心身相互作用説(しんしんそうごさようせつ、英: Psycho-Physical Interactionism)とは、心身問題に関する考え方の一つで、この世には心的なものと物的なもの、という全く異なる二種類のものがあり(二元論)、かつその両者は相互作用している、とする考え方のこと。脳内の物質が意識の世界から影響を受け、物理法則とは異なる動きをすることがあるという考え方である。
対比される考え方として、心的なものは物的なものに完全に付随して生まれているという随伴現象説、そして心的なものと物的なものはお互いに影響を及ぼさずに並行して進んでいるという心身並行説がある。
一般に単に心身相互作用説とだけ書かれている場合は、デカルトの主張に代表される、精神と物質の相互作用を仮定するタイプの実体二元論のことを指していることが多い。心身相互作用説は、20世紀中ごろからは量子力学的な現象を関連させた仮説を提唱されることが多く、こうした例としてたとえばカール・ポパーとジョン・エックルズの理論などがある。 日本語のオープンアクセス文献
関連文献
大川 修司 ⇒「心身相互作用説とその背景」 科学基礎論研究 Vol.19, No.2(1989)pp.103-108
関連項目
実体二元論
相互作用
物理的領域の因果的閉包性
量子脳理論
外部リンク
(文献リスト)Interactionism (英語) - PhilPapers 「心身相互作用説」の文献一覧。
歴
心の哲学のトピックス
概念
心 - 意識 (志向性 - 現象的意識 - クオリア - アウェアネス - 意識の神経相関) - 心身問題 - 説明のギャップ - 意識のハード・プロブレム - 私はなぜ私なのか - 付随性 - タイプとトークンの区別 - 因果的閉包性 - 自由意志 - カルテジアン劇場 - 我思う、ゆえに我あり - カテゴリー錯誤 - 心のモジュール性 - 心の理論
一元論
物理主義(唯物論 - 行動主義 - 同一説 - 機能主義 - 計算主義)- 中立一元論 (性質二元論) - 観念論(独我論)
二元論
自然主義的二元論(汎心論、原意識) - 新神秘主義(認知的閉鎖) - 存在論(実体二元論 - 記述二元論) - 因果関係(相互作用説 - 随伴現象説 - 並行説)
その他
チューリング・テスト - 中国脳 - 中国語の部屋 - ブロックヘッド - コウモリであるとはどのようなことか - 哲学的ゾンビ - メアリーの部屋 - 逆転クオリア - 水槽の中の脳 - スワンプマン - ウォズニアック・テスト