この記事には独自研究が含まれているおそれがあります。問題箇所を検証し出典を追加して、記事の改善にご協力ください。議論はノートを参照してください。(2008年4月)
福島弁(ふくしまべん)は、福島県で話される日本語の方言である。東北方言に属し、そのなかでも山形県内陸方言や仙台方言と同じ南奥羽方言に属する。東関東方言(栃木方言・茨城方言)とも共通点が多いほか、新潟県の北越方言のうち東蒲原郡の方言は会津方言に近い。本記事では中通り地方と浜通り地方の方言を中心に扱うが、場合によっては会津地方の方言についても注釈を付けて解説する(会津方言の詳細は会津弁を参照)。 中通り地方のなかでも、福島市のある県北地方と郡山市のある県中地方、白河市のある県南地方では方言が異なる。 浜通り地方の方言は夜ノ森を境に南側の茨城方言寄りの岩城弁(いわきべん)と北側の仙台方言寄りの相馬弁(そうまべん)に二分される[1]。夜ノ森は旧楢葉郡と旧標葉郡の境であり、戦国時代には岩城氏領と相馬氏領の境、江戸時代には磐城平藩と中村藩の境でもあった。なお、浜通り北端の新地町は、江戸時代には仙台藩領であり、大部分は亘理伊達家の所領であったため、隣接する宮城県亘理郡と同種の方言(仙南方言)が使用されている。
地域差
音声
音が濁ることが多い。柿をカギ、酒をサゲなど。
語中・語尾のガ行音素(濁音音素)は、カ行(清音)子音は有声音化して[?]となり、正真正銘のガ行子音(濁音)/?/は、すべて鼻濁音化して[?]と発音され、清濁の弁別が保たれることになる。
アクセントは東北地方南部?関東地方北東部で共通する無アクセント(崩壊型アクセント)である。そのため、例えば「橋」と「箸」でアクセント上の区別がなく、県外人に両者のアクセントの違いを説明されても使いこなせないことがある。ただし県南西部の檜枝岐村ではアクセントが存在し、型の種類が少ない東京式アクセント(準二型式アクセント)である。
表現
「?じゃないですか」「?でしょう」と相手に同意を求める際に「?だべ」「?だべした」といったベェベェ言葉が多用される。郡山市や二本松市近辺では「?だよ」を「?だぞい」「?だばい」「?だっぱい」となる。また、いわき市近辺では「?だっぺ」「?だっぺした」となる。
「?なんだっけぇ」「?したんだっけぇ」という表現も使用されている。
「歩いて?」を「歩(ある)って」、「もっと?」を「まっと」・「いまっと」、「?している」などを「ちる?」(「言われる」→「言わっちる」)などと言う場合もある
語彙
言葉が使用されている地域の凡例。※例文中の()付地域の例は以下の参考文献[2]確認されたものである。
(県) - 県内全般で用いられる言葉
(浜) - 浜通り地方で用いられる言葉
(北) - 県北で用いられる言葉 (福島市、伊達郡、伊達市、二本松市、安達郡、本宮市)
(中) - 県中で用いられる言葉 (郡山市、田村市、田村郡)
(南) - 県南で用いられる言葉 (須賀川市、岩瀬郡、石川郡、白河市、東白川郡、西白河郡)
(会) - 会津地方で用いられる言葉
あっちゃ → あっちへ
あだがな(、あったもの) → あんなもの (北、中)
あどががぁ → 後妻 (浜、北、中、会)
あっぱとっぱする →慌てる
あやまった → 困った、まいった。
あらほど → あんなに
あんにゃ → お兄ちゃん(単に目上の男の人を呼ぶ敬称)
あんにゃ(さま) → 兄
あんべぇわりー → 病気 (県)、塩梅/按排/按配が悪い (北)
あんぽんたん→アホ(県)、甘い吊るし柿 (北、中) 関西弁の「アホ」と同じニュアンス。「バカ」ほど人を貶したり蔑む言葉ではない。
いまっと→もっと。
(例)A「こんぢいいがい?」(このくらいでいいですか?)B「わがんねな、いまっとくんちぇ」(だめだな、もっとください)
い→家。
(例)我がい(我が家)
うっちかっておげ → 投げすてておけ (中)
うるがす → (水に)つけける (北)
(例)うるがしておげばいいぴした。そだの。(水につけておけばいいんじゃないですか。そんなもの)
えんがみた → ひどい目にあった (南、会)
落ぢる → 降りる (北、中、南、会)物が落下した際にも使用。
おだつ→調子に乗る。
おばんです → こんばんは(県)
おぶる→おんぶ、背負う。赤ちゃんを背負う時にも使われるが、リュックやランドセルなどを背負うときにも使われる。
おやじ → ダンナさん おじさん 店主 ※お父さんも言われる。
(例)新聞屋のおやじ(新聞の集金のおじさん)