砂利(じゃり、ざり、英: gravel)は、粒径が一定の細かさをもつ丸みを帯びた石[1]。より細かい砂や比較的大きい栗石や玉石を含むこともある[1]。岩石を破砕した砕石とは異なる[1]。 砂利は粒径と形状によって定義される[1]。粒径がおおむね300mm以内の丸みを帯びた岩石は、小さい順に砂、砂利、栗石、玉石と呼ばれており、これらをまとめて砂利と扱うこともある[1](後述のように砂と砂利は骨材などではふるいによる区別がある)。 また、砂利は一般的には河川の上流部の岩石が風化作用で母岩を離れ、または流域の砂礫が浸食作用によって崩壊し、これが河川を流下しながら角が削り取られ丸み帯びたものをいう[1]。岩石を破砕した砕石は形状が丸みを帯びたものではなく砂利とは異なる[1]。 モルタルやコンクリートの骨格に用いられる材料を骨材といい、砂や砂利は岩石から自然作用で産出される天然骨材である[2]。一方、砕砂や砕石は天然骨材とは異なり岩石を人工的に粉砕したものである[2]。 10mmふるいを全部通過し、5mmふるいを重量で85%以上通過する骨材を細骨材といい、砂や砕砂が細骨材にあたる[1][2]。また、5mmふるいを重量で85%以上とどまる骨材を粗骨材といい、砂利や砕石が粗骨材にあたる[1][2]。 なお、砂利と粗骨材、砂と細骨材は同義語として用いられることもあるが、以上のように粗骨材・細骨材の一種である[2]。 砂利や砂は、産状により、河川砂利(砂)、陸砂利(砂)、山砂利(砂)、海砂利(砂)に分類される[1]。 建設材料としての砂利には、道路や鉄道軌道用の路盤材料や、盛土や埋立地などを造成する土工材料、コンクリートを造る際の骨材、日本庭園の造園における敷石などの種類がある。 日本におけるコンクリート用骨材は、砂はJIS A 5308「レディーミクストコンクリート用骨材」、砕石にはJIS A 5005「コンクリート用砕石及び砕砂」などが規定されている。詳細は「骨材」を参照 砂利採掘自体は川の氾濫による水害予防のために日本でも古くから行なわれていたが、幕末に開港すると、外国船の安定した航行のため船底にしく「船足(ふなあし)砂利」として活発化し、横浜では明治3年(1870年)に玉川砂利会社が設立され、横浜―新橋間の鉄道建設にも使われた[3]。 日本における砂利の利用は、関東地震頃から本格化したとされている。当時は、大消費地に近い都市近くの多摩川や荒川などの大河川で川砂利が盛んに採取された。当時砂利の運搬をするために各地に小さな鉄道会社が設立され、それが後の東急電鉄、相模鉄道などの大手私鉄の母体となったものも少なくない。
定義と種類
定義
骨材と砂利
種類
河川砂利(砂)
河川や堰・ダムに堆積したもの。コンクリート骨材に最も適した砂利である[1]。しかし、河川からの採取は治水上・河川管理上の影響が大きいため規制されるようになった[1]。
陸砂利(砂)
河川流路
山砂利(砂)
山地、丘陵地、台地から採取したもの[1]。
海砂利(砂)
海浜や海底などに堆積したもの。塩分の除去や粒度、貝殻の除去の問題がある[1]。
基礎資材としての砂利
建設材料
砂利の資源
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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