破産
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この項目では、一般用語としての破産について説明しています。遠藤ミチロウアルバムについては「破産 (アルバム)」をご覧ください。
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この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。

破産(はさん)は、一般的には財産をすべて失うことを言う[1]が、法律上の意味での破産とは、債務者が経済的に破綻することで、既に弁済期にある全ての債務が債権者に対して一般的・継続的に弁済することができない状態にあるとき[2]に、本人などの申立て権者が裁判所に申立て[3]、裁判所が選任する破産管財人に債務者の財産を包括的に管理[4]・換価[5]、また総債権者に公平に分配してもらうこと[注 1]で、経済的破綻状況から離脱することをいう[6]。日本では、破産法により、破産について非懲戒主義(公法上での資格制限を科すなどの建前上の不利益を否定すること)[注 2]や免責主義(破産者の責任、特に債務について、原則としてその責任を免除すること)[7]を採っている[8]

日本では、2004年(平成16年)6月2日に全面改正された破産法(平成16年法律第75号)が公布され、翌2005年(平成17年)1月1日に施行された。

破産手続の倒産処理法制における位置付けは、倒産処理手続を参照。

破産事件の動向は、裁判所のWeb Siteの「司法統計」コーナーに掲載されている「司法統計年報」の「民事・行政事件編」を参照。

アメリカ合衆国における破産手続については、連邦倒産法第7章を参照。

概要

破産は、債務者が経済的に破綻して、債権者に対し債務を弁済することができない状態、または、そのような場合に裁判所が選任する破産管財人によって行われる法的手続を指す(広義の破産)。

債務者本人や債権者などの申立て権者が、裁判所に破産手続開始の申立てを行い、裁判所が当該債務者に破産手続開始の原因があると認める場合には、「破産手続開始の決定」を行う(狭義の破産)。従来、「破産手続開始の決定」は破産宣告と呼ばれていた。

なお、狭義の破産のうち、債務者自身の申立てにより破産手続開始の決定を受ける場合を自己破産、会社役員が自分の会社の破産手続開始の申し立てを行って破産手続開始の決定を受ける場合を準自己破産といい、債権者の申立てにより破産手続開始の決定を受ける場合を債権者破産という。

破産は、「破産手続開始の申立て」に始まり、破産債権確定手続、破産財団管理手続を経て、「破産手続終結の決定」、「免責」及び「復権」で終わる一連の法的手続きである。 すなわち、債務者の財産を管理・換価して、債権者に公平に配分することを主たる目的とした手続である。しかし、現在、破産事件のほとんどを占める自然人の自己破産においては、同時廃止が行われている[注 3]。これは、破産手続が、債務者の財産を換価することも、債権者に財産を配分することもなく、ただ債務者が免責(判例・通説的に自然債務が残るが、破産債務者が残債務について弁済の責任を免れること。)を得るための手段として利用されていることを意味する。この実態を反映して、各地の裁判所が作成している定型申立書も、1通で破産及び免責の両者の申立てをなすものになっていることが多く、法律上も、破産の申立てをした場合には、反対の意思を表示しない限り、同時に免責の申立てをしたものとみなされる。ただ、現行破産法上、両者はあくまで別個の手続であり、区別する必要がある[注 4]

破産法における破産者の免責は、誠実なる破産者に対する特典として、破産手続において、破産財団から弁済出来なかった債務につき特定のものを除いて、破産者の責任を免除するものである。その目的は、誠実な破産者を更生させることにある。破産終結後においても、破産債権によって無限に債務者の責任の追及を認めた場合、破産者の経済的再起が著しく困難となり、生活の破綻を招くおそれさえあるので、経済的再起の阻害要因となる債権者の追及を遮断する必要がある。破産者を更生させ、人間に値する生活を営む権利を保障することも必要であり、さらに、もし免責を認めないとすれば、債務者は概して資産状態の悪化を隠し、最悪の事態にまで持ちこむ結果となって、却って債権者を害する場合が少くないので、破産者を免責することは、債権者にとっても、最悪の事態を避けることになる。これらの点から見て、免責の規定は、公共の福祉のため憲法上許された必要かつ合理的な財産権の制限である[9]
申立て
破産手続開始の原因(破産手続開始の決定の実質的要件)

