白蛇伝_(1958年の映画)
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白蛇伝
「ねりまアニメ年表」の一コマ。
監督藪下泰司(「演出」名義)
脚本藪下泰司
製作大川博
出演者森繁久彌
宮城まり子
音楽木下忠司
池田正義
鏑木創
撮影塚原考吉
石川光明
編集宮本信太郎
配給 東映
公開 1958年10月22日
上映時間79分
製作国 日本
言語日本語
製作費4,047万1,000円
次作少年猿飛佐助
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『白蛇伝』(はくじゃでん)は、中国の四大民間説話のひとつ『白蛇伝』を題材にした、日本最初のカラー長編漫画映画(アニメ映画)である。カラー、スタンダード(長編作では唯一)・Westrex RECORDING SYSTEM、79分、映倫番号:10796/10796-T(予告編)。昭和三十三年度・芸術祭参加作品。文部省選定(少年向・家庭向)映画であった。アニメ映画ではあるが、森繁久彌が初めて東映の映画作品に出演したものである。

キャッチコピーは「蛇精の姫、幻術使い、珍獣の数々の乱舞跳梁」[1]
概要西武池袋線の練馬駅の西口の案内板。「アニメ発祥の地 練馬区」と書いてある。

日本初の劇場用長編漫画映画として『桃太郎の海鷲』(1943年・37分)、それに続く『桃太郎 海の神兵』(1945年・74分)があったものの、長編アニメ映画制作のシステムが確立されておらず、スタッフ達は他国(特にアメリカ)のアニメの研究からアニメーターの養成、アニメ用撮影機材の開発などまで着手しつつ、2年がかりで作りあげていった。

この映画の制作に携わったスタッフは、その後の日本アニメ界を牽引する役割を担っていった。また宮崎駿のように、この映画を観た経験がアニメ界に入るきっかけの一つとなった人物もいる。

演出は、それまで東宝教育映画部で短編アニメを製作していた藪下泰司が手掛けた。製作は東映動画(現・東映アニメーション)、配給は東映。公開日は1958年昭和33年)10月22日[2]。声の出演者は森繁久彌宮城まり子。彼らの台詞を劇作家矢代静一が執筆している。他に、人物の動きをトレースしてアニメ化する手法「ライブアクション」のために水木襄松島トモ子や当時東映に入社したばかりの佐久間良子らが起用された。

DVD2002年平成14年)7月21日に、BD2019年10月9日に発売された[3][4]
ストーリー

時はの時代の中国。許仙は西湖の畔に住む心優しい少年。幼い頃、飼っていた可愛い小さい白蛇を、大人たちに叱られて泣く泣く野原に捨てた。十数年後のの夜、その白蛇が美しい少女の姿に変身する。人間に化けた白娘は、お供の青魚の精・小青と西湖に来て、法術を使い豪華な邸宅を作り出す。成人した許仙が、ある朝、友だちのパンダとミミィとを吹いていると、その笛の音に答えるかのように胡弓のきれいな音色が聞こえてきた。許仙は1人の美女を見つける。一方、パンダとミミィがさっきの音色の出所を探していると、妖しい少女に導かれ胡弓を見つけ、持ち帰ることにした。夜、許仙が笛を吹くと、その音に答えるかのように胡弓が鳴り始めた。その後まんじりともせず夜を明かした許仙たちは、この不思議な胡弓の持ち主を探しに行く。小青と出会った許仙は小青に胡弓を返そうとするが「これは貴方のもの」と告げられ、「白娘様がお待ちかねよ」と立派な邸宅に招待される。「白娘というのは昨日のあの美しい人かもしれない」と思った許仙は誘われるがままに邸宅を訪れる。中から現れたのは、許仙が思ったとおりの人だった。あまりの美しさに心を奪われた許仙は、白娘と花畑や庭園で夢うつつなひと時を過ごす。その頃、許仙が白娘と恋に落ちたことを法力で知った高僧・法海は、なんとか許仙を救おうと考えていた。

