と能力開発指導を始めた。この結果二人は透視能力の確実を確信し学会にも報告した。また4月25日付で「熊本に密閉箱の名刺を読む女性出現」と当時の新聞に大きく採り上げられた。これに対し東京帝国大学の理学博士山川健次郎は特に強い興味を示し、科学的な検証を提案して来た。公開実験が行なわれたが、不的中なら非難され、的中なら詐術を疑われ、強い疲労と能力低下に悩んで御船千鶴子は自殺してしまった[3]
長尾郁子での実験長尾郁子詳細は「長尾郁子」を参照

1911年(明治44年)頃から御船千鶴子が起こした「千里眼」ブームに乗って自薦他薦の自称超能力者が名乗り出たが、その中で最も福来の関心を引いたのは丸亀市に住んでいた長尾郁子であった。

能力上は当初御船千鶴子に劣ったが、対面して透視を行なえたので詐術の疑惑を受けにくいと判断された。また未現像の写真乾板を送って透視してもらい透視結果を出してもらってから現像するという方法で不正疑惑を避けようとした。数回の実験では的中した。またカブリが発生していたことから、福来は念写の可能性を考え始めた[4]

山川健次郎が透視と念写の実験に訪れ、福来がオブザーバーとして立ち会うことになった。しかし長尾郁子は少しでも疑われたり邪心があったりすれば精神統一ができないと実験に条件をつけ、学者の反感を買った。不穏な空気の中で行なわれた実験でも長尾郁子側に内密のまま不正開封発見のために入れた鋼鉄線がなくなる、封印が破られているなど不正手段を使ったと思われる状況があったが、不正発見手段は内密に行なわれたことで公表できなかったため成功として報道された。しかし続いて行なわれた実験で山川健次郎側が写真乾板を入れ忘れて念写を依頼する手違いがあり、山川健次郎が謝罪して一時は何とか実験が続行されることになったが、長尾郁子の超能力を疑う学者の中から一方的に「透視と念写は全くの詐欺である」旨報道陣に見解を発表、長尾郁子側は以後の実験を全く拒否し2ヶ月後に風邪で急逝した[5]
高橋貞子での実験

1913年大正2年)、福来を信奉していた催眠術者高橋宮二が妻の高橋貞子を指導し初歩の念写を成功させ、福来の指導を仰ぎに来た。福来は疑惑の要因を一切断って井上哲次郎筧克彦などの立ち会いの元で念写を成功させたとしている[6]
学会追放高山市国府町所在の『福来記念山本資料館』。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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