『神話』(しんわ)は、大栗裕が作曲した楽曲。 吹奏楽版(1973年作曲)と、管弦楽版(1977年作曲)があり、前者を「吹奏楽のための神話」、後者を「管弦楽のための神話」と呼び、ともに「天の岩屋戸の物語による」という副題をもつ。「吹奏楽のための神話」は1989年に音楽之友社から出版されて以来絶版となっていたが、2013年に原典版が出版され、「管弦楽のための神話」も2016年に原典版が出版された。手書きのフルスコアは、大阪フィルハーモニー交響楽団内の「大栗文庫」所蔵。 朝比奈隆の依頼によって、1977年に上記の版を管弦楽に編曲した。1978年に朝比奈指揮、大阪フィルハーモニー交響楽団の演奏で初演された。 編成表木管金管弦・打 Trianglo,Conga,cymbals, 編成表木管金管打弦 演奏時間は約14分。天岩戸における「岩戸隠れ」の神話を「かなり即物的に」再現したものである。 曲はアダージョで始まり、暗い響きで、天照大神が隠れてしまったことで暗闇に包まれた世界を表わす。暗闇の中に次第に神々が集まってくると、常世長鳴鳥(とこよのながなきどり)の鳴き声が弱音器(ミュート)を付けたトランペットとコルネットのファンファーレで表現される。 打楽器のリズムを合図にテンポを上げてアレグロ・モルトとなり、天宇受売命が踊り、神々がそれをはやし立てるさまを描写する。途中に現れるアンダンテの部分は、天岩戸の中で外を気にし始めた天照大神の姿を描く。再びアレグロとなって踊りが再現されると、戸を開けてしまった天照大神は連れ出される。再びアンダンテとなると、今度は明るい響きとなり、世界が光を取り戻した情景を描いて曲を終える。
概要
基本情報
吹奏楽のための「神話」?天の岩屋戸の物語によるの指揮、同団の演奏により初演された。
管弦楽のための「神話」?天の岩屋戸の物語による
楽器編成
吹奏楽のための「神話」
Fl.2, Picc.Tp.3Cb.●
Ob.2Hr.4Timp.●
Fg.2Tbn.3他Bongo,Tam-tam,Glockenspiel,
Wood Block,Suspended Cymbal,
Snare Drum,Maracas,
Cl.3, E♭, BassEup.●
Sax. Alt. 2 Ten. 1 Bar. 1Tub.●
管弦楽のための「神話」
Fl.2,Picc.Hr.4Timp.●Vn.1●
Ob.2Trp.3他吹奏楽と同じものVn.2●
Cl.2,B.ClTrb.3Va.●
Fg.2,Cfg.Tub.1Vc.●
他他Cb.●
楽曲
参考
大阪市音楽団『ジャパニーズ・バンド・ミュージックIV 大栗裕作品集』(東芝EMI、TOCF-6018)解説(樋口幸弘、1999年)
外部リンク
⇒大栗裕 作品選集 - 出版社サイト
MusicBrainz作品
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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