硫酸カリウム
アルカナイト (K2SO4)
IUPAC名
Potassium sulfate
別称硫酸カリウム
硫酸カリ
硫加
識別情報
CAS登録番号7778-80-5
1069 °C, 1342 K, 1956 °F
沸点
1689 °C, 1962 K, 3072 °F
水への溶解度111 g/L (20 °C)
120 g/L (25 °C)
240 g/L (100 °C)
溶解度グリセロールにわずかに溶ける。
アセトン、アルコール、二硫化炭素には溶けない。
構造
結晶構造斜方晶系
危険性
安全データシート(外部リンク)ICSC 1451
⇒External MSDS
EU IndexNot listed
主な危険性Irritant
RフレーズR22
SフレーズS36
引火点不燃性
半数致死量 LD506600 mg/kg
関連する物質
その他の陰イオンセレン酸カリウム
テルル酸カリウム
その他の陽イオン硫酸リチウム
硫酸ナトリウム
硫酸ルビジウム
硫酸セシウム
関連物質硫酸水素カリウム
硫化カリウム
亜硫酸水素カリウム
過硫酸水素カリウム
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
硫酸カリウム(りゅうさんカリウム、potassium sulfate)は化学式 K2SO4 の無機化合物である。硫酸カリ、硫加(リュウカ)とも呼ばれる。不燃性の白色結晶塩で、水には溶けるがアルコールには溶けない。天然にはアルカナイトとして存在するが、これは存在度の低い鉱物である。工業的には塩化カリウムを硫酸と熱するか、キーゼリット(硫酸マグネシウム鉱石)と塩化カリウムの複分解によってつくる。カリウムと硫黄を提供することから、化学肥料として広く使われている。 14世紀初期の時点で硫酸カリウムは発見済みであった。当時、グラウバー、ボイルやタケニアスが検討している。17世紀、酸性塩とアルカリ塩の混合物としてarcanuiあるいはsal duplicatum と名付けられていた。医薬品としてグラゼルが調合・処方して以降はvitriolic tartar and Glaser's saltやsal polychrestum Glaseriとしても知られていた。 ミョウバンの原料とされ、またカリ肥料として重要である。吸湿性は低く保存や配合時に取り扱いやすいという利点がある[2]。配合肥料のカリウム源としてよい。土壌酸性化の度合は塩化カリウムより低い。 淡灰白色-淡黄白色の結晶で、肥料として日本で使用されている硫酸カリウムは、水溶液性カリ K2O を48-50%を含有[3](カリウム保証成分 50 %)する物がほとんどである。一方、塩化カリウム(略称 塩加、エンカ)はカリウム保証成分 60 % のものが主流である。 化学肥料のカリウム源としては、硫酸カリウムと塩化カリウムがほとんどである。他にもサルポマグ(硫酸カリ苦土)、水酸化カリウム、硝酸カリウム、炭酸カリウム(草木灰における主なアルカリ分)などが使用されるが、価格が高いため、化学肥料としては使用量が少ない。 硫酸カリウムは塩化カリウムよりも高価である(成分価で 10 % 程度)。しかし、畑作物に使用した場合、肥料としての効果が塩化カリウムと比べると優れており(イモにおいては塩化カリウムの様に筋っぽくならない等)、農家での使用が多い。
歴史
用途