砂漠
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この項目では、土地について説明しています。

交響的頌歌の砂漠については「砂漠 (交響的頌歌)」をご覧ください。

中川晃教のアルバムについては「砂漠 (中川晃教のアルバム)」をご覧ください。

伊坂幸太郎の小説については「砂漠 (小説)」をご覧ください。

サハラ砂漠アタカマ砂漠カラハリ砂漠

砂漠(さばく、沙漠)とは、降雨が極端に少なく、岩石の多い土地の事。年間降雨量が250ミリメートル以下の地域[1]、または降雨量よりも蒸発量の方が多い地域などの定義がある。地球上の陸地に占める面積は19億ha?34億ha(約20%?25%)に及ぶ[2]植物がほとんど生息せず、水分も少ないため、気温の日較差が激しい。よって農業には適さず、人間の居住が難しい地域(アネクメーネ)である。砂漠地は岩石(メサ、ビュート)・(れき)・砂・ワジ(涸れ川)・塩湖などで形成され、砂漠地の中で水が得られる希少な場所は人などが生息できるオアシスとなる。

海の砂漠は厳密には砂漠ではないが、本項で解説する。
分類
土質による分類.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

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「砂漠」という表記からの連想もあり、一般的には見渡す限り砂地が広がって風紋を織りなしている情景がよく想像されるが、実際には岩石に覆われた荒涼たる地域が主であり、砂に覆われた地域は全体の20%ほどに過ぎない。砂漠のうちでもっとも多いものは岩盤がそのまま露出した岩石砂漠(ハマダ(hamada))であり、礫(2ミリメートル以上の粒)によって覆われている礫砂漠(レグ)もかなりの範囲を占める。土砂漠は粘土によっておおわれた砂漠である。こうした砂漠の土壌は砂漠土と呼ばれ、植物がほとんど生育しないことから腐植が非常に少ないこと、および塩分が強いことが特徴となっている。砂砂漠(エルグ(erg))には砂地や砂丘が広がる。

上記の分類において、岩石砂漠はその名の通り土壌がほぼ存在せず、岩盤が剥き出しとなっている。これは砂漠の強い風などによって表層の土壌が吹き飛ばされてしまったためである。地形としては山岳など、風が強く土壌がとどまりにくい地形に多く存在する。礫砂漠はそれよりもやや緩やかな傾斜の地域に存在し、数十センチ程度の薄い土壌層は存在するものの、その上の地表はすべて礫によって覆われている。礫砂漠を覆う礫は回転運動をすることがなく片面が常に太陽光の方を向いているため、風化によって日光を受ける面が変色しているのが特徴である。土砂漠も表層は固い粘土などであり、軽い砂などが吹き飛ばされていることには変わりない。後述のプラヤのほとんどは土砂漠となっている。こうした地域から吹き寄せられた砂が堆積するのが砂砂漠である。
成因による分類

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砂漠を形成する要因は、以下のように分類される。それぞれについて、分布する緯度に差異が見られる。
熱帯砂漠(海岸砂漠)
大陸の西側を赤道方向に向かう寒流沿いの、大陸の海岸線にみられる。寒流の上を渡る風は水蒸気の供給が少ないことと、大気が安定して上昇気流が起こりにくいことによる。緯度10?20°の大陸西岸に分布する。海岸沿いに細長く広がり砂漠の範囲は狭いものが多いが、大気が安定しているため降雨が非常に少なく、極度に乾燥していることが多い[3]アタカマ砂漠ナミブ砂漠など。
亜熱帯砂漠(中緯度砂漠)
熱帯で生じた上昇気流が大気上層を中緯度まで移動してから下降することによって発生する亜熱帯高圧帯の影響下に一年中あることによる。気圧帯の影響によるものなので範囲が非常に広く、大規模な砂漠が成立しやすいことが特徴である。ただし亜熱帯高圧帯は永久に不変というものではなく、地球の気候によって長期的には南北移動を繰り返すために、それに伴って砂漠の境界線も長期的には南北移動を繰り返す性質がある。緯度20?30°にみられる。サハラ砂漠カラハリ砂漠オーストラリア中西部のグレートサンディ砂漠グレートビクトリア砂漠ギブソン砂漠など。
温帯砂漠

