福岡国際マラソン
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11月開催「福岡マラソン」とは異なります。

福岡国際マラソン
開催地 日本福岡市
開催時期12月
種類ロードコース
距離マラソン
最高記録ツェガエ・ケベデ 2:05:18
創立1947年(第1期)
2022年(第2期)
終了2021年(第1期)
公式サイト福岡国際マラソン
プロジェクト:スポーツテンプレート
博多駅前のモニュメント

福岡国際マラソン(ふくおかこくさいマラソン)は、1947年から開催されているワールドアスレティックス(世界陸連)公認の男子フルマラソン大会である。世界陸連からは、「ゴールドラベル大会」(2021年は「エリートラベル」)にも認定された[注 1]

大会の正式名称と開催地が数回変更されているが、第13回(1959年)以降は福岡県福岡市内で開催(開催地の変遷については後述)。第9回(1955年)から第19回(1965年)までの大会は『朝日国際マラソン』、第20回(1966年)から第27回(1973年)までの大会は『国際マラソン選手権大会』、第28回(1974年)以降の大会は『福岡国際マラソン選手権大会』として開催されていた。また、第21回(1967年)以降の大会では、開催日は12月の第1日曜日[注 2] に固定されていた。

1960・1970年代のレースでは、男子フルマラソンの世界最高記録が2回誕生している。当時は、世界屈指の高速コースに世界トップクラスのランナーが集うハイレベルのエリートマラソン大会として、「非公式の世界選手権大会」とも呼ばれていた。2020年10月には世界陸連から「陸上世界遺産(Heritage Plaque)」に認定されている[1]

2021年12月5日に開催の第75回大会で終了[2]。終了の時点では、平和台陸上競技場福岡市中央区)にスタート・ゴール地点、福岡市東区香椎に折り返し地点、福岡市西南部を周回するルートで42.195 kmのコースを設定していた。これに対して、終了時点での主催団体だった日本陸上競技連盟福岡県一般財団法人福岡陸上競技協会は、上記のコースを活用しながら運営体制を一新した後継大会(正式名称は前身大会の略称でもあった『福岡国際マラソン』)を2022年から12月の第1日曜日に開催している[3]。このような事情から、本ページでは便宜上、2021年までの大会を「第1期」、2022年以降の大会を「第2期」として区別する。

なお、開催地の福岡市内にある博多駅前の博多口広場には、歴代優勝者の足型とサイン入りのプレートが埋め込まれている。
大会の概要と変遷第9回大会の廣島庫夫(1955年)
概要
第1期(1947 - 2021年)

日本で「マラソンの父」と言われた金栗四三の功績を称える目的で、『金栗賞朝日マラソン』として、1947年に金栗の出身地である熊本県で第1回大会を開催[4]。以下に記す大会の通算回数も、この年の『第1回金栗賞朝日マラソン』から起算している。

1954年の『第8回朝日国際マラソン』は、外国籍のランナーを招待したことによって、日本国内では初めての国際マラソン大会として神奈川県内鎌倉市横浜市戸塚区にまたがるコース)で開催された[5]

大会の通算回数については、1955年から1989年まで、『第1回国際マラソン選手権大会』を基準に置いていた。1990年以降の大会では、大会の長い歴史と伝統を前面に押し出すべく、『第1回金栗賞朝日マラソン』からの通算回数に変更している。このような事情から、1989年の大会は「第24回福岡国際マラソン選手権大会」、翌1990年の大会は「第44回福岡国際マラソン選手権大会」として開催された[6][7]

男子マラソンの日本選手権対象レースの1つで、東京マラソン1981年から2006年までは東京国際マラソン)とびわ湖毎日マラソン2021年まで2月上旬の日曜日に開催)との持ち回り方式で、3年おきに「日本選手権」として開催[8]。 日本人の男子マラソンランナーからは、上記2大会や北海道マラソン別府大分毎日マラソンと共に、大規模な国際大会(オリンピック世界選手権アジア競技大会など)の代表決定戦として重視されてきた。

もっとも、世界のマラソン大会の潮流は、本大会のような「エリートマラソン」(参加への条件として主催団体が「標準記録」を設定しているエリートランナー主体の大会)からボストンマラソンロンドンマラソンニューヨークシティマラソンのような「大都市型マラソン」(大都市の都心部に設けられたコースをエリートランナーと市民ランナーが一緒に走る大会)へ徐々に移行。日本でも、2007年からびわ湖毎日マラソン直後(2月中旬 - 3月上旬)の日曜日に開催されている東京マラソン(優勝者・上位入賞者に対する高額の賞金や本大会に比べて起伏の少ない高速コースを設定している「大都市型マラソン」)に、広告効果を重視するスポンサーや記録を重視するエリートランナーが集まる傾向が年々強まっている。

さらに、1987年以降からは本大会の約1か月後(翌年の1月1日)にニューイヤー駅伝としてリニューアルした全日本実業団対抗駅伝競走大会が組まれていることから、日本の実業団チームに所属するトップレベルのエリートランナーが本大会より(テレビで全国中継され、かつレースの総距離が長いことから所属先の企業にとって高い広告効果を見込める)ニューイヤー駅伝[注 3] への参加を往々にして優先。このような事情で実力や知名度の高い選手が本大会へ集まりにくくなった結果、本大会は運営面で財政難に陥った。主催団体の日本陸上競技連盟(日本陸連)朝日新聞社九州朝日放送テレビ朝日も本大会を「大都市型マラソン」に転換することを一時模索したが、「数万人のランナーを受け入れられる規模のマラソン大会を福岡市内で開催することは難しい」との結論に至ったことから、本大会を終了することを2021年3月26日に発表。同年12月5日開催の第75回大会で幕を閉じた[9]

なお、びわ湖毎日マラソンも本大会に先んじて、2021年2月28日開催の第76回大会で終了。2022年以降は大阪マラソン2011年から原則として年に1回開催されている「大都市型マラソン」)に設けられている「男子フルマラソンの部」と統合された[2] ため、本大会の終了に伴って、日本国内における男子の「エリートマラソン」は、東京マラソンと大阪マラソンの「男子フルマラソンの部」(2022年のみ「第10回大阪マラソン・第77回びわ湖毎日マラソン統合大会」という名称で開催)に事実上集約された。本大会も福岡マラソン2014年から原則として年に1回11月に開催されている「大都市型マラソン」)に統合することも検討されたが、コースのほとんどが海に面している、風などの気象条件が整いづらく、折り返しではなく福岡市から糸島市のワンウェーであることなどの理由から統合は見送られた(尚、KBCは本大会と福岡マラソン両方の運営及び中継制作を担当している為、統合されたとしても中継への影響や支障は殆どない。)[10]
第2期(2022年以降)

日本陸連・福岡県・福岡県陸上競技協会(福岡陸協)では、前述した「第1期」で培われた大会の価値と歴史を残す方策を模索。福岡県を中心に協賛企業を積極的に募ったところ、新たな運営体制を構築できる目途が立ったことから、「エリートレベル」の男子選手が100名程度参加できる後継大会を2022年から12月の第1日曜日に福岡市内で開催することを同年3月14日に発表した[11]。問題視されていた開催時期については地元から12月開催の継続を望む声が出ていたため変更されることはなかった[12]


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