瞳の中の暗殺者
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名探偵コナン 瞳の中の暗殺者
Detective Conan
Captured in Her Eyes
監督こだま兼嗣
脚本古内一成
原作青山剛昌
出演者高山みなみ
山崎和佳奈
神谷明
山口勝平
茶風林
緒方賢一
高島雅羅
岩居由希子
高木渉
大谷育江
林原めぐみ
音楽大野克夫
主題歌小松未歩あなたがいるから
撮影野村隆
編集岡田輝満
制作会社トムス・エンタテインメント
製作会社小学館
よみうりテレビ
小学館プロダクション
ポリドール
東宝
トムス・エンタテインメント
配給東宝
公開 2000年4月22日
上映時間100分
製作国 日本
言語日本語
興行収入25億円[1][2][3][4][5][6][7]
前作名探偵コナン 世紀末の魔術師
次作名探偵コナン 天国へのカウントダウン
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『名探偵コナン 瞳の中の暗殺者』(めいたんていコナン ひとみのなかのあんさつしゃ)は、2000年4月22日に公開された劇場版『名探偵コナン』シリーズの第4作目にあたる劇場版アニメである。上映時間は100分。興行収入は25億円[1][2][3][4][5][6][7]キャッチコピーは「蘭の瞳に隠された狙撃犯(スナイパー)を探せ!」[8]「Need not to know....」。20世紀最後の名探偵コナン劇場版シリーズでもある。
概要
作品概要

本作は、主人公江戸川コナン(工藤新一)とヒロイン・毛利蘭の関係をメインにした内容になっている。そのため、アバンタイトルの回想シーンにおいて、テレビアニメ第1話「ジェットコースター殺人事件」で新一と蘭がトロピカルランドにてデートしているシーンが新たに描かれている。また、新一が蘭の頬にコーラの缶をくっつけるシーンがあるが、単行本4巻「大都会暗号マップ事件」の回想で登場するワンシーンと同じ構図で描かれている。このシーンは、テレビアニメ版ではカットされていた。

冒頭の作品解説のうち、新一の新聞記事から体が縮んで蘭にコナンと名乗るまでのアニメーションは、本作から背景が変更されている。新一と蘭とウォッカが登場するシーンの背景は、トロピカルランドの城と床のデザイン・左右の店舗が変更されており、観覧車がなくなっている。

テレビアニメ版からは、警視庁捜査一課の刑事たち(佐藤美和子千葉和伸)が初登場。また、前々作『14番目の標的』に登場した妃英理の秘書が、栗山緑という名前を与えられて再登場している。

劇場版シリーズの恒例となる小学生を対象としたアフレコ体験が、本作で初めて行われた。このアフレコ体験は、コナン役の高山みなみが直接指導をしている。

冒頭のメインテーマはテレビアニメ版からのアレンジであり、オープニング映像の容疑者たちのバックにはこれまで使用されたアニメ作品の主題歌のタイトルが英語やローマ字のキーワードとして流れている[9]

白鳥任三郎を演じていた塩沢兼人は本作の公開1か月後の2000年5月10日に死去した(詳細は塩沢の記事を参照)[10]ため、次作『天国へのカウントダウン』以降は本作で風戸京介を演じた井上和彦が白鳥を演じている。

アメリカ合衆国ではファニメーションによる英語吹き替え版が制作された。英語名は「Case Closed: Captured in Her Eyes」[11]
製作状況

今回の目玉はトロピカルランドであり、本作制作当時のテレビアニメ版では入口やお城などは描かれていなかったが、本作では徹底的に描こうと美術監督の渋谷幸弘ら背景スタッフは志摩スペイン村富士急ハイランドなど[注 1]の日本各地の遊園地を取材したうえ[12]UnoのCMに出たペンギンなどが出てくるアトラクションやパレードなどを加え、コナン版・東京ディズニーランドを完成させた[13]。また、前作までのコナンたちが訪れた建造物はすべて爆破や放火によって壊滅しているが、本作はコナンと蘭がトロピカルランド内での逃避行を展開することからそういった被害はまったく受けず、爆発物が使われた理由も「ホテルのフロアを停電させるため」という非常に小規模なものになっている。
評価

2016年に開催された歴代映画19作品の人気投票では、第3位を獲得した[14]

2020年1月に『金曜ロードSHOW!』で実施された人気投票(過去3年以内に放送された作品を除く歴代映画15作品)では、第1位を獲得した[15]。この結果を受け、同年2月7日には同枠での初放送が行なわれた[15]。なお、放送枠の尺の都合上、一部シーン並びにエンディングがカットされた。
ストーリー

