砂漠の野球部
[Wikipedia|▼Menu]

『砂漠の野球部』(さばくのやきゅうぶ)は、コージィ城倉(連載当時はコージィ?城倉)の漫画作品。『週刊少年サンデー1995年第5・6号より1997年第14号まで連載。1997年4月、『週刊少年サンデー超』にて、一部のキャラクターのその後を描いた「その後の砂漠の野球部 タイガー・ザ・グレート」が読み切り作品として掲載された。

小学館のコミック単行本レーベル「少年サンデーコミックス」より、単行本が全11巻発刊されている(『その後の砂漠の野球部 タイガー・ザ・グレート』を含む)。
概要

作者の代表作であり、熱血スポ根漫画のパロディを含んだ野球漫画。連載当初は笑いもちりばめられ、スポ根漫画としてだけでなくラブコメを含むコメディータッチな作風だったが、中盤からは笑いの表現は抑えられ、スポ根的な展開のみとなった。

加えて、現在の高校野球が抱える問題点も、皮肉を込めて描かれている(この点は、後に執筆する『おれはキャプテン』にも通じる)。
あらすじ
第1部
第1巻

鳥取県にある私立の女子高校「オアシス学園高校」の島貫校長は、生徒数の減少に悩んでいた。経営の参考にするため、神奈川県の私立高校(野球の名門校)「相模大学付属横浜中央高校(以下、相模大横浜)」を視察していたところ、体育の授業でありながら、授業のレベルを超えたプレイをする生徒達を目にする。彼は、学園再生の手段として「(様々な理由で)野球部を退部した生徒達をオアシス学園に転校させ、甲子園に出場させる」事を思いつく。

高校野球の夢破れた生徒達(全員1年生)も、「もう一度夢を叶える為」、「女子高であること」、「野球部が最も少ない鳥取県であれば、簡単に甲子園に出場できるはず」等の下心を持ち、転校する事を決意する。オアシス学園に転校した9人だったが、グラウンドはソフト部と陸上部が使用しており、練習場がなかった。

主人公のツッチー(土屋拳至)は、グラウンドの使用権を賭け、ソフト部顧問・井出時子(後にジャンボーグと命名される)と対決する。彼女は、広島カープの4割打者・トキオ(井出時男)の双子の姉であり、高校時代の実力は彼女の方が上だった。
第2巻

オアシスナインの実力を計るため、ジャンボーグは鳥取青雲中学と対戦させる。同中学は、中国地方の大会で優勝した学校であり、エース・トキジ(井出時次)はジャンボーグの弟だった。

トキジはオアシスナインに実力の差を見せ付けられ、野球少年に戻る。彼らを操っていたあねご(井出時江、トキジの姉で、ジャンボーグの妹)も改心し、オアシス学園へ転校、野球部のマネージャーとなる。
第3巻

春のセンバツに出場した鳥取東山は、ジャンボーグとトキオの母校だった。ツッチーのストレートは通用しなかったが、フォークの前には鳥取東山は敵ではなかった。あねごの作戦もあり、試合はオアシス学園の勝利に終わる。試合後、トキオもフォークに挑むが、打ちあぐねて逃げてしまった。

その後、「親の都合以外で転校した野球部員は、1年間、公式戦に出場できない」とジャンボーグに告げられ、オアシスナインはショックを受ける。
第4巻

偶然が重なり、あねごは「広島カープ対横浜ベイスターズ(1995年8月23日)」のチケットを手に入れ、ツッチーと2人で横浜スタジアムに行く。ツッチーは、そこで相模大横浜時代のライバル・フネ(船越)と美香(かつてのツッチーの恋人)に再会する。フネは、甲子園の準優勝投手に成長していた。トキオの策略で、美香を賭け、ツッチーとフネは勝負を行う。
第5巻 - 第6巻

オアシス学園は、大門興業に乗っ取られてしまう。学園は解体、ナインのみ大門学園(男子校)に引き抜かれようとする。ツッチーは、学園存続のため、大門興業に戦いを挑む。他の7人(ツッチーに惚れているキャッチャー・マカオこと別所光希を除く)も、「男子校には行きたくない!」という一心で、実力以上の能力を発揮する(各人の思い入れ・過去について言及される)。

勝利したオアシスナインだったが、代わりにジャンボーグが引き抜かれてしまう。彼女は、後任監督にあねごを指名する。
第2部 砂の嵐編
第6巻 - 第7巻

あねごは、監督就任を機に、ツッチーへの恋心を封印する。あねごの友人・アニメ(山崎カナ)が登場、マネージャーになる。萌えキャラのような彼女に、ナインの何人かが夢中になり、その余波であねごの恋心が再燃。失踪事件に発展するが、元の鞘に収まる。

トキジが、鳥取KCサンシャインハイスクールの主砲・trf(田中・リチャード・富士雄)と共にオアシスナインの前に現れる。トキジは、速球に磨きをかけていた。だが、天才的な trf の打棒をもってしても、ツッチーのフォークは打てなかった。
第7巻

trf との出会いから9ヶ月。オアシスナインは2年生になっていた。だが、ツッチーは身長が20センチも伸びて身体のバランスが崩れており、フォークのキレがなくなっていた。

トキオのアドバイスにより、ツッチーはアンダースローに変更。マカオと山に篭る。2人が出発した後、あねごにトキオからの手紙が届く。「アンダースローは危険だ。サイドスローにしろ」と。だが、2人と連絡を取る方法がない。

偶然を機に、魔球サイレントカーブが誕生。プロレス団体での特訓の末、完成する。
第8巻 - 第9巻

1回戦で30%、2回戦で50%、そして3回戦の鳥取東山戦で、サイレントカーブの理論が100%完成する。

ジャンボーグは、サイレントカーブの秘密を80%まで解明。残り20%をかけて、ツッチーと対戦する。

片手打ちでサイレントカーブを攻略するKCサンシャインだったが、サイレントカーブαと、残り20%が作用し、敗北する。この試合で、ジャンボーグは残り20%の秘密を暴く。また、彼女の率いる大門学園が、その実力を発揮する。
第10巻

試合前日、大門学園エース・豊丸に「越境転校は卑怯」と指摘され、戦意の下がるオアシスナイン。一方、サイレントカーブも、「カット打法」に苦戦する。オーバースローからの速球を利用して誤魔化していたツッチーだったが、ついに中盤でつかまってしまう。最後の手段として、サイレントファントムを使用する。大門学園主将・風間の謝罪と、相模大横浜の梶原監督の登場により、オアシスナインは奮起。逆転優勝する。
第11巻

相模大横浜との戦い。最後の力を振り絞り、ツッチーはブラッディフォークを使用。パーフェクトで勝利する。しかし、負傷により、2回戦は辞退する事になった。
番外編(第11巻)

あねご、ツッチー、タイガー(小宮政志)、マカオ、アニメ(とトキオ)のその後が語られる。
登場人物
主人公
土屋拳至(つちや けんじ)
ニックネームはツッチー。オアシス学園高校の4番で
投手


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:47 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef