神の雫
[Wikipedia|▼Menu]

神の雫
ジャンル
コメディグルメ
漫画
原作・原案など亜樹直
作画オキモト・シュウ
出版社講談社
掲載誌モーニング
レーベルモーニングKC
発表号2004年51号 - 2014年28号
発表期間2004年11月18日 - 2014年6月12日
巻数全44巻
話数全439話
漫画:マリアージュ ?神の雫 最終章?
原作・原案など亜樹直
作画オキモト・シュウ
出版社講談社
掲載誌モーニング
レーベルモーニングKC
発表号2015年26号 - 2020年46号
発表期間2015年5月28日[1] - 2020年10月15日[2]
巻数全26巻
話数全237話
漫画:神の雫?deuxieme
原作・原案など亜樹直
作画オキモト・シュウ
出版社講談社
掲載誌モーニング
レーベルモーニングKC
発表号2023年42号 - 2024年20号
発表期間2023年9月21日[3] - 2024年4月18日[4]
巻数全2巻
話数全21話
ドラマ
原作亜樹直
脚本渡辺雄介
演出中島悟、石尾純
音楽福島祐子中島靖雄
制作AVEC COMPANY
製作日本テレビ
放送局日本テレビ
放送期間2009年1月13日 - 3月10日
話数全9話
ゲーム:神の雫?男と女のモテワイン?
ゲームジャンルワイン恋愛シミュレーションゲーム
対応機種Mobage
稼動時期2011年2月9日 -
ドラマ:神の雫/Drops of God
原作亜樹直
監督オデッド・ラスキン
脚本コック・ダン・トラン
制作Hulu
レジェンダリー・テレビジョン
ダイナミック・テレビジョン
フランス・テレヴィジオン
配信サイトHulu
配信期間2023年9月15日 -
話数全8話
その他米仏日共同制作
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画テレビドラマゲーム
ポータル漫画テレビドラマゲーム

『神の雫』(かみのしずく)は、原作:亜樹直、作画:オキモト・シュウによる日本漫画作品。
概要

2004年に『モーニング』(講談社)で連載を開始。2014年に一度連載を終了したが、2015年26号から2020年46号まで、続編『マリアージュ ?神の雫 最終章?』が連載された。2023年42号から『神の雫?deuxieme(ドゥジエム)』を連載。これらについても本項で説明する。

『十二使徒』と呼ばれるワインの上に立つ『神の雫』と呼ばれるワインを探し出すことが物語の目的であったが、本編では『十二使徒』の謎を解き明かすまでで終わっており、ワイン『神の雫』の探索は続編に委ねられることとなった。

様々なテロワール、幻の醸造法、驚異のビンテージワインが彩る本作は従来のワイン表現方法に則らない、ワイン初心者にも分かり易い独自の表現が受け入れられ人気作となる。闇雲に高級ワインを賛美するのではなく、ワインの評価は天(その年の天候)地(ぶどう畑のテロワール)人(生産者の哲学)を重視し、エピソードによっては作り手の生産スタイルが主題になるほど。コストパフォーマンスに優れたワインも多数紹介されている(入手できるかは別として)。ゴルフより必須のビジネスツールとして日本国外でも人気が高く、特に韓国では200万部を売り上げ、韓国国内のワインブームの火つけ役ともされており、2009年の秋 - 冬にはドラマ化が予定されていた[5][6][7](後に諸事情により白紙化)[8]。また、ワインの本場であるフランスでも「フランス人にとっても知らなかった知識が出てくるマンガ」と絶賛されており[9]アングレーム国際漫画祭2009年公式セレクションにも選定されている[10]。2021年9月時点で世界シリーズ累計発行部数は1500万部を突破している[11]

この漫画が原因で、シャトー・ル・ピュイというボルドーワインの価格が高騰し、出荷元が出荷を停止する事態に発展した[12]

『マリアージュ ?神の雫 最終章?』は、内容こそワインに重きを置いているものの、フランス語で結婚を意味する「マリアージュ」というタイトルの通り、フランスで料理とワインの組み合わせを指す言葉にも使われている「マリアージュ」がテーマとなっている。

2009年1月から3月まで、日本テレビ火曜ドラマ』枠で連続ドラマ化された[5][6]

2009年7月、料理本のアカデミー賞と言われるグルマン世界料理本大賞の最高位の賞である殿堂をパリで受賞した[13]