雨陰砂漠
山脈の方から吹き込む卓越風風下となるために、下降気流地帯となるため生じる。緯度35?50°にみられる。モハーヴェ砂漠コロラド砂漠パタゴニア東部など。
内陸砂漠
から遠く、水蒸気の供給量が少ないため生じる。ゴビ砂漠タクラマカン砂漠など。
日本における「砂漠」

日本で砂漠がつく地名が国土地理院発行の地図に記載されているのは、伊豆大島三原山山麓にある「裏砂漠」「奥山砂漠」の2か所のみである[4]火山岩に覆われて植生が少なく、風景が荒涼としているものの、島全体に降雨は多く厳密な意味での砂漠ではない。広大な砂礫地として知られる鳥取砂丘も砂漠と地形がよく似ているが、あくまで温帯湿潤気候下で降水量は豊富である。風で絶えず砂が動くために植物が生えにくいが、砂丘の景観を維持するためボランティアによる除草が行われているほどである。
砂の組成

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砂漠の砂の組成は砂漠によって異なる。またその組成は、砂漠の成熟度に影響を受ける[5]。砂漠においては昼夜の温度差や氷結によって岩石→礫(れき)→構成鉱物単位に分割され、さらには細粒化する。さらに砂漠環境であっても、化学的な風化作用によって鉱物は溶解する。これら風化作用に対する抵抗性は鉱物によって異なり、かんらん石輝石角閃石、カルシウムの多い長石などは風化を受けやすく、カルシウムの少ない長石石英などは風化を受けにくい。特に石英は抵抗性が高く、成熟した砂漠で最後まで残る鉱物種となる。

成熟した砂漠の例としてはリビア砂漠(石英91.7%)、オーストラリア砂漠(同80?100%)、カラハリ砂漠(95%以上)、ナミブ砂漠の一部などが挙げられる[5]。特にサハラ砂漠の一部であるリビア砂漠には大小の天然ガラスの塊で構成された領域が点在し(リビアングラス)、どのように生成されたのかが謎となっている。

逆にタクラマカン砂漠(36%)などはきわめて未成熟である[5]
気候地球の乾燥気候 .mw-parser-output .legend{page-break-inside:avoid;break-inside:avoid-column}.mw-parser-output .legend-color{display:inline-block;min-width:1.5em;height:1.5em;margin:1px 0;text-align:center;border:1px solid black;background-color:transparent;color:black}.mw-parser-output .legend-text{}  砂漠気候   ステップ気候   ツンドラ気候   寒帯

砂漠は植生の少ないことや晴天が続くことなどから、気温の一日の変動が非常に激しいのが特徴である。低緯度にある砂漠においては夏の日中には50度を超えるところもある一方で、冬の夜間には晴天のため気温が下がり、氷点下になる地域すらある。こうした気温変動の激しさと風の強さ、そして降雨時の流水の激しさは岩石の風化を促し、風化した岩石は砂となって砂丘を形成する。風が強いため、風食作用によってつくられる三稜石が多く存在するのも砂漠の特徴のひとつである[6]

砂漠は降雨量が非常に少ないが、それは湿度が低いことを必ずしも意味しない。大部分の砂漠においては確かに空気は乾燥しているが、海岸部に存在する砂漠の場合、隣接する海からの水蒸気が空気中に含まれており、湿度は高くなる傾向にある。砂漠気候に属するアラブ首長国連邦ドバイがその代表的な例であり、6月から9月にかけての夏季においては湿度が100%に達することすらある。また、アフリカのナミブ砂漠やペルーの海岸部といった海岸砂漠(西岸砂漠)の場合、砂漠の上に朝になるとが漂うことが多く、そうした霧を取り込んで降雨の少なさを補う植物も存在する[3]
降雨と流水イスラエル・ネゲブ砂漠のワジナイル川は砂漠の中で巨大なオアシスを形成している

砂漠は降雨量が非常に少ない地域であるが、ほとんどの砂漠ではまったく雨が降らないわけではなく、年に数度から数年に一度降水があるところが多い。この場合、数日間に分けて雨が降るのではなく、一度に大量の降水があることがほとんどである。降雨の間隔は不規則で、量も一定しないため、年によって降水量の変動が激しい。サハラ砂漠の極乾燥域の場合、24時間の降水量が年間平均降水量を上回ることも珍しくない[7]

