真空放電
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この項目では、工学、物理学について説明しています。その他の用法については「真空 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
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出典検索?: "真空" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2011年7月)

真空(しんくう、: vacuum)は、通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間の状態[1]

また物理学における概念として、古典論における絶対真空、量子論における真空状態を指す場合にも用いられることがある。

真空を物理学の古典論における絶対真空でいう物質が存在しない空間のように思われることがあるが、微視的ではない大きさの空間で物質が存在しない状態の実現は不可能である。(物理学の古典論における絶対真空を参照)真空を実証するポンプ.mw-parser-output .toclimit-2 .toclevel-1 ul,.mw-parser-output .toclimit-3 .toclevel-2 ul,.mw-parser-output .toclimit-4 .toclevel-3 ul,.mw-parser-output .toclimit-5 .toclevel-4 ul,.mw-parser-output .toclimit-6 .toclevel-5 ul,.mw-parser-output .toclimit-7 .toclevel-6 ul{display:none}
各分野における真空の語義
一般利用での真空

日本産業規格 (JIS)では「通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間内の状態」とされている。

真空の状態は真空ポンプを用いて容器内部の気体を排気することで得ることができる。真空度は対象の空間に存在する気体原子・分子が外壁に及ぼす圧力で表される。単位はTorr(トル)が用いられてきたが、国際単位系への統一に伴いPa(パスカル)に移行しつつある。1 atm=1.01325×105 Pa=760 Torrである。真空度は言葉のイメージと表現が逆になるので注意が必要である(例:真空度が高い(高いレベルの真空度である)=圧力が低い)。

一般的な圧力と同じくゲージ圧と絶対真空度があり、それぞれ所謂ゲージ圧絶対圧に対応している。丁度摂氏温度(℃)と絶対温度(K)のように、大気圧を0Paとしてそこからの変位量を示したものがゲージ圧。絶対真空を0Paとしてそこからの積算を示したものが絶対真空度である。

但しゲージ圧真空度の場合、所謂ゲージ圧として真空状態を「ゲージ圧?100kPa」のように負の値で表す場合と、別の単位として扱って「ゲージ圧真空度100kPa」のように正の値で表す場合、更に「ゲージ圧真空度?100kPa」のように表す場合があるので、仕様確認時に絶対真空度かどうかと合わせて確認する必要がある。尚、絶対真空度の場合は「1.33×10-7kPa(abs)」のように注記が入ることがある。
ISOにおける真空の領域の区分

ISO 3529-1では真空を圧力領域により次のように区分している。

領域英語名圧力範囲地球大気での同等の気圧の地点の地上からの距離
低真空Low Vacuum100 kPa?100 Pa地上?約60 km
中真空Medium Vacuum100 Pa?0.1 Pa約60 km?約90 km
高真空High Vacuum0.1 Pa?10−5 Pa約90 km?約250 km
超高真空Ultra-high Vacuum10−5 Pa以下約250 km?

尚この超高真空より真空度の高い領域(主に10−8または10−9 Pa以下)として極高真空 (Extreme High Vacuum、XHV) という用語も使用されることがあるが、ISOでは定められていない。
物理学の概念としての真空
古典論における絶対真空

古典論において、真空は物質が存在せず・圧力が 0 の仮想的状態、「何も無い状態」である。 絶対真空ともいう。

これは概念的なものであり、実際に実現可能なものではない。

絶対真空とは空間中に原子・分子が一つも存在しない状態を表すが、具体的な方法で実現可能な真空状態(本稿で言う一般利用の真空状態)には物質が存在し圧力が観測される。例えば地球の表面上の圧力(1気圧)= 100 kPaの条件の下では1 cm3中の気体分子は0 ℃時で2.69×1019個[注釈 1]存在する。真空の実現とはその膨大な量の原子・分子を減らしていく過程であるが、人為的に作り出せる真空状態の限界は10−11 Pa程度である。この圧力下でも1 cm3に数千個の気体分子が存在する。宇宙空間においても空間中に物質が何も存在しないわけではなく気体原子・分子は存在し、さらに外宇宙と呼ばれる銀河と銀河の間でも気体原子・分子は存在するとされている。
量子論における真空状態
詳細は「真空状態」を参照

