硝酸鉄(III)九水和物
IUPAC名
硝酸鉄(III)
識別情報
CAS登録番号10421-48-4
47.2 °C (脱水)
125 °C (分解)
アルコール、アセトンへの溶解度可溶
構造
結晶構造単斜晶系(九水和物)
配位構造八面体形
熱化学
標準生成熱 ΔfHo?3285.3 kJ mol?1(九水和物)[1]
危険性
安全データシート(外部リンク) ⇒External MSDS
主な危険性酸化剤 (O)
刺激性 (Xi)
RフレーズR8, R36/38
SフレーズS26
関連する物質
関連物質塩化鉄(III)
硫酸鉄(III)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
硝酸鉄(III)(しょうさんてつ(III)、Iron(III) nitrate)は、化学式Fe(NO3)3で表される化合物である。硝酸第二鉄ともいうがこの呼び方は推奨されない。一般的なのは、無色に近い紫色の単斜晶系結晶の九水和物で、条件によっては無色の立方晶系結晶の六水和物も析出する。目次 九水和物は化学式 [ Fe ( H 2 O ) 6 ] ( NO 3 ) 3 ⋅ 3 H 2 O {\displaystyle {\ce {[Fe(H2O)6](NO3)3\cdot 3H2O}}} の化合物。CAS登録番号は[7782-61-8]。鉄を濃硝酸で溶解させると得られる。潮解性があり、水に溶けやすい。融点 47.2℃ 。水への溶解度は0℃で67.1g、25℃で87.2g(いずれも無水物換算値)。潮解性が著しく,空気中で褐色の液体となる。褐色化するのは加水分解により、一部塩基性硝酸鉄を生じているためと考えられる。加熱すると50℃以上で硝酸が分解により発生し、赤熱すると水および酸化窒素を発して酸化鉄(III)Fe2O3となる。水,エタノール,アセトンに易溶。紫外線照射で分解し、酸素を発して硝酸鉄(II)を生成する。媒染剤,絹の増量剤,なめし剤,分析試薬等に用いられる。 六水和物は九水和物を発煙硝酸に飽和させて五酸化二窒素を作用させる方法や、融解させた九水和物に無水硝酸を加える方法で得られる。融点 35 - 40℃ 。潮解性が著しく水、エタノール、アセトンに易溶なのは九水和物と同じである。
1 九水和物
2 六水和物
3 出典
4 関連項目
九水和物
六水和物
出典
近藤幸夫「硝酸鉄」『世界大百科事典』CD-ROM版、平凡社、1998年。
「硝酸鉄」『岩波理化学辞典』第5版 CD-ROM版、岩波書店。
化学便覧 基礎編II、改訂4版、8.8 溶解度、丸善、1993年。
^ D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982).
関連項目
硝酸鉄(II)
表
話
編
歴
鉄の化合物
二元化合物
FeBr2
FeBr3
Fe3C
FeCl2
FeCl3
FeF2
FeF3
FeH2
FeH3
FeI2
FeI3
FeN
Fe3N
Fe3N2
Fe(N3)2
FeO
Fe2O3
Fe3O4
FeS
FeS2
Fe2S3
Fe3S4
FeSe
Fe2Se3
FeSi2
三元化合物
Fe(C5H5)2
Fe(ClO3)3
Fe(ClO4)2
Fe(ClO4)3
Fe(CN)2
Fe(CN)3
FeCO3
Fe(CO)5
FeC2O4
Fe2(CO3)3
Fe2(CO)9
Fe2(C2O4)3
Fe3(CO)12
Fe2(CrO4)3
Fe2(Cr2O7)3
Fe5(IO6)2
FeMnO4
FeMoO4
Fe(NO3)2
Fe(NO3)3
Fe(OH)2
Fe(OH)3
FeO(OH)
FePO4
Fe3(PO4)2
FeSeO4
FeSO3
FeSO4
Fe2(SO4)3
H2FeO4
BaFeO4
K2FeO4
Fe(IO3)2
Fe(IO3)3
FeWO4
四元・五元化合物
[Fe(C5H5)2]BF4
Fe(CH3COO)2
Fe(CH3COO)3
Fe(HCOO)2
Fe(OCN)2
Fe(SCN)2
Fe(SCN)3
H3[Fe(CN)6]
H4[Fe(CN)6]
(NH4)2Fe(SO4)2
一覧
カテゴリ
更新日時:2020年5月10日(日)10:42
取得日時:2020/07/25 18:50