知多半島
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知多半島(左)、渥美半島(下)、三河湾(間)のランドサット衛星写真。スペースシャトル標高データ使用。拡大
Clip 知多半島の周辺

知多半島(ちたはんとう)は、愛知県西部、名古屋市豊明市刈谷市の南に突き出した半島。西は伊勢湾、東は知多湾三河湾に挟まれている。南は伊良湖水道を経て太平洋に通じている。愛知県南北部。蟹の足の様に渥美半島と向き合っている。
地理

比較的細長い半島で、平地は狭く、ほとんどが緩やかな丘陵からなっている。海岸段丘の切り立った海岸も多い。最先端は南知多町にある羽豆岬である。

丘陵は地形的には愛知県中部を縦断する尾張丘陵の南に続くかたちとなっており、鞍流瀬川より南が大府丘陵、さらに阿久比川大田川より南が知多丘陵となっている[1]

地方自治体としては、東海市大府市知多市常滑市半田市知多郡東浦町阿久比町武豊町美浜町南知多町の5市5町の全域、および名古屋市緑区豊明市の一部が該当する。人口618,747人、面積392.05km²、人口密度1,578人/km²。(2024年3月1日、推計人口)。大府市と阿久比町は海に面していない。美浜町と南知多町は伊勢湾と三河湾の両方に面している。
経済・地理陶栄窯(常滑市)ミツカン本社(半田市)千鳥ヶ浜(南知多町)

東岸を走るJR武豊線沿いの武豊町、半田市には臨海工業地帯が発展している。また、西岸中部の常滑市は古くから焼き物(常滑焼)産地として知られ、明治時代からは陶製土管など陶器の大生産地である。西岸北部の東海市、知多市の沿岸部は名古屋港から続く埋立地に工場が連なり、中京工業地帯コンビナートとなっている。西三河地域に接する東岸北部の大府市東浦町では自動車産業の集積が見られる。醸造業も盛んであり、ミツカンが半田市に本社を置くほか、サントリーグループがウイスキー「知多」を生産している。

半島北部と対照的に南部は工業化が進んでおらず、漁港が点在する。西岸では砂浜がよく残り、内海海水浴場などを抱える名古屋圏の行楽地となっている。

知多半島のほぼ全域は名古屋鉄道常滑線河和線知多新線)により名古屋圏と結ばれている。特に北部では住宅地開発が盛んで、企業が集積する名古屋市や西三河地方への通勤者も多い。また知多半島道路の整備により半田市、武豊町の内陸部の発展が著しい。

2005年には、常滑市沖を埋め立てた人工島中部国際空港が開港し、知多半島が東海地方の海外に向けた空の玄関となっている。

大きなが無い知多半島は古来水不足であった。岐阜県内から水を引く愛知用水(1961年開通)により、ようやく住民や観光客向けの水道水や農業用水工業用水の需要を満たせるようになった。

かつて大府市の近崎(ちがさき、近世に行われた干拓事業により後に内地化)、半田市の亀崎、南知多町の鳶ヶ崎を「知多三崎」と称した。
交通インフラ中部国際空港
道路

国道23号名四国道

国道155号

国道247号

国道302号名古屋環状2号線

国道366号

愛知県道511号武豊大府自転車道線(知多半島サイクリングロード)

名古屋高速道路

伊勢湾岸自動車道

知多半島道路知多中央道路

南知多道路(知多中央道路)

中部国際空港

知多横断道路セントレアライン

中部国際空港連絡道路(セントレアライン)

西知多産業道路

空港

中部国際空港

鉄道

東海道本線

武豊線

名鉄常滑線

名鉄空港線

名鉄河和線

名鉄知多新線

名古屋臨海鉄道

衣浦臨海鉄道

10市町の概要

律令時代、知多半島は尾張国に所属した。したがって、稲沢市に有ったとされる尾張国国府に服属していた。

北部は早くから中京工業地帯の一角を形成していた。特に北西部では製鉄・石油化学・火力発電などが発達し、北東部には自動車製造業の進出がみられる。近年は名古屋市の衛星都市化進行で人口増加が著しい。一方武豊町より南の地域は第1次産業を主体とした漁村地域で、少子高齢化が進み人口も減少傾向にある。全国区の話題となった南セントレア市は、美浜町と南知多町が合併して誕生する予定だった市名である。しかし住民投票の結果合併案は否決され、2町は当分単独行政を続けることとなった。
大府市
知多・名古屋・三河を結ぶ交通網の要衝であり、愛三工業豊田自動織機住友重機械工業などの大企業が軒並み本社・主力工場を構える工業都市。丘陵部では都市近郊農業が行われ、ブドウ伊勢いもは県内一位の生産量を誇る。東浦町にまたがるウェルネスバレーは、健康・医療・介護・福祉関連の機関の一大集積地として開発が進んでおり、健康都市連合にも加盟している。
東海市
日本製鉄名古屋製鐵所大同特殊鋼愛知製鋼の本社が立地する製鉄業の市で、儒学者細井平洲の出身地でもある。カゴメの創業地である。また、洋ランの栽培が盛んなことから「鉄とランの街」とも呼ばれる[2]
知多市
火力発電の町で、近年は名古屋市のベッドタウンとしても発達している。中でも岡田地区は江戸時代から昭和30年代まで知多木綿の生産地として栄えた[3]


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