知床半島
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この項目では、知床半島そのものについて説明しています。世界遺産としての知床については「知床 (世界遺産)」をご覧ください。

座標: .mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯44度02分00秒 東経145度05分00秒 / 北緯44.033333度 東経145.083333度 / 44.033333; 145.083333知床半島のランドサット衛星写真
スペースシャトル標高データ使用。

知床半島(しれとこはんとう)は、北海道東部の斜里郡斜里町目梨郡羅臼町にまたがる、オホーツク海の南端に突出した半島[1]。長さ約70km、基部の幅が25kmの狭長な半島であり、西側がオホーツク海、東側が根室海峡に面している。また、半島東側には国後島が平行する形で横たわっている[1]
地名の由来

アイヌ語の「シ?・エト?(シレトク、sir etok)」または「シ?・エトコ(sir-etoko)」(地山の先、あるいは地山の突き出た所、陸地の突端部、岬)を意味している[2][3]。元々は知床半島全体を指す地名ではなく知床岬の東側にある小さなの地名だったとされている[3]
地理・地質.mw-parser-output .locmap .od{position:absolute}.mw-parser-output .locmap .id{position:absolute;line-height:0}.mw-parser-output .locmap .l0{font-size:0;position:absolute}.mw-parser-output .locmap .pv{line-height:110%;position:absolute;text-align:center}.mw-parser-output .locmap .pl{line-height:110%;position:absolute;top:-0.75em;text-align:right}.mw-parser-output .locmap .pr{line-height:110%;position:absolute;top:-0.75em;text-align:left}.mw-parser-output .locmap .pv>div{display:inline;padding:1px}.mw-parser-output .locmap .pl>div{display:inline;padding:1px;float:right}.mw-parser-output .locmap .pr>div{display:inline;padding:1px;float:left} 知床半島の位置

半島中央部に最高峰の羅臼岳をはじめとする山々(知床連山・知床連峰・山の一覧は後述)があり、一部に海岸段丘が見られる他は稜線から海岸まで平地がほとんど見られない急峻な半島となっている[1]。このうち、知床岬から知西別岳一帯と周辺の海洋区域約60,000ヘクタールが「知床国立公園」となっており[4]、「遠音別岳原生自然環境保全地域」を含む71,100ヘクタールが「世界自然遺産登録地域」となっている[5]

知床半島はプレート運動火山活動、海食などの地形形成作用により造成されていることから、奇岩や海食崖、火山地形などの多様な景観が形成されている[1]
気候流氷に覆われた知床半島・国後島沿岸海域(上)と、初夏の同地域(下)
アメリカ航空宇宙局(NASA)作成)

知床半島はオホーツク海に突き出していることから海洋の影響を強く受け、道東の中で最も積雪量の多い地域の1つとなっている[1]。また、知床連山は半島の東西の気候に影響を及ぼし、気温や降水量に大きな地域差を生んでいる[1]。東に位置する羅臼側は、夏期に湿気を含んだ海からの南東風が知床連山に当たるため雨が多く、海霧により低温になる。冬期は海洋性気候の影響により降雪が比較的多く、気温も比較的高くなる[1]。一方、西に位置する斜里側は、夏期は知床連山の北でフェーン現象により高温地域になり、降水量が少ない[1]。冬期は北西季節風の影響に加えて、流氷が海水に比べ太陽光線をより反射してしまう効果や、流氷がその下の海水からの熱を遮断する効果により気温が低下する[1]

オホーツク海は地形的・地理的条件により流氷ができる海洋として北半球で最も低緯度に位置する季節海氷域となっている[6]。流氷下にはアイスアルジー(海氷内や海氷の底で増殖する藻類)が増殖し、流氷形成時の鉛直混合により作られる栄養塩の豊富な中層水が表層に運ばれることで植物プランクトンの大増殖が生じ、それを餌とする動物プランクトン、高次消費者である魚類や海棲哺乳類(海獣)、陸上の生物にまでつながる食物連鎖が形成されている[7]
生物

知床半島には、比較的低い標高域から高山帯の植生であるハイマツの低木林や高山植物が発達し、多様な植生が垂直的に分布している[8]。海岸には、断崖や土壌未発達地を中心に高山帯・寒帯から亜高山帯・亜寒帯植物が主体となる群落が成立している[8]。低標高地の森林は、ミズナライタヤカエデなどからなる冷温帯性落葉広葉樹林トドマツアカエゾマツなどからなる亜寒帯性常緑針葉樹林とこれらが混生した混交林がモザイク的に併存している[8]森林限界を越えると、ハイマツ低木林が非常に広く発達し、その中に風衝地、雪田、湿原群落が局在している[8]。高山植生は、比較的低い標高であるにもかかわらず多様な植物群落から構成されている[8]

植物相は北方系と南方系の植物が混在し、多様な植物相を形成している[8]。知床半島の陸上の維管束植物は107科872種からなり、そのうち233種が高山植物となっている[8]。この中にはシレトコスミレ、チシマコハマギク、エゾモメンヅルなどの希少種を含んでいる[8]。知床半島沿岸海域は、千島列島やサハリンにも分布域を持つ寒流系の海藻と北海道以南に分布域を持つ暖流系の海藻の両系が見られ、季節海氷域でありながら暖流系の海藻を多く含む特異な海藻相となっている[8]。海藻は知床半島沿岸で140種の生育が確認されている[8]。この中には分布域の狭い固有種のアツバスジコンブも含まれる[8]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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