矢岳駅
駅舎(2017年3月)
やたけ
Yatake
◄大畑 (9.5 km) (7.3 km) 真幸►
矢岳駅(やたけえき)は、熊本県人吉市矢岳町にある、九州旅客鉄道(JR九州)肥薩線の駅である。
肥薩線の山線と呼ばれる険しい区間にある駅の一つで、肥薩線で最も高く標高約536.9メートルの地点に位置する[3]。2000年3月12日のダイヤ改正で急行「えびの」が廃止されるまでは急行停車駅であった。 駅建設時は、藍田村大字大畑という地名であったが、矢岳山を貫く矢岳第一トンネルが近くにあることから矢岳駅と称することになり、そこから後に町名も矢岳町となった。駅開設当時は僻地で、利用が少ないと心配されていたが、やがて運送業者や木材業者が集まるようになり、木炭や木材の積み出しで賑わうようになった。第二次世界大戦後は開拓者の入植もあり、昭和30年代には約160戸780人が矢岳町に住んでいた[3]。 単式ホーム1面1線のみの地上駅[1]。最盛期には、単式ホームの向かいに島式ホームがあって、線路も上下線合計3線に加え、貨物の積み下ろし用の線路も3本存在していた[3]。木造駅舎を有する。 無人駅だが、日本三大車窓に数えられる観光区間に位置するため、駅舎の待合室には駅ノートが設置されている。また汲み取り式便所が設置されている。駅構内には蒸気機関車(SL)の展示館があり、D51 170が展示されている。並べて展示されていた58654(8620形)は、1988年に現役復帰した。 駅正面に小さな集落と田畑がある。鉄道開通までは陸の孤島であったというが開通と同時に集落が形成された。大正時代半ばには駅弁販売も行われていた。
歴史
年表
1909年(明治42年)11月21日:鹿児島本線の一部として鉄道院が開設[2]。
1927年(昭和2年)10月17日:海岸ルート(川内本線)全通に伴い肥薩線所属駅となる[4]。
1972年(昭和47年):構内にSL展示館開設。
1974年(昭和49年)10月1日:貨物取扱廃止[5]。
1984年(昭和59年)2月1日:荷物扱い廃止[5]。
1986年(昭和61年)11月1日:駅員無配置駅となる[6]。
1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化によりJR九州が継承[7]。
2007年(平成19年)11月30日:矢岳駅とSL展示館の保存車(蒸気機関車D51 170)が南九州近代化産業遺産群の物資輸送関連遺産の1つとして選ばれる[7][8]。
2020年(令和2年)7月4日:令和二年7月豪雨による営業休止。
駅構造
待合室内観
ホーム(2017年3月)
駅名標
ホームにある標高標識
構内にある人吉市SL展示館
構内に展示されているD51 170
駅周辺
Size:22 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
担当:undef