知床国立公園
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世界遺産としての知床については「知床 (世界遺産)」をご覧ください。

知床国立公園
Shiretoko National Park
IUCNカテゴリIa厳正保護地域
フレペの滝遊歩道と知床連山(2014年8月)
指定区域 日本オホーツク総合振興局斜里郡斜里町
根室振興局目梨郡羅臼町北緯44度04分33秒 東経145度07分20秒 / 北緯44.07583度 東経145.12222度 / 44.07583; 145.12222座標: 北緯44度04分33秒 東経145度07分20秒 / 北緯44.07583度 東経145.12222度 / 44.07583; 145.12222
分類国立公園
面積38,636ha(陸域のみ)[1]
指定日1964年6月1日[2]
運営者環境省
年来園者数1,740,000人(平成25年)[3]
施設知床世界遺産センター、知床自然センター、知床五湖フィールドハウス、知床五湖パークサービスセンター、知床世界遺産・知床国立公園羅臼ビジターセンター、知床世界遺産ルサフィールドハウス
告示昭和39年厚生省告示第235号
昭和55年環境庁告示第1号(変更)
平成17年環境省告示第140号(変更)
平成22年環境省告示第120号(変更)
事務所釧路自然環境事務所
事務所所在地北海道釧路市幸町10-3
公式サイト環境省_知床国立公園
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知床半島のランドサット衛星写真(Shuttle Radar Topography Mission使用)

知床国立公園(しれとここくりつこうえん)は、北海道知床半島にある国立公園
目次

1 概要

2 歴史

3 自然

4 景勝地

5 集団施設地区・ビジターセンター

6 脚注

7 参考資料

8 関連項目

9 外部リンク

概要

全国22番目の国立公園として南アルプス国立公園とともに指定された。日本国内最東北端に位置する知床半島中央部から知床岬までの周辺海域を含む約60,000ヘクタールが公園区域になっている。厳正な保護規制がかけられている「特別保護地区」が陸域公園面積の半分以上を占めており、公園区域の西端の知西別岳は、「遠音別岳原生自然環境保全地域」に隣接している。

知床国立公園を含む一帯(約71,100ヘクタール)は、2005年(平成17年)に「世界自然遺産」に登録された[4][5]
歴史

知床半島には、数千年にさかのぼる先史時代の遺跡が数多く残されている[6]。中でも10世紀前後にオホーツク海沿岸で栄えた北方の漁猟民族によるオホーツク文化の影響を受けて、アイヌの人々はシマフクロウヒグマシャチなどを神と崇め、狩猟漁撈、植物採取などをしながら豊かな自然を大切にした文化を育んできた[6]

1964年昭和39年):国立公園指定。

1980年(昭和55年):公園区域の変更(遠音別岳を原生自然環境保全地域へ)。

1984年(昭和59年):再検討。

1990年平成02年):公園計画の一部変更(乗り入れ規制地域の指定)。

1995年(平成7年):第一次点検。

2003年(平成15年):公園計画の一部変更(北海道長距離自然歩道追加)。

2005年(平成17年):知床が「世界自然遺産」登録[4][5]。公園区域の変更(海域の拡張)。

2010年(平成22年):公園計画の一部変更(利用調整地区の指定、生態系維持回復事業の追加)。公園区域の変更。

自然

知床半島はプレート運動や火山活動、海食などの地形形成作用により造られていることから、奇岩や海食崖、火山地形などの多様な景観が形成されている[7]。現在も活動中の火山のうち、知床硫黄山は1936年(昭和11年)に約20万トンの溶融した硫黄を8ヶ月間にわたって噴出している[7]オホーツク海は地形的・地理的条件により流氷ができる海洋として北半球で最も低緯度に位置する季節海氷域となっている[8]。流氷下にはアイスアルジー(海氷内や海氷の底で増殖する藻類)が増殖し、流氷形成時の鉛直混合により作られる栄養塩の豊富な中層水が表層に運ばれることで植物プランクトンの大増殖が生じ、それを餌とする動物プランクトン、高次消費者である魚類や海棲哺乳類(海獣)、陸上の生物にまでつながる食物連鎖が形成されている[9]。海岸から山頂までの標高差は約1,600m程であるが、比較的低い標高域から高山帯にあるハイマツの低木林や高山植物群落が発達するなど、多様な植生が垂直的に分布している[9]

知床半島には手つかずの原生的な自然が残されているため、かつて北海道に広く生息していた北方及び南方由来の哺乳類鳥類がほとんどすべて生息しており、多様性に富んでいる[6]ヒグマエゾシカといった大型種が高密度で生息していることは、知床半島が哺乳類にとって質の高い生息地となっていることを表しており、特にヒグマは世界有数の高密度状態で維持されている[6]。また、天然記念物に指定されているシマフクロウオジロワシクマゲラ繁殖オオワシ越冬が確認されており、周辺地域はシマフクロウにとって日本国内で繁殖するつがいの約半数が生息している最も重要な繁殖地であり、オオワシにとっては越冬個体数が1,000羽以上になる世界的に重要な越冬地になっている[6]。河川では、サケ類が著しく優占していることが大きな特徴となっている[6]

川:岩尾別川、カムイワッカ川、ルシャ川、テッパンベツ川、アウンモイ川、ルサ川、ケンネベツ川、サシルイ川、羅臼川


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