ある雨の日、灰原哀を除く少年探偵団は、奈良沢治警部補拳銃で撃たれたのを目撃する。コナンに犯人を尋ねられた奈良沢が自分の左胸を掴んで死亡したことに加え、犯人が右手で傘を持っていたという証言から、目暮警部らは犯人が左利きであると推理し、奈良沢の行動については懐中の警察手帳を示したものと解釈する。その日の夜、マンションの地下駐車場では芝陽一郎巡査部長が射殺される。毛利小五郎はその事件について目暮に電話するが、情報の提供を拒まれる。

そんな中、白鳥警部の妹である沙羅の結婚を祝う会が開催され、コナン毛利蘭・小五郎は妃英理とともに出席する。米花サンプラザホテルではホテルに設けられたパーティー会場には、小五郎の刑事時代の上司・小田切敏郎警視長をはじめとする警察官や、敏郎の息子でミュージシャンの小田切敏也、白鳥の主治医も務める心療科医師である風戸京介らの姿があった。コナンと小五郎は、高木刑事から芝も警察手帳を握って死んでいたことを聞き出すが、白鳥に「Need not to know」(知る必要の無いこと)という警察関係者の隠語を言われ、これ以上の詮索は止めるように促される。このことから、コナンは今回の事件には警察の上層部、あるいは警察組織全体が関与している疑いがあることを知る。

蘭と佐藤刑事トイレに行くと、パーティー会場の階だけが停電する。化粧台の物入れ内に点灯した状態の懐中電灯を発見した蘭はそれを取り出すが、その光が犯人に照らしたことで佐藤が蘭を庇おうとした際に銃撃され、自分のせいだとショックをうけて蘭も気絶する。蘭と佐藤は救急車で病院に緊急搬送され、ホテルの全出入口が封鎖されるが、警察官を含む現場にいた全員から硝煙反応が出ず、コナンがパーティー会場で見かけた友成真と仁野環は、封鎖前に姿を消していた。

佐藤は重傷で命が危ぶまれ、蘭は外傷こそなかったものの記憶喪失を発症し、自分の名前すら思い出せない状態に陥る。蘭の記憶喪失が佐藤への銃撃の原因を作った責任を感じたためであることを知った目暮は、免職を覚悟で小五郎たちに捜査情報を話すことを決める。

昨年の夏、執刀ミスで患者に訴えられていた外科医・仁野保が死亡した事件を、友成信勝という警部が奈良沢や芝、佐藤と共に捜査していた。信勝たちは保が口論していたという男性の近所への張り込みに赴くが、その最中に信勝は心臓発作を起こし、奈良沢たちが救急車を呼ぼうとしたものの信勝は張り込み中であることを理由に拒んだ末、佐藤に連れられて病院へ行くも死亡した。一方、奈良沢と芝はその男性が敏也であることを知った。元々自殺の線が濃く、信勝の急死も重なって事件は自殺と断定されるが、保の妹である環は自殺を否定しており、信勝の息子である真は父の真意にかかわらず警察に恨みを持っていた。

奈良沢、芝、佐藤は独自にこの事件の再捜査をしていた。目暮たちはこれが今回の事件に関係があると見ており、真がその各現場付近で目撃されたうえに左利きだったことから、彼を指名手配する。また、保の死が他殺であるのならその犯人も左利きであるが、保と真に繋がりがないことから、左利きの敏也や敏郎がその容疑者として浮上する。

蘭の周辺に何者かの気配を感じたコナンは、蘭が犯人を見ていて命を狙われることを懸念し、高木と千葉刑事が交代で護衛に就くが、蘭は英理やコナンたちと買い物に出た際、高木の隙を突いた何者かによって線路へ突き落とされる。コナンに命懸けで救われた蘭はかすり傷程度で済むが、こちらから攻める必要性を感じたコナンは本格的に捜査を開始する。

パーティー会場に置かれていた傘を見て硝煙反応を出さずに銃を撃つトリックを見抜いたコナンは、敏也のいるライブハウスを訪ね、そこにいた環を見て彼女がパーティー会場にいた目的が敏也の尾行だったことを知る。コナンは環とともに敏郎の家を訪ね、敏郎から敏也が保を恐喝していたことや、奈良沢たちの再捜査が敏郎の命令によるものだったことを聞く。