2010年1月、フランスのワイン専門誌「ラ・ルビュー・ド・バン・ド・フランス」が「今年の特別賞」(最高賞)に原作者の亜樹直と作画のオキモト・シュウを選出。ワインの宣伝に貢献したとして評価された。最高賞に日本人が選ばれたのは初めて[14]

2023年4月より米仏日共同制作の連続ドラマとして動画配信サービスHuluおよびApple TV+にて配信[15]
あらすじ
神の雫

ボルドーのグレートヴィンテージである1982年から22年が経った[16]2004年、フランス料理店でソムリエ見習いとして働く紫野原みやびは、ワインの知識に関する間違いを指摘したことで客の機嫌を損ねてしまった。だが、その客の連れとして来ていた青年が、神業のようなデキャンタージュによってみやびの窮地を救った。彼こそは世界的なワイン評論家である神咲豊多香の息子、神咲雫であった。

翌日、神咲雫は営業部から新設のワイン事業部への異動を命じられた。父親が著名なワイン評論家であることを会社に見込まれたからであったが、雫はそんな父親に反発していたため、デキャンタージュの腕とは裏腹に、実はワインに関してはまったくの素人であった。

そんな時、突然の父親の訃報が届いた。豊多香の遺言を受け取った雫であったが、その内容は驚くべきものであった。遺言には、彼が選んだ12本の偉大なワイン『十二使徒』と、その頂点に立つ『神の雫』と呼ばれる幻の1本が、心象風景の表現によって記されてあった。そして、この記述が示すワインが、何年作の何というワインなのかを、1年という期限ですべて当てた者に、遺産である至高のワインコレクション全てを譲渡するというものであった。そこに死の直前に豊多香の養子として迎えられた天才ワイン評論家、遠峰一青が現れ、遺産を巡って雫と勝負することを告げられた。

ワインに興味のなかった雫は遺産を放棄しようとしたが、その後のワインとの出会いを通じてワインに魅せられ、『神の雫』を見つけ出すことを決意する。父親譲りの神懸かり的な嗅覚と感性を武器に、『神の雫』『十二使徒』の正体と、そこに込められた謎に迫ってゆく。
マリアージュ ?神の雫 最終章?

『十二使徒』探しを終えた末、さらなるワインへの探求のために海外へと旅立った神咲雫。日本へ戻るも住所不定の本人曰く「宿無しワインルンペン」の身であった彼は置き引きにあって文無しになったが、洋風居酒屋「ママミーヤ」の好意に甘える形で住み込みで働くことになった。そこで雫は店のワインに対する扱い方の違い、そしてワインと料理との組み合わせが結婚と同じで組み合わせ次第で人を幸福にすることもあれば不幸にすることもある「マリアージュ」を説き、大手チェーン店の進出で閑古鳥が鳴いていたママミーヤを立て直す。

その一方で、かつて神咲豊多香の遺言公開に始まる『十二使徒』探しが終了した後、いまだ始まっていなかった『神の雫』探しはこれを司る、かつて豊多香と彼と共にワインに魅せられていた人々からなる「神の雫騎士団」の手で、ついにその幕を上げようとしていた。
神の雫?deuxieme