量子論における真空は、決して「何もない」状態ではない。例えば常に電子陽電子仮想粒子としての対生成対消滅が起きている。[2]

ポール・ディラックは、真空を負エネルギーを持つ電子がぎっしりと詰まった状態(ディラックの海)と考えていたが[3]、後の物理学者により、この概念(空孔理論)は拡張、解釈の見直しが行われている。

現在の場の量子論では、真空とは、十分な低温状態下を仮定した場合に、その物理系の最低エネルギー状態として定義される。粒子が存在して運動していると、そのエネルギーが余計にあるわけであるから、それは最低エネルギー状態でない。よって十分な低温状態下では粒子はひとつもない状態が真空である。ただし、場の期待値はゼロでない値を持ちうる。それを真空期待値という。たとえば、ヒッグス場がゼロでない値をもっていることが、電子に質量のあることの原因となっている。
真空に関する歴史

真空の存在については古代ギリシア時代から、論争が繰り広げられてきた。紀元前5?4世紀、レウキッポスデモクリトス原子論は、自然を構成する分割不可能な最小単位「原子(アトム)」が「空虚(ケノン)」 の中で運動しているとした。一方、アリストテレスは、空間には必ず何らかの物質が充満しているとして、空虚の存在を認めなかった(自然は真空を嫌う(英語版))[注釈 2]。これに対して、アリストテレスの学派のストラトンは、空気を圧縮する実験によって、原子の距離を縮め得る余地(すなわち原子が存在しない空間=真空)の存在を主張した。

この議論に決着がついたのは17世紀に入ってからであった。1643年エヴァンジェリスタ・トリチェリは、一方の端が閉じたガラス管に水銀を満たし、このガラス管を立てると、水銀柱は約76cmとなり、それより上の部分が真空になっていることを発見した。[注釈 3]また、オットー・フォン・ゲーリケ1657年、ブロンズ製の半球を2つ合わせて中空の球にして、内部の空気を抜いて真空にするという実験を行った。この2つの半球はぴったりとくっ付き、16頭の馬で引っ張ることでようやく外すことができた。この実験はマクデブルクの半球として知られている。これらは真空の発見であると同時に、気圧の発見でもあった。何も存在しない以上、その空間が何らかの吸引力を発揮するわけがなく、周囲の空間からの圧力を想定しないわけにはいかないからである。

真空が一般化していくのは18世紀に入ってからである。この時期様々な真空ポンプが開発され、蒸気機関や、排水ポンプ、紡績機械などの動力に利用されるようになった。19世紀に入ると白熱電球や、真空管などが開発されることで一般に「真空」という名称が広がっていくことになる。またそれらの開発、製造のためのより高性能の真空ポンプの開発が進むようになった。

20世紀に入ると電球、真空管の進歩や、真空中における技術の発展により、粒子加速器電子顕微鏡など真空を利用した機器の発達、また電子イオンに関係する新たな知識、技術が生まれていった。一方で食品や鉄鋼などの産業に真空が利用されるようになると真空ポンプや真空計真空部品などが産業化され発展していった。日常生活では、空気を完全に抜いた真空パックや真空による氷の昇華を利用したフリーズドライという手法が広く実用化された。

特に1953年にB-Aゲージが開発されると今まで測定できなかった超高真空が測定可能となり、超高真空に対応した真空ポンプや真空部品が発展していくことになる。

現代における代表的真空利用は電子工業用途である。この分野の発展により真空関連産業は急速に発展し、今では多くの産業を支える基盤産業として貢献している。
真空の実現方法詳細は「真空ポンプ」を参照


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