神宮式年遷宮
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出典検索?: "神宮式年遷宮" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2016年5月)
1953年の第59回内宮式年遷宮(上が新殿舎、下が旧殿舎)

神宮式年遷宮(じんぐうしきねんせんぐう)は、神宮(伊勢神宮)において行われる式年遷宮、すなわち定期的に行われる遷宮のことである。延引された時期も歴史上あったが、20年ごととされている。
概要 第62回式年遷宮に伴い建てられた外宮別宮多賀宮の新旧社殿(2013年) 外宮(豊受大神宮)摂社清野井庭神社の遷宮当日の様子(2017年)

原則として20年ごとに、内宮(皇大神宮)・外宮(豊受大神宮)の2つの正宮の正殿、14の別宮の全ての社殿を造り替えて神座を遷す。このとき、宝殿外幣殿、鳥居、御垣、御饌殿など計65棟の殿舎のほか、714種1576点の御装束神宝(装束や須賀利御太刀等の神宝[1]宇治橋[注釈 1][注釈 2]なども造り替えられる。

記録によれば神宮式年遷宮は、飛鳥時代天武天皇が定め、持統天皇4年(690年)に第1回が行われた[1]。その後、戦国時代の120年以上に及ぶ中断や幾度かの延期などはあったものの、2013年の第62回式年遷宮まで、およそ1300年にわたって行われている。

2005年から第62回式年遷宮の各行事が進行し、2009年に主要な行事である内宮に係る「宇治渡始式」が、2013年には正遷宮(神体の渡御)が斎行された。神宮司庁によると、2013年までの各行事を含む第62回式年遷宮全体の費用は、建築、衣服、宝物の製作を含め約550億円と公表。このうち、330億円が伊勢神宮の自己資金で、220億円が寄付で賄われた[2]
意義 1953年10月5日に行われた外宮遷御の儀(史上初めて写真撮影が許可された) 2013年の式年遷宮による外宮旧社殿(2014年3月撮影)

式年遷宮を行うのは、萱葺屋根の掘立柱建物正殿等が造られているためである。塗装していない白木を地面に突き刺した掘立柱は、風雨に晒されると礎石の上にある柱と比べて老朽化し易く、耐用年数が短い。そのため、一定期間後に従前の殿舎と寸分違わぬ弥生建築の殿舎が築かれる。

を木の塗装に用いるのは縄文時代から見られ、式年遷宮の制度が定められた天武天皇の時代、7世紀頃には、既に礎石を用いる建築技術も確立されていた。現に、この時代に創建(または再建)された法隆寺の堂宇は、世界最古の木造建築としての姿を今に伝えている。

2013年の式年遷宮広報本部は、式年遷宮を行なう理由として、神の勢いを瑞々しく保つ「常若(とこわか)の思想」があると説明している[3]。『延喜式』にも記された20年という間隔の由来については、式年遷宮記念せんぐう館の小堀邦夫館長が糒(ほしい)の貯蔵年限が20年だったことを挙げているほか、20が聖なる数とされていたという見解、古代の暦法宮大工や神宝職人の技術伝承など諸説ある[3]
用材 1985年の伊勢神宮内宮・外宮の御神木伐採跡(長野県上松町赤沢自然休養林

遷宮においては、1万本以上のヒノキ材が用いられる。その用材を伐りだす山は、御杣山(みそまやま)と呼ばれる。

御杣山は、14世紀に行われた第34回式年遷宮までは、3回ほど周辺地域に移動したことはあるものの、すべて神路山島路山[4]高倉山[5]という内宮・外宮背後の山であった。

その後、内宮の用材の御杣山は第35回式年遷宮から三河国に移り、外宮の用材の御杣山は第36回式年遷宮から美濃国に移り、第41回式年遷宮から第46回式年遷宮までは伊勢国大杉谷を御杣山とした。この伊勢国大杉谷は、徳川御三家の一つである紀州徳川家の領地である紀州藩にあった。

しかし、原木の枯渇による伐り出しの困難さから、第47回式年遷宮から、同じ徳川御三家でも尾張徳川家の領地である尾張藩木曽谷に御杣山は移された。以後、第51回式年遷宮のみ大杉谷に戻ったものの、300年以上にわたり木曽谷を御杣山としている。

明治時代には、木曽谷を含む尾張藩の森林は国有化された。明治時代後期から大正時代にかけて、木曽の赤沢をはじめとする地域に神宮備林が設定され、樹齢200年から300年の用材の安定提供を可能とする計画的植林が行われ始めた。


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