白雲岳
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この項目では、日本の山系について説明しています。中国の山脈については「大雪山脈」を、台湾の山については「大雪山 (台湾)」をご覧ください。

「松田岳」はこの項目へ転送されています。俳優については「松田岳 (俳優)」をご覧ください。

大雪山
西方の美瑛町から大雪山の山影
標高旭岳:2,290.93[1][2] m
所在地 日本北海道上川郡
位置.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯43度39分48.9秒 東経142度51分14.9秒 / 北緯43.663583度 東経142.854139度 / 43.663583; 142.854139座標: 北緯43度39分48.9秒 東経142度51分14.9秒 / 北緯43.663583度 東経142.854139度 / 43.663583; 142.854139
山系石狩山地
種類複成火山
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プロジェクト 山
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大雪山(たいせつざん、だいせつざん)は、北海道中央部にある旭岳などの山々からなる巨大な山塊の名称[3]。大雪山系とも呼ばれ、一帯は大雪山国立公園に指定されている[4]。また、西麓の勇駒別温泉(現旭岳温泉郷)から旭岳、北鎮岳、永山岳などを経て愛山渓温泉へ、翌日に愛山渓温泉から御鉢平を周遊し黒岳から層雲峡温泉に至る山行紀が深田久弥による日本百名山に掲載されている[5]
概説旭岳北鎮岳白雲岳愛別岳凌雲岳黒岳御鉢平赤岳熊ヶ岳安足間岳緑岳比布岳北海岳烏帽子岳小泉岳 大雪火山群の地形図

北海道中央に位置する標高2,000 m級の峰々を中心に構成される[3]。一つの山ではないことを明確にするため、「大雪山系」という呼称もしばしば使われる[6]

最高峰の旭岳を中心とする大雪火山群と南方に広がる台地のエリアは「表大雪」と呼ばれている[7] [8]。「大雪山」は本来この「表大雪」と呼ばれている御鉢平カルデラを中心としたエリアを指す呼称であり、「大雪山系」がそのように使われることもある。先住民アイヌは「ヌタップカウシペ、ヌタプカウシュペ nutap-ka-us-pe」(川がめぐる上の山)もしくは十勝岳連峰と合わせて「オプタテシケ op-ta-tes-ke」と呼んでいた[9]

大雪山は旭岳を中心とする山々(表大雪)のほか、周囲にニセイカウシュッペ山等の北大雪、ニペソツ山等の東大雪、十勝岳連峰の山群があり巨大な山系を形成している[3]。ただし、環境省の資料などではニセイカウシュッペ山などは表大雪エリアの一部として扱われている[7]

旭岳などを含む峰々(表大雪)とその周囲の北大雪、東大雪、十勝岳連峰を包含する大雪山国立公園は、面積約23万 haという広大さで、日本最大の国立公園である[3]

江戸時代後期以降、大雪山に近づいた和人には間宮林蔵松浦武四郎、松田市太郎らがいる[3]。松田市太郎は1857年3月から4月にかけてアイヌの人たちの案内により石狩川水源調査を行い、忠別岳などに登頂したほか層雲峡温泉を発見した[3]明治に入り、1872年には高畑利宣が層雲峡を探検して流星の滝や銀河の滝を発見している[3]1874年(明治7年)にはアメリカ人鉱山学者でお雇い外国人ベンジャミン・スミス・ライマンが、石狩川から十勝方面へ調査を行った[3]

一方、大雪山系では、一部の山名やアイヌ語呼称を除けば、大正時代半ばまで地名が確定していなかった。旭川に教諭として赴任し、大雪山系で地質植生を調べ歩いた小泉秀雄1918年(大正7年)8月、日本山岳会機関誌『山岳』所載の「北海道中央高地の地学的研究」で、北海道庁作成の20万分の1地図に詳細な地名を記した地図をつけた。古くからのアイヌ語地名が存在する場所はそれを採用し、新たな命名はそれ以外とすることを原則とした。後者の例は、北辺の守りを担う北海道駐屯の第7師団から「北鎮岳」と名付けたほか、北方探検に従事した間宮林蔵、松浦武四郎、松田市太郎の苗字から採った山々もある。小泉は、1926年(大正15年/昭和元年)刊行の同地についての初の本格的ガイドブック『大雪山 登山法及登山案内』添付地図で一部を修正し、地名選定作業を終えた[6]

アイヌを除けば、大雪山系一帯を網羅的に踏破したのは小泉が初めてとみられる。地名がついたことで全国的に知られるようになり、大町桂月層雲峡より大雪山」(『中央公論』1923年8月号掲載)[10]大島亮吉『石狩岳より石狩川に沿うて』といった紀行文に登場してさらに知名度を高めた。1924年(大正13年)には実業家の荒井初一が「大雪山調査会」を設立し、自然調査保護、観光開発に取り組んだ[6]。小泉秀雄や大町桂月の大雪山行きは、旭川で植木業を営みながら大雪山系に分け入っていた成田嘉助が案内・同道していた[10]

大町桂月ら4人は1921年(大正10年)8月22日に塩谷温泉(現在の層雲峡温泉)から入って、同25日に松山温泉(現在の天人峡温泉)へ至る縦走を達成した。この折の紀行文が上記の「層雲峡より大雪山」であり、「富士山に登って、山岳の高さを語れ。大雪山に登って、山岳の大さを語れ。」と大雪山系の奥深さを世に知らしめた。これに刺激されて、北海道庁職員らによる北海道山岳会が1923年(大正12年)、層雲峡から黒岳を経て旭岳石室へ至る登山道と山小屋を整備し、天人峡からの既存登山道とつながった[10]

なお、北海道史の研究家であった河野常吉が1927年8月、『北海タイムス』(現在の『北海道新聞』)で旭岳を山系の総称とすべきだとする記事を載せ、小泉が同年11月に反論を掲載する一幕があったが、大雪山が定着した[6]

国の特別天然記念物天然保護区域)及び国指定大雪山鳥獣保護区(大規模生息地、面積35,534 ha)に指定されている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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