福井県立恐竜博物館
Fukui Prefectural Dinosaur Museum (FPDM)
リニューアル後の外観(2023年12月17日撮影)
福井県立恐竜博物館(ふくいけんりつきょうりゅうはくぶつかん、英: Fukui Prefectural Dinosaur Museum、略: FPDM)は、福井県勝山市村岡町の長尾山総合公園(かつやま恐竜の森)内にある、恐竜を主たるテーマとした自然史博物館。2000年(平成12年)7月14日に開館[3]、2023年(令和5年)7月14日にリニューアルオープンした[3]。カナダのロイヤル・ティレル古生物学博物館、中国の自貢恐竜博物館と並び、世界三大恐竜博物館と称される[4][5][6]。観覧券は、事前予約購入制。
博物館に程近い勝山市北谷町の手取層群北谷層(英語版)(下部白亜系)からは、恐竜のほか、ワニ、カメ、魚類、淡水生貝類、陸生植物などの化石が産出している[7]。この化石発掘現場は、2014年7月から野外恐竜博物館の一部として、見学することができる。2009年10月に、勝山市全域が恐竜渓谷ふくい勝山ジオパークとして日本ジオパークに認定された[8]。2017年2月には、勝山で発見された5種の新種の恐竜の化石標本とその発掘現場が「学術上重要な標本とその産地として貴重である」と認められ、「勝山恐竜化石群及び産地」として国指定天然記念物(地質・鉱物)に指定された[9][10][11]。
概要メインホール「恐竜の世界」「恐竜の世界」中央に展示されているティラノサウルスの実物大ロボット化石クリーニング室化石発掘体験
2000年に竣工した本館と2023年に増築された新館[3]のほか、2014年に屋外に設けられた野外恐竜博物館などがある[12]。
本館1階には恐竜の全身骨格化石がある[3][12]。この常設展示室は長径84メートル、短径55メートル、広さ4500平方メートル、天井の高さ約37メートルのドーム型の巨大な無柱空間となっている。恐竜の全身骨格化石は2023年のリニューアルで44体から50体に展示数が増やされた[3][12]。この中には、福井県で発掘された5種のうち復元されたフクイサウルス、フクイラプトル、フクイベナートルの全身骨格もある[注 1]。
恐竜の全身骨格の展示のうちカマラサウルスやアロサウルスなど一部は実物の骨の化石を用いて組み上げられている。展示物の『複製』の記載の有無で判別できるほか、博物館配布の利用案内などには実物の説明がある。特にカマラサウルスは、アメリカで発掘された骨を当館でクリーニング作業を行って組み立てたものである[13]。
本館2階は「生命の歴史」ゾーンとなっており、「中生代の海の爬虫類」コーナーには2023年のリニューアルで長さ13mのティロサウルス、翼竜プテロダウストロ、潜水鳥ヘスペロルニスが新たに追加された[12]。
本館の入口に向かって右手には本館よりも一回り小ぶりの銀色のドームの新館が増築された[3][12]。新館には特別展示室があり、高さ9メートル、幅16メートルの画面3面をコの字形に配置した3面ダイノシアターがある[3][12]。新館の一階から三階まで吹き抜けの空間には「恐竜の塔」と呼ばれるシンボルモニュメントが設置されている[12]。新館3階は化石研究体験の体験施設となっている[12]。
地域の学校向けに、恐竜授業をはじめとする学校教育支援プログラムを提供しており[14]、また2013年4月には福井県立大学の附属機関として恐竜学研究所が永平寺町に開設され[15]、福井県立恐竜博物館の研究員らが中心となって、博物館と連携しながら、国際的な学術研究・教育活動や人材交流を推進している。
野外恐竜博物館は化石の発掘現場付近に設けられ、実物化石の展示や発掘現場の観察広場がある。専用バス(恐竜バス)で行くツアーがあり、ここでは発掘現場から掘り出された石を叩いて発掘体験をすることができる。また、発掘調査の歴史と発掘作業のようすや足跡化石などを紹介する映像が流れ、終わると外の発掘現場が見える[16]。野外恐竜博物館は2022年8月4日の記録的大雨により臨時休館となっていたが、2023年7月のリニューアルオープンに合わせて再開した[12]。
付属施設としてダイノライブラリー(図書室)、ショップ、レストランがあり、レストラン内にも化石の展示がある[12]。