小青とパンダとミミィは2人が結ばれたことを喜び、木彫りの竜で遊んでいると、なんとその竜が小青たちを乗せたまま空へと舞い上がってしまった。やっと落ちた先は宝物殿で、何も知らない小青たちは宝石を2つ許仙と白娘のために持ち帰った。しかしその宝石は国宝で、許仙はそれを盗み出した泥棒として役人に捕まり蘇州へ追放され、強制労働につかされることになってしまう。白娘も愛する許仙を追って蘇州へ向かうが、そこで許仙の身を案じて先回りした法海と遭遇する。白娘は法海に敗れ、逃げていく白娘を見た許仙は、彼女を追ううちに崖から落ち、絶命してしまう。

法海は許仙を島のお寺に葬ってあげようとする。一方白娘は、竜王に、自分が妖精でなくなり、妖術が一切使えない人間の身となることを条件に許仙を生き返らせてくれるよう懇願する。白娘の願いを聞き届けた竜王は白娘に命を救う命の花を授ける。白娘は命の花を持って許仙のもとへ向かうが、白娘を化物だと信じる法海は白娘を阻むため法力で追い返してしまう。そこで小青が深海の王・巨大な黒いナマズに頼み、大嵐を起こして島を襲い、許仙を取り戻そうとする。船に乗って島へ命の花を届けようとしていた白娘は、この嵐に巻き込まれてしまう。小青たちによって命の花は許仙のもとへ届き、許仙は息を吹き返す。許仙は大荒れの海の中、溺れている白娘を見つけると、たちまち海に飛び込んで白娘を助けた。この様子を見た法海は、白娘が人間へと生まれ変わり、2人の愛が本物だと知って、2人を船で迎えに行く。2人は幸せの国へと旅立っていった。
登場キャラクター
許仙(しゅうせん)
パンダ、ミミィと一緒に町で暮らす青年。子供の頃に小さい白蛇を飼っていた。横笛を吹くのが得意。
白娘(ぱいにゃん)
白い衣を着た美女。正体は許仙が子供の頃飼っていた白蛇の精。許仙に近づくため人間の姿に化けている。一途な性格。胡弓の演奏が得意。
小青[注 1](しゃおちん)
深海の底に住む青魚の精。白娘のお供。人間に化けると、青色の服を着た小柄な少女の姿になる。
パンダ
ジャイアントパンダで許仙と仲良しである。腕っぷしが強い。
ミミィ
レッサーパンダで、許仙と仲良しである。
法海(ほっかい)
海に浮かぶ孤島の山上の寺に住む高位の和尚。白娘が妖怪であることを知り、白娘と許仙の恋路を阻もうとする。強大な法力を持つ。
龍王(りゅうおう)
宇宙の星に住む。
ナマズ王(ナマズおう)
小青の伯父。深海の底に潜んでいる巨大な黒いナマズ。小青に頼まれ、大荒れの暴風雨を起こす。
製作の経緯
発端から企画の始動まで

日本発の初のカラー長編アニメ『白蛇伝』が作られるきっかけとなった映画に、香港ショウ・ブラザーズと共同制作した『白夫人の妖恋』(1956年東宝)がある。池部良山口淑子八千草薫らが出演したこの実写映画は、中国の説話『白蛇伝』を題材にしており、香港で興行的に大成功を収めた。これを受け、『白夫人の妖恋』をアニメ化する企画が、香港の映画界から東映に持ち込まれた[5]

これがきっかけとなり、当時の東映の社長・大川博は、香港の下請けとしてでなく、独自の本格的なアニメ映画をつくることを考え始めた。当時大きな興行収益を上げるアニメはディズニー映画のみだったが、日本においてアニメ映画製作の体勢を整えていけば、将来大きな産業になるのではないかという、鉄道省の役人から東急の専務、そして東映の社長へと叩き上げてきた大川の、経営者としての予測もあった。

2時間規模のカラーアニメ映画を目指し、東映の教育映画部が中心となって『白蛇伝』の企画がスタートした。この企画のために集められたスタッフには、赤川次郎の実父である教育映画部の赤川孝一、キャラクター原案と美術を担当する岡部一彦(漫画家岡部冬彦の実兄[6])、NHK技研出身で美術担当の橋本潔、演出担当の藪下泰司などがいる。


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