硫酸アルミニウム
IUPAC名硫酸アルミニウム
別名アラム、硫酸ばんど[1]、礬土など
組成式Al2S3O12, Al2(SO4)3
式量342.14 g/mol
形状無色結晶
CAS登録番号[10043-01-3]
密度と相2.71 g/cm3, 固体
水への溶解度87 g/100 mL (25 °C)
融点770 °C(分解)
出典ICSC
硫酸アルミニウム(りゅうさんアルミニウム、Aluminium sulfate)はアルミニウムの硫酸塩で、化学式 Al2(SO4)3·16H2O で表される無機化合物。 比重1.96の無色の針状結晶。熱すると泡をだして結晶水を失い無水塩 Al2(SO4)3 (比重2.71)となる。水に可溶。工業的にはボーキサイト、粘土などを硫酸で処理してから不純物を除いて作る。鉄イオンを含まない高純度品は精製水酸化アルミニウムを硫酸に溶解させて製造する。 水溶液から結晶化する際?19–95 °Cで16水和物が得られるが、他にも27、18、10、6水和物も知られている。 水酸化アルミニウムと硫酸の反応で16水和物が得られる。 2 Al ( OH ) 3 + 3 H 2 SO 4 + 10 H 2 O ⟶ Al 2 ( SO 4 ) 3 ⋅ 16 H 2 O {\displaystyle {\ce {{2Al(OH)3}+{3H2SO4}+10H2O->Al2(SO4)3\cdot 16H2O}}} 硫酸アルミニウム(14 %固形換算値)の2016(平成28)年度日本国内生産量は 573680 t、工業消費量は 92723 t[2]。 水の浄化剤(凝集剤)、食品添加物[3]、皮なめし剤、媒染剤、レーキ顔料の製造、製紙用の定着剤(歩留向上剤)やピッチコントロール剤、医薬(収斂剤)などに広く用いられているほか、化学泡消火器、コンクリートの硬化促進剤や殺ナメクジ剤などにも使用される。 製紙用薬品として重要であるが、硫酸アルミニウムを使用した紙には硫酸根が残り、これによって紙の酸性度が高まるため酸性紙と呼ばれ、数十年で劣化しやすく、長期保存上の問題が生じることがあるほか、塗工紙をリサイクルして原料とした場合、表面に塗工されている炭酸カルシウムと反応して硫酸カルシウムが生じ、装置にスケールと呼ばれる石膏状の付着物を生じさせる問題もある。
概要
合成・製造
用途
脚注^ JIS K 1423「硫酸アルミニウム(硫酸ばんど)」(日本産業標準調査会、経済産業省)
^ 経済産業省生産動態統計年報 化学工業統計編
^ 硫酸アルミニウムカリウム(カリウムミョウバン)や硫酸アルミニウムアンモニウムとして。硫酸アルミニウムカリウムと硫酸アルミニウムアンモニウムの用途の解説
参考文献
水町 邦彦、「硫酸アルミニウム」、『世界大百科事典』、CD-ROM版、1998年。
関連項目
消火器 - 化学泡消火器に用いられる
発泡剤
酸性紙 - 硫酸アルミニウムを定着剤として製造した紙
カリウムミョウバン - 硫酸アルミニウムと硫酸カリウムとの複塩で、ミョウバンの1つ。
表
話
編
歴
アルミニウムの化合物
Al(I)
AlCl
AlF
AlI
Al2O
Al(II)
AlB2
AlB12
AlO
Al(III)
AlAs
Al(BH4)3
AlBr3
Al2(C2)3
Al4C3
AlCl3
Al(CN)3
AlF3
AlH3
AlI3
AlN
Al2O3
Al(OH)3
AlO(OH)
AlP
Al2S3
AlSb
Al2Se3
Al2Te3
オキソ酸塩
Al(ClO3)3
Al(ClO4)3
Al(C5H7O2)3
Al2(CO3)3
Al2(FeO4)2
AlK(SO4)2
Al(MnO4)3
Al2(MoO4)3
AlNa(SO4)2
Al(NH4)(SO4)2
Al(NO3)3
AlPO4
Al2(SeO4)3
Al2(SiO3)3
Al2(SO4)3
Al2(WO4)3
有機アルミニウム(III)化合物
(Al(CH3)3)2
(Al(C2H5)3)2