真正細菌
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

この項目では、バクテリアについて説明しています。広義の細菌については「原核生物」をご覧ください。

細菌
大腸菌(Escherichia coli)
地質時代
太古代先カンブリア代) - 現代
分類

ドメイン:細菌 Bacteria

和名
細菌/真正細菌



アシドバクテリア門

アクウィフェクス門

アルマティモナス門

イグナウィバクテリウム門

ウェルコミクロビウム門

エルシミクロビウム門

カルディセリクム門

カルディトリクス門

キリティマティエッラ門

クラミジア門

クロロビウム門

クロロフレクサス門

クリシオゲネス門

ゲンマティモナス門

コプロテルモバクテル門

サーモデスルフォバクテリア門

シネルギステス門

スピロヘータ門

ディクチオグロムス門

デイノコックス・テルムス門

テネリクテス門

デフェリバクテル門

テルモトガ門

ニトロスピラ門

バクテロイデス門

バルネオラ門

フィブロバクター門

ファーミキューテス門

プランクトミケス門

プロテオバクテリア門

フソバクテリウム門

放線菌門

藍色細菌門

レンティスファエラ門

ロドテルムス門

細菌(さいきん、真正細菌、ラテン語: bacterium、複数形 bacteria、バクテリア)とは、古細菌真核生物とともに全生物界を三分する、生物の主要な系統(ドメイン)の一つである。語源はギリシャ語の「小さな杖」(βακτ?ριον)に由来する[1]。細菌は大腸菌枯草菌、藍色細菌(シアノバクテリア)など様々な系統を含む生物群である。通常1-10 μmほどの微生物であり、球菌桿菌、螺旋菌など様々な形状が知られている。真核生物と比較した場合、非常に単純な構造を持つ一方で、はるかに多様な代謝系や栄養要求性を示す。細菌を研究する科学分野は微生物学(または細菌学)と呼ばれる。

細菌と古細菌は合わせて原核生物と呼ばれる。核を持たないという点で古細菌と類似するが、古細菌と細菌の分岐は古い。古細菌と比較して、遺伝システムやタンパク質合成系の一部に異なる機構を採用し、ペプチドグリカンより構成される細胞壁や、エステル型脂質より構成される細胞膜を持っているという点からも細菌は古細菌と区別される。1977年までは古細菌は細菌に含まれると考えられていたが、現在では両者はドメインレベルで別の生物とされる。

細菌の生息環境は非常に広く、例えば土壌淡水海水酸性温泉放射性廃棄物、そして地殻地下生物圏といった極限環境に至るまで、地球上のあらゆる環境(生物圏)に存在している。地球上の全細胞数は5×1030に及ぶと推定されており、その生物量は膨大である。また、その代謝系は非常に多様であり、細菌は光合成窒素固定有機物の分解過程など、物質循環において非常に重要な位置を占めている。熱水噴出孔冷水湧出帯などの環境では、硫化水素メタンなどの海水中に溶解した化学化合物が細菌によりエネルギーに変換され、近隣環境に生息する様々な生物が必要とする栄養素を供給している。植物や動物と共生寄生の関係になる細菌系統も多く知られている。地球上に存在する細菌種の大半は、未だ十分に研究がされておらず、その生態や物質循環における役割が不明である。研究報告がなされた細菌種は全体の約2%に過ぎないとも推定され[2]、実験室での培養系が確立していないものが大半である。

腸内細菌発酵細菌、病原菌など、ヒト(人間)をはじめとする他の生物との関わりも深い。通常、ヒトなどの大型生物は、何百万もの常在菌と共存している。例えば腸内細菌群は、多くの動物において食物の消化過程に欠かすことのできない要素である。ヒト共生細菌の大半は無害であるか、免疫系の保護効果によって無害になっている。多くの細菌、特に腸内細菌は宿主となる動物にとって有益な存在である。共生細菌に限らず、細菌の大半は病気などを引き起こす存在とは考えられていない。

しかし極一部のものは病原細菌として、ヒトや動物の感染症の原因になる。例えばコレラ梅毒炭疽菌ハンセン病腺ペスト呼吸器感染症など病原性を持ち感染症を引き起こす細菌が知られている。このような感染症を治療するために、ストレプトマイシンクロラムフェニコールテトラサイクリンなど、様々な細菌由来の抗生物質が探索され発見されてきた。抗生物質は細菌感染症の治療や農業で広く使用されている一方、病原性細菌の抗生物質耐性の獲得が社会的な問題となっている。

また、下水処理流出油の分解、鉱業におけるパラジウム等の金属回収などにも、細菌は広く応用利用されている。食品関係においては、微生物学が展開するはるか以前から、人類はチーズ納豆ヨーグルトなどの発酵過程において微生物を利用している。

細菌は対立遺伝子を持たず、遺伝子型がそのまま表現型をとり、世代時間が短く変異体が得られやすく、さらに形質転換系の確立によって遺伝子操作が容易である。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:276 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef