石鹸
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日本のバンド「グループ魂」のメンバーの石鹸については「三宅弘城」をご覧ください。
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石鹸(石?、せっけん、シャボン、: sabao、西: jabon)は、一般に汚れ落としの洗浄剤を示す語である。また高級脂肪酸塩(えん)の総称である。

一般用語としての石鹸と化学用語としての石鹸は重なり合うことが多いが、化学的には石鹸ではないものが一般的に石鹸と呼ばれている場合や、その逆の場合がある。
概要

界面活性剤であり、や油を含む汚れを水に分散させる作用により洗浄能力を発揮する[1]

物体に付着した細菌やウイルスを物理的に洗い落とす除菌効果がある。また、細菌細胞膜ウイルスエンベロープを破壊するため、一部の病原体に対して消毒効果を発揮する[2]逆性石鹸や、殺菌成分を添加した一部の薬用石鹸は普通のものに比べ強い殺菌作用を有する。

石鹸の主成分は脂肪酸塩であり、牛脂・羊脂・豚脂・硬化油・ヤシ油・綿実油などの油脂水酸化ナトリウムなどの塩基鹸化することによって作ることができる[3]。成分が脂肪酸塩だけで、添加物を含まない石鹸を指す特に純石鹸と呼ぶが、多くの石鹸は純石鹸ではなく、炭酸塩香料などが添加されている。

石鹸は古代から手作りされてきた。現代でも家庭で容易に手作りすることができるが、市販品のほとんどは工業的に作られている。

一般には溶媒として溶かして使用するものであるが、水なしで使えるよう工夫されたドライシャンプーもあり、介護災害時宇宙ステーションでも使用されている[4]

石鹸は硬水では泡立たず、石鹸かすを形成するため洗浄効果が低下する[5][6]
分類
成分による分類

ナトリウム・カリウムなどのアルカリ金属塩のアルカリ石鹸と、アルカリ金属以外の金属塩の金属石鹸に分類され、石鹸といえば通常は前者を指す。

アルカリ石鹸は水溶性で表面活性が著しく、起泡力をもち洗浄力がすぐれる。

使用するアルカリ金属の種類によって、石けんの性状が異なる。水酸化ナトリウムから作られるナトリウム石鹸は固形で、水酸化カリウムから作られるカリウム石鹸は軟らかく、液状であることが多い。リチウム石けんも硬い傾向がある。リチウム石けんは、もっぱらグリースとして用いられる。
用途による分類
身体用石鹸

人の身体(顔を含む)に用いる石鹸である。各国で薬事法などの規制を受ける[7]。浴用石鹸(ボディーソープ)、洗顔用石鹸、手洗い用石鹸(ハンドソープ)、薬用石鹸などがある。固形・粉石鹸はナトリウム石鹸で、液体石鹸・ボディーソープ・シャンプーは溶解度の大きいカリウム石鹸である。また、ナトリウム石鹸・カリウム石鹸を併用したものもある。「合成固形石鹸」は石鹸ではなく、日本の医薬品医療機器等法では「化粧品」として扱われている。

一般に「化粧石鹸」という言葉が使われることがあるが、これには明確な定義はない[7]。身体用の固形石鹸を「化粧石鹸」と呼ぶこともあれば、「洗顔石鹸」と「浴用石鹸」をひっくるめて「化粧石鹸」と呼ぶこともある[7]。いずれの場合も「化粧石鹸」は通常固形石鹸だけを指し、液体石鹸は含まれない[7]
薬用石鹸
殺菌消毒用。身体の一部や食器、布巾などに用いる。日本の医薬品医療機器等法では医薬部外品として扱われている。殺菌成分としてトリクロカルバン、トリクロロカルバニリド、イソプロピルメチルフェノールなどを含む。2016年9月、米国食品医薬品局 (FDA) トリクロサン、トリクロカルバン等19成分を含有する抗菌石けんの米国内での販売を停止する方向であると発表した[8]。これを受けて、日本厚生労働省もトリクロサン等を含む薬用石けんの成分変更を促す通知を行った[9][10]
日本薬局方薬用石ケン
日本薬局方に収載されている医薬品で、医療用洗浄剤、リニメント剤坐薬の基剤、瀉下浣腸に用いる[11]。殺菌消毒用ではない。白色ないし淡黄白色の粉末または粒で、臭いがある[11]
身体以外用石鹸
洗濯用石鹸
手洗い向けの固形石鹸と、
洗濯機向けの粉石鹸。合成洗剤より高価だが、水質汚染、皮膚炎、蛍光剤による衣類の褪色を避ける効果が期待できる。水温が高いほど洗浄力が上がることから、風呂の残り湯を利用することが多い。また、石鹸かすの残留による黄ばみを抑えるため、クエン酸が使われる。
台所用石鹸
使用済み食器の洗浄、食品の寄生虫卵除去用。食器が滑りやすく、破損リスクが高い欠点がある。近年普及した食器洗い機は構造上石けんが使用しにくいが、成分を調整した製品もある。
工業用石鹸

工場などの機械部品についた油汚れの除去を目的とする。汚れの程度が強いため、木材粉パーライトなどの研磨剤を含むものが多い。
形状による分類液体石鹸とレフィル(詰め替え用)