「神の雫」を巡る神咲雫と遠峰一青の死闘から時は過ぎ、舞台はパリのボン・マルシェへ。

ワインを巡る終わることのない旅が再び幕を開ける。
登場人物
神の雫
神咲 雫(かんざき しずく)
主人公。ビール会社・太陽ビールの社員。世界的なワイン評論家である父親から、幼い頃よりワインの英才教育を受けてきたが、そんな父親に嫌気が差しビール会社に就職した。新設のワイン事業部に異動となり、仕事の一環として「神の雫」を探すことを許される。未開封のワインの中身を判別できるほど嗅覚は敏感で、表現力と感覚も父親譲りの優れた才能を持っている。一方でワインに関する知識は、ワイン事業部に配属されて以降勉強しているものの、未だ素人同然である。ただし、父に世界中を連れ回され、様々な体験や教育を受けてきたことから、芸術や文化には非常に詳しい。ワインは飲むことが重要だと考えており、どのような状況にあっても楽しみながら飲む。単純でお調子者だが、二枚目な容姿と真剣な姿勢から複数の女性から好意を寄せられる。しかし女心には超鈍感なため常に女性側の一人相撲となる。人生で初めて飲んだワインは
シャトー・モン・ペラである[17][注 1]
紫野原 みやび(しのはら みやび)
仏料理店で働くソムリエ見習い。豊富な知識があり、テイスティングの才能も持ち合わせるが、資格試験にはなかなか合格できないでいる。アドバイザーとして太陽ビールに契約社員として雇用される。ワインの知識に乏しい雫をサポートしているが、雫には頻繁に「頭でっかち」呼ばわりされる。雫とはいつも一緒に行動しており、特別な感情も抱いている。酔っ払うと男を部屋に連れ込む癖があり、作中では、度々セクシーショットが披露されている。
神咲 豊多香(かんざき ゆたか)
雫の父親。世界的なワイン評論家。世界有数のワインコレクターで、所有するワインの市場価格の総額は20億円相当と言われる。膵臓癌で死亡し、ある遺言を残す。作中ではロバート・パーカーに並ぶ世界的ワイン評論家とされており、ワイン関連の著作もあり、市場価格にも影響を及ぼしていた。評論家の枠にとどまらず、リリース前のワインのテイスティングノートを書く天才的味覚・嗅覚を生かしてワイン醸造のコンサルティングも行っていた。若い頃にワインの先物取引(先物価格でワインを購入し、価格が上がったら転売して利ざやを稼ぐ投機的ワイン売買)で財産を築く。
遠峰 一青(とおみね いっせい)
若きカリスマワイン評論家。神咲豊多香のワインコレクションが欲しいがために、養子縁組をし、雫とともに遺言を受ける。雫のライバル。非常にプライドが高く度々傲慢な態度をとるが、日夜テイスティングの腕を磨き続ける努力家でもあり、「ワインへの渇望」を高めるためにタクラマカン砂漠に行ったり、遺言状の記述を理解するために遊園地を一つ借り切るなど、ワインに人生を捧げている。決してワインに嘘をつかず、雫の利になるとしても評価を曲げることはしない。ワインのテイスティングに際して、一種のトランス状態になりながら「おお、おおお」と唸る癖がある。神の雫選定後、膵臓癌で死亡する。実は仄香と豊多香の間に生まれた私生児であり、雫の異母兄に当たる。この事を知っているのはごく一部であり、雫やセーラはこの事を知らない。
クリストファー・ワトキンス
アメリカ人。父親の命により、第九の使徒より参戦する。第一から第八までの使徒を遺言状の記述を聞いただけで当てられる程の才能を持つが、第九の使徒の決選場で「豊多香の記述をなぞっただけ」という点をロベールに指摘され、自分探しの旅に出る。みやびに惚れているが、彼女からは煙たがられている。また、雫をみやびに対する恋敵と認識するが、雫はその事に全く気付いていない。
霧生 涼子(きりゅう りょうこ)
弁護士。神咲豊多香の遺言作成にも立ち会い、氏の残したワインの管理と相続に関する全てを任されている。
藤枝 史郎(ふじえだ しろう)
ワインバー「モノ・ポール」のオーナーソムリエ。みやびの師匠。雫達の良き相談相手。「オーパス・ワン」や「カロン・セギュール」などの高級ワインをおごりで客に出すなど、非常に気前が良い。若い頃は共産主義に傾倒し、学生運動にのめり込んでいた。
美島 壮一郎(みしま そういちろう)
みやびの勤めていたレストランチェーンのオーナー。在庫を抱えないために高級ワインのオーダーが入ったら近所の酒屋に買いに行くよう指示したり、ひたすら利益を追求するタイプの経営者で周囲からはビジネスの鬼と評されていた。過去の恋人とよりを戻したことをきっかけに穏やかで寛大な性格となる。
西園寺 マキ(さいおんじ マキ)
西園寺コーポレーション・SAIONトレーディング社長。ワインの輸入販売などを行っており、一青のパトロンである。雫が使徒勝負から降りるよう罠にはめたり、ローランを一青から引き離そうと画策するなど、目的のためなら手段を選ばない性格だが、ワインに関する貴重なコネを持つ。一青の心をも手に入れようとしている。【神の雫】第44巻の表紙では、主要人物の中でただ一人登場していない。
