白雲座(はくうんざ)は、岐阜県下呂市門和佐にある芝居小屋である。 江戸時代から明治時代、美濃国及び飛騨国では、地元の人々による地芝居(歌舞伎)が盛んに行なわれており、数多くの芝居小屋が建てられた。この白雲座もその一つである。 毎年11月2日と3日、白山神社の秋祭で「白雲座歌舞伎大公演会」が上演される。 白雲座は、江戸時代末期に拝殿型舞台として建てられ、1890年(明治23年)3月に客席部を増築し、落成記念公演が行われた(舞台に残された落書きから判明)[1]。その後、明治30年代にかけて地元の人々による地芝居が行われたが、しだいに廃れ、時折、買い芝居(旅役者一座による興業)を行う程度となった[1]。 昭和に入ってから地芝居が復活したものの、戦争による中断を経て、再び地芝居の上演は中断される[1]。一時は白雲座を倉庫としたり、売却する話も出たりしたが、1968年(昭和43年)から地元青年団によって、地芝居が復活する[1]。その後、歌舞伎保存会も結成され、毎年11月、白山神社の秋の祭礼時に「白雲座歌舞伎」大公演会として、芝居が上演されている[1]。 白雲座歌舞伎の特徴として、振付は市川福升師、太夫・三味線は鳳凰座の竹本美功、豊澤順八両師他が担当しているが、その他の役者や裏方は地元有志によって行われている[1]。小学生による子供歌舞伎も必ず一外題上演される[1]。 白雲座は白山神社境内にあり、名称も白山神社に由来する。建物の規模は、間口約16.8m、奥行約20m[1]。切妻造、妻入りの総ヒノキ造りである[2]。小規模な芝居小屋とはいえ、回り舞台、花道、仮花道などを備えている。廻り舞台は直径5.4mのこま回し式舞台であり、全国的にも珍しい[3]。客席は一部二階建ての桟敷席、収容人数は約400人[1]。 岐阜県は主に美濃地方を中心に地芝居が盛んな地域であり、江戸時代から昭和時代に建設された木造芝居小屋が残っている。主な芝居小屋は以下のとおりである。
概要
歴史
年表
1890年(明治23年) - こけら落とし。
1943年(昭和18年)頃 - 太平洋戦争のため中断。
1950年(昭和25年) - 復活公演を行なう。
1952年(昭和27年) - この年の公演で休止。
1978年(昭和53年) - 国の重要有形民俗文化財に指定され、文化庁の指導による保存修理事業が行われる。これを機に白雲座歌舞伎保存会が結成され、地歌舞伎が復活する。
1981年(昭和56年) - 子供歌舞伎が開始される。
建築
交通アクセス
自動車
JR高山本線 下呂駅より国道41号・国道257号・岐阜県道62号下呂白川線で約30分。
公共交通機関
JR高山本線 下呂駅よりげろバス下呂上原線「中村」バス停下車。
岐阜県の芝居小屋
鳳凰座(下呂市)
白雲座(下呂市)
黒川の東座(加茂郡白川町)
蛭子座(中津川市)
かしも明治座(中津川市)
常盤座(中津川市)
五毛座(恵那市)
熊野座
美濃歌舞伎博物館 相生座(瑞浪市)
村国座(各務原市)
皆楽座(各務原市)座標: .mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯35度42分18.0秒 東経137度17分22.2秒 / 北緯35.705000度 東経137.289500度 / 35.705000; 137.289500
脚注^ a b c d e f g h i “白雲座歌舞伎 - 地域文化研究所 | 岐阜女子大学
^ 岐阜県観光連盟. “白雲座歌舞伎
^ “ ⇒社団法人下呂観光協会”. 社団法人下呂観光協会. 2021年5月15日閲覧。