鹸化に使用するアルカリによって固まりやすさが変わるため、固形と液体は製造段階で分かれる。水酸化カリウムで鹸化したものはカリ石鹸(脂肪酸カリウム)、水酸化ナトリウムで鹸化したものはナトリウム石鹸(脂肪酸ナトリウム)と呼ばれ、カリ石鹸はナトリウム石鹸より融点が低い。
固形石鹸 (Bar soap)

ナトリウム石鹸を手に収まるサイズに成形したもの。ただし、洗濯石鹸ではキログラム単位のものもある。乾燥するとひび割れることから、防湿包装される。プラスチック包装が普及するまではパラフィン紙(グラシン紙)が用いられた。
紙石鹸

固形石鹸を紙のように薄く削いだもので、手洗い一回分として携帯可能である。もともとは子供向けで駄菓子屋などで売られていた[注釈 1]

売り上げ下火となっていたが、新型コロナウイルスの流行に伴い手指の洗浄や除菌への関心が高まり、再び注目されつつある[12][13][14]
粉末石鹸

主に洗濯用石鹸の形状。必要量を計量しやすく、溶かしやすい。
液体石鹸

常温でゼリー状から粘液状になるカリ石鹸を適度に加水したもの。ホテルなど宿泊施設では減った分だけ補充すればよい点が管理に有利なため普及している。手洗い用(ハンドソープ)と浴用(ボディソープ)があり、前者は殺菌と洗浄を、後者は香料や保湿を重視している。液状以外にゲル状、状(プッシュ式容器による)の製品がある。
石鹸ではないもの

界面活性剤として脂肪酸塩を利用していないため石鹸ではないが、一般に、または法令上「石鹸」とされているものがある。
逆性石鹸(陽性石鹸)

界面活性剤として脂肪族アミン第四級アンモニウムイオン)を用いる。界面活性を持つイオンが陽イオンであるため、陽イオン界面活性剤に分類される。石鹸の脂肪酸イオンは陰イオンであり、性質が逆なので逆性石鹸と呼ばれる。

洗浄力は低いが殺菌力が強く、殺菌剤消毒薬として利用される。石鹸と混合すると界面活性剤同士が中和反応を起こして相殺し、効果が減じる。

塩化ベンザルコニウム塩化ベンゼトニウムが外用の消毒薬として器具や手などの消毒に用いられている。
両性石鹸

両性イオン界面活性剤に分類される殺菌剤。消毒薬に利用される。普通の石鹸と混合しても殺菌力がある程度維持される。
ステンレスソープ

金属のイオン性を利用した臭い消し製品。作用原理が全く異なる。石鹸が作るミセルの構造。石鹸の分子は、その一つ一つの両端に親油基と親水基を持ち、汚れ(≒油)があると、そこに多数の石鹸の分子の親油基の側が次々と着き、結果として内側に親油基を向け外側に親水基を向けた状態で多数の分子の向きが揃い、包み込むようにして球状のミセルとなり、水とともに流れてゆく状態になる。
歴史
起源17世紀中頃の石鹸工場を描いた版画

石鹸の歴史は紀元前3000年代に始まるといわれている[15]

古代から水だけで落ちにくい汚れに対して粘土灰汁、植物の油や種子[注釈 2]などが利用されていたが、やがて動物のを焼くときに滴り落ちた脂肪の混合物に雨が降り、アルカリによる油脂鹸化が自然発生して石鹸が発見されたと考えられている。石鹸の「鹸」は「灰汁」や「塩基(アルカリ)」を意味する字であり(鹸性=塩基性、アルカリ性)、石鹸を平たく解釈すれば「固形塩基」「固形アルカリ」となる。

伝説では神への供物として羊を焼いたときの脂と灰で石鹸らしきものが誕生したとされ、それが古代ローマの「サポーの丘(英語版)」での出来事であり soap の語源になったとされている[15][16]。一方、シュメール粘土板に薬用石鹸の記述がみられる。中東では現在でも石鹸が地場産業となっている地域(ナーブルスアレッポなど)がある[17]
普及

ヨーロッパではプリニウス博物誌の記載が最初で、ゲルマン人ガリア人が用いていたこと、すでに塩析が行われていたことが記されている。その後いったん廃れるが、アラビア人に伝わり生石灰を使う製造法が広まると8世紀にスペイン経由で再導入され、家内工業として定着していった。12世紀以降、それまでのカリ石鹸に替わりオリーブ油を原料とする固形のソーダ石鹸が地中海沿岸を中心に広まり、特にフランスマルセイユ9世紀以降主要な集散地から生産の中心地となった。

18世紀末には産業革命のもとで原料のアルカリ剤の大量生産が可能となったことで、石鹸も大量生産されるようになり普及した[15]。医学の進歩ともあいまって、皮膚病や多くの経口伝染病が減少した[18]

1916年にはドイツで世界初の合成洗剤が誕生[15]。1933年にはアメリカで世界初の家庭用合成洗剤が発売された[15]
日本

日本には安土桃山時代に西洋人により伝えられたと推測されている[19]。最古の確かな文献は、1596年慶長元年8月)、石田三成博多の豪商神屋宗湛に送ったシャボンの礼状である。


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