真骨類
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真骨類
生息年代: Early Triassic?
現世[1] Pre??OSDCPTJKPgN
様々な真骨類
分類

:動物界 Animalia
:脊索動物門 Chordata
亜門:脊椎動物亜門 Vertebrata
上綱:顎口上綱 Gnathostomata
:硬骨魚綱 Osteichthyes
亜綱:条鰭亜綱 Actinopterygii
:新鰭類 Neopterygii
亜区:真骨亜区
Teleostei J. P. Muller, 1845[2]

英名
Teleost[3]
下位分類群
(本文参照)

真骨類(しんこつるい)は魚類の系統群。真骨魚類とも呼ばれる。分類階級は真骨亜区(Teleostei)。現生魚類の中の多数を占めるグループで、約40と25,000以上のを含む。体長7 mを超えるリュウグウノツカイ、体重2トンを超えるウシマンボウから、成熟しても全長6.2 mmにしかならないヒカリオニアンコウの雄まで、大きさは様々である。形態も多様で、速く泳ぐ流線型の魚、縦扁や側扁した魚、細長い円筒型の魚、タツノオトシゴのように特殊な魚などがある。

真骨類と他の硬骨魚類との違いは主に顎の骨にあり、可動性の前上顎骨とそれに付随する筋肉により、顎を突き出す事ができる。これにより、獲物を掴んで口に引き込む事が可能になる。より派生した分類群では上顎骨がレバーの役割を果たし、口を開閉する際に前上顎骨を動かす。また口の奥にある骨により、食べ物を磨り潰して飲み込むことが出来る。もう一つの違いは尾鰭にあり、尾鰭の上葉と下葉がほぼ等しく、脊椎は尾柄で終わり、尾鰭の上側に少しだけ伸びている。

殆どの種は体外受精を行い、子育てはしない。雌雄同体の種も多く、その中でも雌性先熟の種が多い。胎生の種や、親が卵を守る種も知られている。

人間にとっては経済的に重要であり、漁獲されて食用にされたり、スポーツフィッシングの対象になったりする。また養殖も盛んに行われている。水族館で飼育されたり、遺伝学発生生物学の研究対象にもなる。
解剖学的特徴頭部骨格

真骨類の際立った特徴として、可動性の上顎骨、尾鰭前部の細長い椎弓、非対称の鰓にある咽頭歯板がある[4]。前上顎骨は脳函と離れており、口を突き出して円形の開口部を作り出す。これにより口内の圧力が下がり、獲物が吸い込まれる。その後下顎と上顎を引いて口を閉じ、獲物を掴む。単に顎を閉じるだけでは食べ物が口から出てしまうため、より進化した分類群では、前上顎骨が肥大し、歯が存在している。対して上顎骨に歯は無い。上顎骨は前上顎骨と下顎を前方に押し出す役割がある。口を開く際は筋肉によって上顎上部が引かれ、下顎が前方に押し出される。また上顎骨が僅かに回転することで、骨突起が前上顎骨と噛み合って、前上顎骨が押し出される[5]

咽頭顎は咽頭にある第2の顎で、鰓を支える5つの鰓弓から成る。前方3つの鰓弓は下鰓骨角鰓骨上鰓骨咽鰓骨をそれぞれ2つずつ、基鰓骨を1つ含む。中央の基鰓骨は歯板で覆われる。4つ目の鰓弓は角鰓骨と上鰓骨2つずつから成り、咽鰓骨と基鰓骨を含む場合もある。下顎基部は5つ目の鰓弓から成り、上顎基部は2 - 4つ目の鰓弓から成る。より原始的な真骨類では、咽頭顎は脳函肩帯舌骨に付属しており、遊離した薄い部分となっている。その機能は食物の運搬のみで、多くは下顎の活動に頼る。より派生した分類群では、顎がより強力であり、左右の角鰓骨が融合している。咽鰓骨が融合して脳函と結合し、大きな上顎を形成している。また咽鰓骨が食物を運ぶだけでなく、粉砕することができるように、筋肉が発達している[6]尾鰭は対称的

尾は正形尾で、多くは尾軸下骨を持つ。脊椎は尾柄で終わり、古生代の魚類のように尾鰭上葉まで伸びたりはしない。椎弓は伸長し、上葉を支える部位を形成する[5]。椎骨の後端で尾骨が発達し、尾鰭を支えている[7]

原始的な魚類と比べて、体の柔軟性が高く、より素早い。体骨格は完全に化骨し、その骨は軽量化されている。骨は石灰化しているが、全骨類のような緻密な海綿骨では無い。さらに下顎は歯骨、角骨、後関節骨から成る[8]菱形硬鱗ではなく軽量化された薄い円鱗となっている。
進化と分類
分類

真骨類は1845年、ドイツの魚類学者であるヨハネス・ペーター・ミュラーによって独自の分類群として位置づけられた[9]。その名の由来はギリシア語の「Teleios (完全な) 」+ 「osteon (骨)」である[10]。ミュラーは特定の軟組織に基づき真骨類を定義したが、化石分類群の特徴は考慮していなかった。1966年、Greenwoodらにより新たに定義され、より確実な分類が行われた[9][11]。真骨類のステムグループであるteleosteomorphsの最古の化石は三畳紀に遡り、Prohalecites やフォリドフォルスが知られている[12][13]。しかし、真骨類は古生代には既に生まれていた可能性がある[14]中生代新生代の間に多様化し、現存する魚類の96 %を占めるまでになった[15]

以下の系統樹は、真骨類とその他硬骨魚類の系統を示しており[14]デボン紀に分化した四肢動物についても示してある[16][17]。分化年代についてはNear et al. (2012)を参考[14]。.mw-parser-output table.clade{border-spacing:0;margin:0;font-size:100%;line-height:100%;border-collapse:separate;width:auto}.mw-parser-output table.clade table.clade{width:100%}.mw-parser-output table.clade td.clade-label{width:0.7em;padding:0 0.15em;vertical-align:bottom;text-align:center;border-left:1px solid;border-bottom:1px solid;white-space:nowrap}.mw-parser-output table.clade td.clade-fixed-width{overflow:hidden;text-overflow:ellipsis}.mw-parser-output table.clade td.clade-fixed-width:hover{overflow:visible}.mw-parser-output table.clade td.clade-label.first{border-left:none;border-right:none}.mw-parser-output table.clade td.clade-label.reverse{border-left:none;border-right:1px solid}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel{padding:0 0.15em;vertical-align:top;text-align:center;border-left:1px solid;white-space:nowrap}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel:hover{overflow:visible}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel.last{border-left:none;border-right:none}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel.reverse{border-left:none;border-right:1px solid}.mw-parser-output table.clade td.clade-bar{vertical-align:middle;text-align:left;padding:0 0.5em;position:relative}.mw-parser-output table.clade td.clade-bar.reverse{text-align:right;position:relative}.mw-parser-output table.clade td.clade-leaf{border:0;padding:0;text-align:left}.mw-parser-output table.clade td.clade-leafR{border:0;padding:0;text-align:right}.mw-parser-output table.clade td.clade-leaf.reverse{text-align:right}.mw-parser-output table.clade:hover span.linkA{background-color:yellow}.mw-parser-output table.clade:hover span.linkB{background-color:green}

Euteleostomi/

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輻鰭下綱

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