破産手続開始決定は、債務者が一定の経済的破綻に陥ったときになされる。これを破産手続開始の原因(破産原因)といい、その主なものが支払不能である(破産法15条、16条、222条)。詳細は「破産手続開始の原因」を参照
申立て

破産手続開始の決定は、原則として、破産手続開始の申立があってはじめてなされる(破産法30条1項)。

自己破産を申し立てる際には、申立てと同時に、財産の概況を示すべき書面並びに債権者及び債務者の一覧表を提出することを要する(同法20条)。多くの裁判所で配布されている定型申立書では、申立書のほかに陳述書も作成することになっているが、この陳述書が上記の「財産の概況を示すべき書面並びに債権者及び債務者の一覧表」である。この陳述書は、免責不許可事由の存否に関する証拠としても用いられる。

多くの裁判所においては、自己破産・同時廃止・免責を申し立てる際に、破産手続の費用を予納するよう要求される。この予納金は主として官報公告の費用に充てられ、具体的な金額は裁判所によって異なる。また、これとは別に、破産及び免責の各申立ての手数料として合計1,500円(破産手続開始申立につき1,000円(債権者申立の場合は20,000円)、免責につき500円)の収入印紙を申立書に貼り、郵便物の料金に充てるための費用として、裁判所が定める金額の郵便切手を予納しなければならない(民事訴訟費用等に関する法律)。詳細は「破産手続開始の申立て」を参照
破産手続開始決定前の中止命令と保全処分

裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、強制執行仮差押え、担保権の実行等、一定の手続きの中止を命じることができる(破産法24条1項)。

この中止命令によっては破産手続の目的を十分に達成することができないおそれがあると認めるべき特別の事情があるときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、すべての債権者に対し、債務者の財産に対する強制執行等や国税滞納処分の禁止を命じることができる(破産法25条1項)。これを包括的禁止命令という。

包括的禁止命令が発令されるのは、事前に又は同時に、債務者の主要な財産に対する保全処分(破産法28条1項)や保全管理命令(破産法91条2項)が発令された場合に限られる(破産法25条1項但書)。

包括的禁止命令が発せられた場合には、債務者の財産に対して既にされている強制執行等の手続(当該包括的禁止命令により禁止されることとなるものに限る。)は、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、中止する(破産法25条3項)。

裁判所は、包括的禁止命令を発した場合において、強制執行等の申立人である債権者に不当な損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該債権者の申立てにより、当該債権者に限り当該包括的禁止命令を解除する旨の決定をすることができる(破産法27条)。

破産手続開始決定がなされれば、その後は破産管財人によって財産の管理・処分がなされるが、開始決定までの間は従前通り債務者が自由に財産を処分できてしまう。このことから、破産手続開始の申立てから破産手続開始決定までの間に、債権者に対する配当原資となる債務者の財産が散逸して破産手続が無駄になる危険がある。この危険を防止するため、破産手続開始決定前の保全措置として、債務者の財産に関し、その財産の処分禁止の仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができることが定められている(破産法28条1項)。
申立ての取下げ

破産手続開始の申立てをした者は、破産手続開始の決定前に限り、当該申立てを取り下げることができる。ただし、中止命令(破産法24条)、包括的禁止命令(破産法25条)、債務者の財産に関する保全処分(破産法28条)、保全管理命令(破産法91条)又は否認権のための保全処分(破産法171条1項)がされた後は、裁判所の許可を得なければ取り下げることができない(破産法29条)。
破産手続開始決定詳細は「破産手続開始の決定」を参照

破産法の改正により、破産宣告から破産手続開始の決定に変更された。

個人少額管財手続の進行要領(宣告手続に関する注意事項)
破産原因の審理

破産手続開始の申立てがあると、裁判所は、申立書その他の提出書類の記載から破産手続開始の原因の存在を認定することができるか、これらの書類の記載に十分な裏付資料が存在するかという観点から審理をし、訂正補充を債務者に指示する。

書類や資料が調うと、債務者審尋あるいは債務者審問と称して、債務者を個別に裁判所に呼び出し、裁判官が、申立書その他の提出書類の記載内容に誤りがないかを確認し、破産原因及び同時廃止の要件の存否を認定するために必要な事項を聴取する。なお、こうした期日を開かないで審理を進める事案もある。また、免責の申立てもなされている事案であって、免責不許可事由の存在が疑われるものについては、その際に、裁判官が必要と認める訓戒を加えたり反省文の提出を指示したりすることもある。


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