土肥 ロベール(どい ロベール)
日仏ハーフ。神咲豊多香の旧友で、最も信頼されていた。現在はいわゆるホームレスで、公園のダンボールハウスに「シャトー・ロベール」と名付けて住んでいる。住んでいる公園は彼の私設のもので、ダンボールハウスで暮らしてはいるものの、数十億円の資産があるらしい。雫と一青の戦いの立会人。使徒の記述を聞いただけで正体を理解するほどの経験と才能、有名シャトーにも口利きできるほどの権威を持つ。口癖は「それもまたワインじゃ」。
セーラ
一青の異父妹であり、売れっ子モデル。日仏ハーフ。5歳で初めてワインを飲み、12歳で普通に飲むようになり、14歳でワインの虜になり、ワインの知識も豊富。みやびから「マダム・ルロワのよう」と評される。太陽ビールのCMモデルであったことから雫とも交流するようになるが、一青の妹であることは隠し、使徒探しの進行状況などを密かに探っては一青に報告している。
河原毛(かわらげ)
ワイン事業部の部長。常にまったりしており存在感が薄いが、ワインへの愛情と知識には並々ならぬものがあり、部下からの信頼は厚い。ワイン事業部は河原毛の上層部への熱心な働きかけによって発足した。
本間 長介(ほんま ちょうすけ)
ワイン事業部の一員。昔フランス人女性に振られたことが原因で、イタリアワイン一辺倒になる。筋金入りのワインオタクであり、自宅マンションのスペースのほとんどをワインの保管に当てている。父と母はすでに他界している。モデルはシニアワインアドバイザーの本間敦[18]
木戸 竜介(きど りゅうすけ)
ワイン事業部の一員。一番の年下。元々は宣伝部希望だった。最初はワインを馬鹿にしていたが、それは研修後に配属となった部署で教育係を担当した年上の女性社員への苦手意識からだった。しかし、次第にワインの美味さと奥深さにのめり込み、件の女性社員ともうまくいくようになった。そして、今はフランスやイタリア以外でも安くて美味いワインを数多く日本に広める事が夢となっている。やがてスペインワインに目覚め、同国のワインを広めようとしていく。
キルギス・ローラン[注 2](ローラン・ワトキンス)
第2の使徒探しの際、一青がタクラマカン砂漠で出会った中国新疆ウイグル自治区出身の女性。名前の由来は楼蘭で、母親が日本人。ワインに関しては無知であったが、砂漠に埋もれていたワインを見つけるなど、雫に匹敵する嗅覚を持つ。一青に日本へ招かれ、一青の使徒探しに協力する。しかし西園寺マキの策略により、一青から引き剥がされてしまった。その後渡仏。クリストファーの父チャールズ・ワトキンスの養子となり、パリで一躍天才テイスターとしての地位を築き上げる。一青への愛のために彼を越えようと心に決めている。
石河 順也(いしかわ じゅんや)
みやびの中学校・高校時代の友達。入院中の父親に代わりワインショップを営む。一橋大学卒。双子の兄。「ワインは作り手で決まる」がポリシーだった。
石河 健也(いしかわ けんや)
同上。双子の弟。優秀な兄と違い元暴走族で、高校も中退した。「ワインは畑で決まる」がポリシーだった。
高杉 亮(たかすぎ りょう)
みやびの中学時代の同級生で、初恋の相手。実家のスーパーが急成長したため、名家の子息が通う学校に転校した。しかし、そこで価値観を否定されるほどの衝撃的な体験をし、ブランド至上主義に傾倒した。だが、みやびと雫達ワイン事業部の力によりかつての自分を取り戻した。スーパーの中国進出を社長である父親から任されたため、同級生の妹である田中萌黄にプロポーズし、共に中国へ行った。
田中 萌黄(たなか もえぎ)
高杉に好意を持っていた女性。己に自信がなく内向的な性格だったため、みやびが高杉と引き合わせた。高杉とパーティーに参加した際、高杉の見合い相手が萌黄に恥をかかせようとして、目隠し試飲コンテストに強制的に参加させられたが、ワインの本質を見抜き、遠峰に称賛された。高杉のプロポーズに応え中国へ渡る。
遠峰 仄香(とおみね ほのか)
一青とセーラの母親。フランス有数のワインテイスターで航空会社の取締役夫人。一青と雫の勝負では中立の立場に身を置いている。一青が幼い頃、雪山で彼を殺そうとした。
ルパンのおばちゃん
物語最初期、雫が立ち寄ったグラスワイン店でであった年配女性。ワインに精通している。太陽ビールワイン事業部主催の試飲会に訪れたときに太陽ビール重役や河原毛部長らが示した言動からどうやら太陽ビールに関係しているらしい。実は大株主。雫の回想で太陽ビールへの就職を父・豊多香に報告したときの父の態度からもルパンおばさんは生前の豊多香とも交流があった模様。ロベールのダンボールハウスに訪れてワインを飲む仲でもある。
マリアージュ ?神の雫 最終章?


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:97 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef