硫酸ジメチル
IUPAC名
硫酸ジメチル
別称Me2SO4、DMSO4、DMS
識別情報
CAS登録番号77-78-1
?32 °C
沸点
188 °C 分解
水への溶解度水と反応
溶解度メタノール, ジクロロメタン, アセトン
危険性
主な危険性毒性, 接触毒性, 吸入毒性, 腐食性, 環境毒性, 発癌性, 突然変異原
RフレーズR45, R25, R26, R34,
R43, R68
SフレーズS53, S45
関連する物質
関連物質硫酸ジエチル, トリフルオロメタンスルホン酸, 炭酸ジメチル
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
硫酸ジメチル(りゅうさんジメチル、dimethyl sulfate)は化学式 (CH3O)2SO2 で表される化合物で、硫酸のジメチルエステル。結合様式を表現せずに (CH3)2SO4 あるいは Me2SO4 とも表記する。
強力なメチル化剤として有機合成で広く使われる試薬のひとつで、塩基の存在下、アルコールを容易にメチルエーテルへと変換することができる。
標準状態においては無色の油状液体であり、タマネギに似た弱い悪臭を持つ。実験室での利用はトリフルオロメタンスルホン酸のメチルエステルである CF3SO3CH3 に置き換えられつつある。
腐食性・発癌性が強く、皮膚などに付くと危険であるため、防護手袋を着けるなど取り扱いには十分な配慮が必要である。 1800年代初頭ごろ、不純な形ではあるが発見されている。その後、硫酸ジメチルの調製法はクラーソンによって広く研究された[1]。 実験室的な製法は数多く知られている[2]。メタノールと硫酸の反応 2 CH 3 OH + H 2 SO 4 ⟶ ( CH 3 O ) 2 SO 2 {\displaystyle {\ce {{2CH3OH}+ H2SO4 -> (CH3O)2SO2}}} あるいは硫酸水素メチルの蒸留によって得られる[1]。 2 CH 3 HSO 4 ⟶ H 2 SO 4 + ( CH 3 O ) 2 SO 2 {\displaystyle {\ce {{2CH3HSO4}-> {H2SO4}+ (CH3O)2SO2}}} 亜硝酸メチルとクロロスルホン酸メチルの反応によっても合成できる[1]。 CH 3 ONO + ( CH 3 O ) SO 2 Cl ⟶ ( CH 3 O ) 2 SO 2 + NOCl {\displaystyle {\ce {{CH3ONO}+ {(CH3O)SO2Cl}-> {(CH3O)2SO2}+ NOCl}}} アメリカ合衆国においては1920年代から工業的に製造されている。一般的な過程はジメチルエーテルと三酸化硫黄の連続的反応である[3][4]。 ( CH 3 ) 2 O + SO 3 ⟶ ( CH 3 O ) 2 SO 2 {\displaystyle {\ce {{(CH3)2O}+ SO3 -> (CH3O)2SO2}}}
歴史
製造