破裏拳ポリマー
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破裏拳ポリマー
ジャンルSFヒーローアクション
アニメ
原作
吉田竜夫タツノコプロ企画室
総監督鳥海永行
キャラクターデザイン吉田竜夫、天野嘉孝
メカニックデザイン中村光毅大河原邦男
音楽菊池俊輔
アニメーション制作タツノコプロ
製作NETテレビ、タツノコプロ、萬年社
放送局NETテレビ
放送期間1974年10月4日 - 1975年3月28日
話数全26話
OVA
原作タツノコプロ
監督新房昭之
脚本柿沼秀樹
キャラクターデザイン梅津泰臣
メカニックデザイン石浜真史
音楽矢野立美
アニメーション制作タツノコプロ
製作コロムビアエデュテインメント
日本コロムビア
発表期間1996年9月21日 - 1997年2月21日
話数全3話
テンプレート - ノート
プロジェクトアニメ
ポータルアニメ

『破裏拳ポリマー』(はりけんポリマー、英語: HURRICANE POLYMAR)は、NET日本教育テレビ(現テレビ朝日)系で放送されたテレビアニメ。全26話。

関東地方での放送期間・時間は1974年(昭和49年)10月4日から1975年(昭和50年)3月28日まで、毎週金曜日18時00分 - 18時30分の時間帯。

同時ネットではなかったため、地域によって放送期間・時間は異なる。

2017年、溝端淳平の主演で実写映画化[1]
概要

1974年の前期に終了した『科学忍者隊ガッチャマン』『新造人間キャシャーン』に続いて製作されたタツノコSFアクションヒーロー第3弾。1973年ブルース・リー主演の『燃えよドラゴン』が大ヒット、カンフーブームが巻き起こった影響を受けて、本作の主人公の顔はブルース・リーをモデルにしたものになり、アクションの際のかけ声もブルース・リーを意識したものだった。演じた曽我部和恭(当時・曽我部和行)は、ブルース・リー風にとの注文を受けて、ブルース・リーの映画を何回も見に行ったという[2]

ドラマはそれまでのシリアス路線とは打って変わってコメディ調。舞台となる都市名が実在の名称をない混ぜにした「アメホン国ワシンキョウ市」とされているように、無国籍的な世界観を強調している。1話ごとに交代する敵の集団も非常にポップで奇妙な感覚のデザインであり、ライトなアメコミ調の感覚を醸し出している[3]。企画担当スタッフの鳥海尽三は本作を時代劇『遠山の金さん』の世界と端的に評した[4]。企画の発想には他にも『鞍馬天狗』があるという[5]

1996年には、『新造人間キャシャーン』、『科学忍者隊ガッチャマン』に続いてOVAでリメイクされた。また、1981年タイムボカンシリーズ第5作『ヤットデタマン』は設定に似通った部分が散見され、主演声優も同じ曽我部であるなど、当作品へのオマージュあるいはセルフパロディの性格を持っていた[6]

なお本作は、タツノコプロ創業者・吉田竜夫が原作者としてもクレジットされている作品としては、吉田の生前最後の作品となった。本作以後のタツノコオリジナルアニメは、吉田竜夫製作作品でも原作者は「タツノコプロ企画室」になっている。

漫画版は、石原光二が作画のサン企画のエース・ファイブ・コミックスの全2巻の単行本と『冒険王』に連載された広岡球志の作画によるものがある。
ストーリー

アメホン国ワシンキョウ市にある国際警察庁本部の向かいに、自称「二代目シャーロック・ホームズ」の三流ヘボ探偵・車錠を探偵長とする車探偵事務所があった。所員は国際警察の無線を傍受してちゃっかり情報をくすねること以外は当てにならない新米助手の鎧武士、そして車に3年分の家賃を滞納されているNo.1ビルのオーナー美少女・南波テルに、車の飼い犬だが彼をバカにしている元警察犬の老犬・男爵。

そんな武士には秘密がある。1つは彼の正体は国際警察の鬼河原長官の息子・武である事、もう1つは彼が肌身離さず被っている赤いヘルメットである。一見普通の乗車用に見えるこのヘルメットは「ポリメット」といい、かつて驚異の重化合物質「ポリマー」を発明したオレガー・スッテル博士が製作したもので、人間の体を覆うように物質を変化させて6つの形態に"転身"するシステムを内蔵している。「ポリメット」の悪用を企む犯罪結社鬼トカゲ団に襲われた博士は、臨終の際に武士にポリメットを託し犯罪防止のためにこそ使われる事を期待した。

