砂上の法廷
The Whole Truth
監督コートニー・ハント
『砂上の法廷』(さじょうのほうてい、原題:The Whole Truth)は2016年にアメリカ合衆国で公開されたスリラー映画である。監督はコートニー・ハント(英語版)、主演はキアヌ・リーブスが務めた。 ルイジアナ州ニューオーリンズ。弁護士のリチャード・ラムゼイは、殺人の嫌疑がかかったマイク・ラシターの弁護を担当することになる。彼が殺したとされているのは、リチャードも親しかった彼の父ブーンだった。家庭の事情にも詳しいリチャードは無実を証明しようと意気込むが、当のマイクが口を閉ざし続けるために旗色は非常に悪い。 公判が始まり、最初に証言台に立ったのは、ブーンが日常的に利用していたチャーター便の客室乗務員アンジェラ・モーリーだった。彼女は大学を見学するマイクとブーンのフライトにも搭乗しており、その時の様子を「険悪な雰囲気で、マイクが不機嫌になっていた」と証言する。リチャードは「ブーンが同乗させた女性の名前を乗客名簿から削除したか?」と問うが否定され、次に現れたブーンの運転手への「女性が同乗したことはあるか?」という質問は無関係として却下された。 休憩時間に入り、リチャードは助手として雇った弁護士のジャネル・ブレイディと合流する。彼女は新米同然な上に1年の休職を経たばかりだったが、嘘を見抜くことを得意とし、アンジェラが名簿の改ざんを行ったことや、運転手の証言から女性の同乗があったことを看破する。 公判が再開されると、通報によって犯行現場に駆けつけた女性警官の証言が始まった。ラシター家に到着すると、マイクの母ロレッタにブーンの死体がある寝室へ案内され、ブーンの傍らに座り込むマイクが「僕がもっと早くこうすべきだった」と呟いたという。この日の公判はこれで終了となる。 翌朝の公判で、ラシター家と家族ぐるみの付き合いをしていた隣人ウェスティンは「マイクが幼い頃は良好な親子関係だったが、成長するにつれ疎遠になった。ブーンは日常的に傲慢な振る舞いをしており、事件の前にはロレッタやマイクにも辛く当たっている」と語る。続けて証言したのは事件の捜査責任者で、凶器のナイフについた手形の大きさや刑事としての勘から犯人がマイクだと断定したという。次に現れた鑑識の男は証拠が発見された場所を独断で改ざんしていたが、当然そのことは語らない。ウェスティンの息子も証言台に立ち、ロレッタに想いを寄せる彼は「両親の抱える問題にマイクは悩んでいたのではないか」「ロレッタは日に日に弱っていた」と語る。公判を終えて宿に戻ったジャネルは、証人たちが大小問わず嘘を吐いていることや、展開が一方的になっていることを不満に感じていた。 翌日、証言台に立ったロレッタは「ブーンの死体を発見した後でマイクが寝室に入ってきて、「僕がやった」と言った」と涙ながらに語った。リチャードはロレッタがブーンから虐待されていたことや、マイクもそれを知っていたことを明らかにする。その日の公判はこれで終わりとなるが、房に戻ったマイクは自分も証言台に立つと筆談で主張してきた。リチャードは「準備不足のマイクに証言はさせられない」と告げるが、彼はリチャードを解任してでも証言を行う覚悟であり、やめさせることはできなかった。 次の公判でマイクは事件後初めて口を開き、ロレッタがブーンから言葉と肉体の両方の暴力を受けていると知っていたことや、ブーンが自分に性的虐待を行っていたことを告白し、彼から逃れるために自分が父を殺したのだと証言する。先日乗ったチャーター便でもレイプされたというマイクの証言を受けて、検察はアンジェラに対して再び証人喚問を行うことを決める。別日に召喚されたアンジェラは「常に客室に気を配っている」と語り、マイクへのレイプは行われていないと証言した。
ストーリー