蘭はかつて新一とともに行ったトロピカルランドに見覚えがあると言い出し、コナンを危険な目に遭わせることを懸念して彼には内緒で鈴木園子や小五郎とともにトロピカルランドへ行くことを決める。翌日、トロピカルランドを訪れた蘭に真が着ぐるみ姿で近付くが、少年探偵団から唐辛子入りの水鉄砲などで攻撃されて確保され、ナイフを持っていたために殺人未遂の現行犯で逮捕される。高木は真を本庁へ連行し、危険はなくなったと判断した小五郎も自身がいないほうが記憶を想起しやすいと考えて同行する。しかし、真がそれぞれの現場を訪れたのは犯人に呼び出されたためで、父の件で警察に不信感を持っていた真は小五郎に相談しようと近付いただけであり、ナイフも犯人への護身用ということだった。

コナンは捜査資料を環に見せてもらい、芝の警察手帳の持ち方からこれが何者かによる偽装工作である可能性を指摘し、環の右利きが矯正したものでとっさに左手を使ってしまうことがあると聞いた結果、真相に気付く。蘭がトロピカルランドへ行ったことを知って急行したコナンは、園内の展望台から少年探偵団、さらには蘭を狙っている犯人を発見して少年探偵団に蘭を守るよう探偵団バッジで指令する。状況を理解した阿笠博士が蘭を庇い、周囲の人々を巻き込みたくない蘭は単独で逃走するが、コナンは合流に成功する。

コナンは蘭を連れて犯人から逃走しつつ、彼に真相を突きつけていく。犯人は記憶喪失に陥った蘭の主治医でもあった心療内科医の風戸京介だった。風戸は元々若手ながら優秀な外科医として活躍していたが、8年前の手術中に利き腕である左手の筋を保に切られる事故に遭い、執刀していた患者は死亡した上、風戸自身も手術の腕前を低下させてしまう。そのことで自身の外科医としてのプライドから外科医を続けることを諦めた風戸は、心療科に転向し利き腕を右に矯正して日々を過ごしていたが、再会した保から事故が故意だったことを知り彼を自殺に見せかけて殺害した。当初は風戸の目論見通り保の死は自殺として処理されたのだが、後にカウンセリングのために訪れた奈良沢の口から、風戸は保の事件の再捜査を進められていたことと真が警察に恨みを持っていることを知り、真を事件の犯人に仕立て上げた上で自身へ捜査が及ぶのを防ぐべく奈良沢たちをも襲撃したのだった。奈良沢が胸を押さえた真相は「心療科」の「心」を指そうとしたものであり、風戸が芝に手帳を握らせたのは刑事の息子である真を連想させるためだった。佐藤の事件の際に風戸から硝煙反応が出なかったのは、穴を空けた傘から手袋をはめた左腕を突き出して佐藤を撃ったためであり、蘭が傘をさす妃英理の姿を見て苦しんだのは、傘から拳銃を突き出して佐藤を撃つ風戸の姿を思い出しかけていたためであった。

コナンと蘭は広場に追い詰められるが、そこは定期的に噴水が吹き出すようになっており、それを知っていたコナンは噴水に守られ、その終了直後にキック力増強シューズで風戸を失神させる。しかし、風戸はまもなく意識を取り戻すとナイフでコナンに襲いかかる。それに際し、新一とのデートの思い出や、噴水から風戸の左腕だけが突き出された光景によって記憶を取り戻した蘭は、空手で彼を制圧する。まもなく、敏郎の再捜査で真相へたどり着いた警察が駆けつけて風戸を逮捕し、佐藤が意識を取り戻したという連絡も入る。敏也の脅迫事件を追及するよう目暮に指示した敏郎は、先に真相へたどり着いたコナンを不思議に思って声をかけるが、彼に「Need not to know, 僕はただの小学生だよ」と返され、敬礼して立ち去るのだった。
登場人物
レギュラーキャラクター「名探偵コナンの登場人物」も参照
江戸川 コナン(えどがわ コナン)
- 高山みなみ本作の主人公。本来の姿は「東の高校生探偵」として名を馳せている工藤新一だが、黒ずくめの組織に飲まされた毒薬・APTX4869の副作用で小学生の姿になっている。記憶喪失になった蘭を犯人から守るために、独自に一連の事件の捜査に乗り出す。父・優作からハワイでモーターボートの操縦を教わっていた事が判明する。
毛利 蘭(もうり らん)
声 - 山崎和佳奈本作のヒロイン兼キーパーソン。新一の幼馴染かつガールフレンド。都大会で優勝するほどの空手の達人。犯人の銃撃で重傷を負う佐藤刑事に居合わせ、そのショックで記憶喪失になってしまう。その後、時間の経過と共に記憶が戻りかけ、犯人に狙われる事を恐れつつも、自分を取り戻すために勇気を奮ってトロピカルランドへ向かう決意をする。
毛利 小五郎(もうり こごろう)


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