福島盆地
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福島盆地の地形図。
左下は吾妻火山

福島盆地(ふくしまぼんち)とは、福島県の北端に位置する盆地。旧信夫郡と旧伊達郡にまたがる平地であることから、信達(しんたつ)平野とも呼ぶ。
概要

南に郡山盆地、東に阿武隈高地、西に奥羽山脈がある。東北新幹線山形新幹線を中心に、東北本線奥羽本線福島交通飯坂線阿武隈急行が走る。北東から南西にひょうたん型をしており、ひょうたん型の南部は福島市東部、ひょうたん型の北部は伊達郡桑折町国見町の南部と、伊達市西部が占める。盆地の南部の福島市街地中心部にはモナドノック(monadnock:残丘)の信夫山があり、福島盆地の象徴的な風景となっている。福島県の県庁所在地。

盆地南部の吾妻山山麓は水の便の悪い扇状地のため、ながらく不毛の地であったが、江戸時代より水利管理技術の向上が進み、暴れ川と呼ばれた阿武隈川支流の荒川(当時:須川)の治水にも成功し、次第に耕地として開墾された。一方、幕末から盆地東部を中心に養蚕が盛んになり、戦前は福島盆地全体に畑が広がっていた。戦後の養蚕業の斜陽化で果樹への転作が進み、現在では盆地南部の吾妻山麓も含めて全国有数の果樹類の一大産地となっている。特にの生産が盛んである。

福島西部には個性ある温泉街が点在する場所でもあり、主に2世紀頃からの歴史を有する飯坂温泉や、高濃度の硫黄泉で知られる高湯温泉土湯こけしで有名な土湯温泉などが知られている。

相当深い盆地であるために、北側は東北本線、国道4号越河峠、西側には国道13号栗子峠国道115号土湯峠国道399号鳩峰峠、奥羽本線板谷峠、南側には国道4号の通称伏拝の坂、東北本線の上下線分離勾配区間とどの方角にも強風や降雪で交通障害の起きやすい交通難所が存在し、他地区に行くには必ず山越えを強いられる土地でもある。唯一、阿武隈川沿いの国道349号だけは峠越えとならずに角田盆地を経て仙台平野に抜けられるが、阿武隈峡谷とも呼ばれる隘路であるため、これはこれで難所といえる。また、盆地と奥羽山脈の山々との境には、福島盆地西縁断層帯があることが知られている。
歴史

律令制で道国郡制が整備され、当初から奈良時代は福島盆地とその周辺区域全体が陸奥国信夫(しのぶ)郡であった。しかし、10世紀前半に、西側が信夫郡、東側と北部が伊達郡と、2郡に分割された。現在の福島市は、旧信夫郡に伊達郡の一部と安達郡の一部を加えた領域になっている。

和歌枕詞として詠われる「信夫(しのぶ)」は福島盆地、「文知摺(もちずり)」は福島盆地内の地名である。

平安時代末期から鎌倉時代初期には、現在の東北地方ほぼ全域が奥州藤原氏の勢力圏となり、福島盆地は現在の福島県中通り会津置賜地方を支配した奥州藤原氏の一族、信夫佐藤氏の本拠地となった。福島盆地北西部の飯坂にある大鳥城が佐藤氏の本城だった。源義経の忠実な家臣として有名な佐藤継信佐藤忠信兄弟も、信夫佐藤氏の頭領で信夫庄司であった佐藤基治(佐藤元治)の子である。

源頼朝奥州征伐では、福島盆地北端の厚樫山(あつかしやま:あるいは国見山)山麓に奥州藤原氏勢力は巨大な防塁を築き、この厚樫山山麓が奥州藤原氏と鎌倉の事実上の決戦場となった。

源頼朝の奥州征伐の後、関東武士である常陸入道念西(伊達朝宗)の一族は、佐藤基治を破った功により、福島盆地の信夫郡・伊達郡を拝領して伊達氏を名乗るようになり、以後、安土桃山時代まで伊達氏支配となる。(ただし、信夫佐藤氏は完全に滅びたわけではなく、子孫はその後伊達氏や岩城氏相馬氏佐竹氏等に仕えたり、伊勢に転封されたりしている)

豊臣秀吉による伊達政宗の転封により、近江武士の蒲生氏郷の支配となる。蒲生氏滅亡後、越後から上杉景勝が転封されて、江戸時代初期まで上杉氏支配となる。この上杉氏支配下で、福島盆地内の開墾整備が急速に進み(西根堰などが有名)、農業生産高を大きく飛躍させた。上杉氏の末期養子の代償によって信夫郡、伊達郡が上杉氏から召し上げとなった後は、福島盆地内にはめまぐるしく小藩や幕領が入り乱れて、明治維新を迎えた。

なお、江戸時代前期までは、現在の福島盆地中心部である福島市街域よりも、肥沃な土地が多い福島盆地北部の阿武隈川流域(現在の桑折町、伊達市梁川地域、伊達市保原地域)の方が経済活動が活発であり、政治的経済的中心だった。伊達氏も伝統的に盆地北部を本拠地とし、初期の福島藩本多氏)も、桑折に築城しようと縄張りした(ただし築城前に転封となった)。現在のように福島盆地南部の経済活動が活発になったのは、板倉氏によって福島城下の整備がすすみ、治水事業によって福島盆地南部の開墾が進んだ江戸時代中期以降である。
自治体

自治体名面積総人口人口密度自治体の木自治体の花自治体の鳥
福島市767.72km2277969人362人/km2ケヤキモモシジュウカラ


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