砂漠は乾燥しているため地面は急速に水を吸収するが、森林が存在しないため降った雨は地表にプールされることなく、降雨の大量さも相まってかなりの水が一気に地表を流れ下るため、この降雨地点近くに人間がいた場合、砂漠で洪水に見舞われることになる。こうした大量の流水はワジと呼ばれる河道を形成するが、ワジには降雨時以外に水が流れることはない。ワジは地形が低く地下水も得やすいためにしばしばオアシスが形成されることがあるが、もともと河道であるため降水時には洪水となる。また、ワジ以外の地形にも流水の影響は色濃く表れている。山岳の斜面にある緩やかな斜面はその形状から山麓緩斜面(ペディメント)と呼ばれる[8]。ペディメントの下には礫で覆われた扇状地が広がり、これをバハダと呼ぶ。バハダのさらに下、盆地の底部には粘土に覆われた平坦な地形が広がることが多いが、これはプラヤ(粘土平野)と呼ばれる。プラヤは豪雨時の流水によって運ばれてきた堆積物によって形成されたと考えられている。プラヤにはこの豪雨時に周囲から運ばれてきた塩分も堆積することが多く、しばしば岩塩を産出する。また、プラヤの土壌の多くはアルカリ性を示す。

また、ワジではなく通年流水のある河川が砂漠の中を流れることがある。こういった河川は砂漠の外で大量の降雨がある地域から砂漠に流れ込むもので、外来河川と呼ばれる[9]。砂漠の河川にはタリム川アムダリア川シルダリア川のように砂漠の中で完結して外部へと流出しない内陸河川が多い。こうした内陸河川の末端には、アムダリア川やシルダリア川の注ぎ込むアラル海ヴォルガ川の流れ込むカスピ海、タリム川のかつて流れ込んでいたロプノールのようにが形成されることが多い。こうした砂漠の湖のほとんどは、流入河川から長年かけて流れ込んだ塩分が凝縮され、塩湖となっていることがほとんどである。また、湖を形成する前に砂漠の途中で消滅してしまいワジとなる河川も多い。こうした中、チグリス川ユーフラテス川ナイル川コロラド川のように砂漠を貫流し海へと注ぐ河川も存在する。こうした河川は砂漠の住民にとって貴重な水の供給源であり、中でもナイル川は巨大なオアシスを形成し、人類最古の文明のひとつである古代エジプト文明を育んだ。
生態系サボテン。多肉植物は砂漠に適応した植物のひとつであるアメリカ西部から南西部にかけて生息するハラタケ科のキノコ Agaricus deserticola 。表皮が乾燥・ひび割れると、成熟した胞子が放出される

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砂漠は植生がほとんど存在しないため、植物を食料とする動物の生息も少ないが、植物・動物ともにまったく存在しないわけではなく、乾燥地に適応した種が各地に生息しており、独自の生態系を形成している。砂漠に生育する植物は大きく分けて、アカシアなどのように根を深く張りめぐらせて地中深くの地下水やわずかな降雨から水分を得るタイプ、などの内部の柔組織に大量の水を蓄える、サボテンに代表されるいわゆる多肉植物、そして種子などの形で休眠し、降雨があると急速に成長し花を咲かせて大量の種子を残し、短い期間で枯れるタイプに分けられる。乾燥地の土壌は塩分を含んでいることが多いため、耐塩性も高い植物が多い。砂漠内の例外としてオアシスは水を得ることができるため、多様な植物・動物が生育できる場所である。砂漠に生えるキノコは、襞が傘の内部に取り込まれたセコティオイド菌類(英語版)が多く、胞子が成熟したあとで表皮が割れ、胞子が露出するのが特徴である。

また、砂漠の砂は風によって巻き上げられ、遠く遠洋や他大陸にまで到達する。たとえばサハラ砂漠において巻き上げられる砂塵の量は年間20億から30億トンにもなり、2月から4月にかけてはカリブ海や南アメリカ大陸に、6月から10月にかけてはフロリダ州などに降り注ぐ[10]が、こうした砂は各地に害をもたらす一方、各大陸や海洋生態系にとって重要な栄養素の供給源ともなる。


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