最終回と前回の2部作である最終エピソードでは武士が実は武であると探偵長に知られてしまい、しかも転身しなければならないピンチに追い込まれる。
登場人物
車探偵事務所
鎧 武士(よろい たけし)
- 曽我部和行本作の主人公。普段は車探偵事務所の見習い助手として国際警察の無線を傍受する事くらいしか出来ない三枚目だが、時々明晰な推理を繰り出す。鎧武士という名は偽名であり、その素性は国際警察の鬼河原長官の息子である「鬼河原 武(おにがわら たけし)」。実際は頭脳明晰かつ柔道三段・空手三段の腕前を持つ格闘技の達人であり、密かに「破裏拳ポリマー」に転身して戦う。劇中の1年前に何度か鬼トカゲ団に襲われていたが国際警察が動かなかったオレガー・スッテル博士の身辺調査中に鬼トカゲ団の襲撃に遭遇し、瀕死のオレガー博士を救い出す。しかし博士は鬼トカゲ団の狙った新発明「ポリメット」を武に託し、自らは研究所と共に炎の中へ消えてしまう。この独断専行をとがめられて父から勘当された。そこで博士の遺志を継ぐため名前を偽って車探偵事務所の助手となり、事件に首を突っ込みたがる探偵長を利用して様々な犯罪者達の情報を集め、ポリメットの力と自ら生み出した格闘技『破裏拳流』を駆使して倒す。行く先々で父が現れると身を隠すように逃げるため、車やテルは海亀党の事件まで長官が父親であることを知らずにいた。海亀党を壊滅し父と和解後は改めて車探偵事務所に戻って来るが、実力を知った車とテルにより新しい探偵長に祭り上げられてしまう。
車 錠(くるま じょう)
声 - 青野武車探偵事務所の探偵長。自称「二代目シャーロック・ホームズ」だが実際は三流ヘボ探偵で、所持しているピストルも実は本物そっくりな水鉄砲。本人のプライドを満たさない依頼を断ってしまうため家賃を三年も滞納している(ただし、依頼自体が3年来ていなかったという台詞も)。事件に無闇に首を突っ込むため、どんな事件も悪化させるトラブルメーカーでもある。18話では冷凍魔・コーリーに「現代のダメ人間代表」に選ばれるなど、悪い意味で評判が広まっている。劇中でも徹底して三枚目だが、水鉄砲に眠り薬を仕込んだり、帽子を投げて武器にする特技などで活躍することもある。ファッションセンスはそこそこだが前歯が何本か欠けている(牛乳の飲み過ぎが原因らしい)ため、「笑わなければ格好がつくのに」と男爵からも呆れられている。三枚目の役立たずと思っていた武がポリマーであることを知り、戻って来た彼を新探偵長に迎えて再出発を果たす。ネーミングは車=しゃ、錠=LOCK。つまり「シャーロック」に引っかけた洒落である。作中の台詞によると故郷は田舎で、実家は酪農業を営む農家「ヒマダナー牧場」であるとのこと。夢オチだったが、第15話で謎の老婆から貰った青いポリバケツ型の「ホラメット」なるヘルメットを被って、ポリマーをも凌駕する力を持った「タイフーンホラマー」という、青いバトルスーツに身を包んだヒーローに転身したことがある。彼の主題歌「タイフーンホラマーの歌」は石原裕次郎が歌う「嵐を呼ぶ男」のパロディソングである。なお、プレイヤーキャラではないが、ホラマーは「タツノコファイト」にもサポートキャラとして参戦している。最終回では「俺はホラマーだぁ…」と車が寝言で呟くシーンもある。
南波 テル(なんば テル)
声 - 落合美穂 / 平松晶子タツノコファイト)車探偵事務所の電話番であり、事務所がある「No.1ビル」のオーナー。家賃を払わない車と武士をいびることもしばしばだが、とにかく冒険やスリル、ハプニングが大好きなために彼らに付き合っている。ポリマーの大ファンで、彼が現れたと聞くとすっ飛んでいく。武士の事は「頭がいいのか悪いのかわからない」とは言っているが、一緒に買い物などに行ったり、探偵長の彼への冷たい態度に怒りを露わにするなど結構親密である。趣味は買い物と着道楽で、ほぼ毎回ちがったファッションを披露。セスナの操縦をこなし看護師(当時は看護婦)の免許を持ち、敵の雑兵相手と互角以上に渡り合える格闘センスの持ち主であり、EDや新OPでもその強さを披露している。また、1度自作のコスプレ衣装(ボリマースーツに似せた衣装)も披露している。コスプレ姿のテルは「タツノコファイト」でプレイヤーキャラとして参戦している。ネーミングは電話番号=テルナンバーからである。
男爵
声 - 立壁和也車の飼い犬で元警察犬のセントバーナード。老齢。セリフはあるが、犬なので劇中の人物たちには聞こえていないことになっている。むささび党の事件で武士が自分の目の前で転身したことからポリマー=武士であることを唯一知っているが、犬であるためにそれを車たちに伝えられず度々もどかしい思いをする。テルにいびられる武士に同情したり、18話のラストでは超低温で変身が解け意識を失った武を自らの体で暖め、さらに最終回には武士のピンチを救うために活躍する。飼い主の車の三枚目ぶりには愛想を尽かしてバカにしており、事件捜査のため酷使されるので不満を(犬語であるが)を呟き、かなりの毒舌。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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